Q&A1716 流産が心配です | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 夫32歳、妻31歳
2014年〜タイミング法
2016年〜甲状腺機能低下症によりチラージン50服用
2016年12月、卵管造影にて卵管采の癒着の疑いを指摘され、ステップアップを決意。
2017年4月、ショート法により採卵し14個採卵、10個受精、4個胚盤胞凍結。
ホルモン補充周期にて胚盤胞を1個移植(移植前5日前にスクラッチ法、プラノバール服用開始)、陽性。プラノバールに加えウトロゲスタン1日3錠開始。5w4d 胎嚢4.5mm、6w5d胎嚢5.6mm心拍確認、胎嚢の小ささが気になったが、不妊治療院から産院へ転院。8w0d産院初診、心拍確認できず稽留流産の診断。4日後ソウハ手術。

術後2回の生理を見送り、ホルモン補充周期にて胚盤胞を1個移植(移植前5日前にスクラッチ法、プラノバール・バファリン服用開始)、陽性。プラノバール・バファリンに加えウトロゲスタン1日3錠開始。5w3d 胎嚢6.3mm、6w4d胎嚢11.4mm心拍確認。ここで、前回の流産と同じ経過になるのではないかと不安になり、先生に相談したところ、プラノバールを止めてプレマリンに変えましょうと言われました。

質問ですが
①妊娠初期にプラノバール(1日1錠)からプレマリン(朝晩1錠ずつ)に変えて問題ないのでしょうか。効果はどのように違うのでしょうか。(移植前から採血は一度もしていません)
②心拍確認時のエコー写真を見ると、卵黄嚢が大きく感じたのですが、気にしなくていいのでしょうか。流産を繰り返さないか不安で仕方ありません。

 

A 

①私には、この薬剤変更の意図がわかりません。プラノバールはE2+P製剤、プレマリンはE2製剤です。もし、ホルモン不足による流産を想定していたのなら、これでは薬剤を減量したことになります。どうも腑に落ちません。

②心配したり落ち込んでだりすると、子宮内のラセン動脈が収縮して、胎児や内膜への血流が低下することが明らかになっています。これは自分で自分の首を締めているようなものです。なるべく心配しないよう、おおらかな気持ちを心がけてください。

 

なお、このQ&Aは、約4〜5ヶ月前の質問にお答えしております。