CGH法よりもNGS法が有効 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

本論文は、CGH法よりもNGS法が有効であることを示しています。

 

Fertil Steril 2018; 109: 627(米国)doi: 10.1016/j.fertnstert.2017.12.017

Fertil Steril 2018; 109: 606(英国)コメント doi: 10.1016/j.fertnstert.2018.01.028

要約:2014〜2016年にPGS+融解胚移植を実施した方916名(NGS法548名とCGH法368名)を対象に、妊娠成績を後方視的に検討しました。結果は下記の通り。

 

          NGS法        CGH法

着床率    71.6%(379/529)  64.6%(228/353)*

出産率    62.0%(328/529)  54.4%(192/353)*

化学流産率  8.7%(36/416)   15.1%(41/272)*

流産率    12.4%(47/329)  12.7%(29/228)

*有意差あり

 

解説:現在、米国では採卵周期の20%以上でPGS(PGT-A)が実施されています。3〜5個の胎盤になる細胞(TE細胞)から全ての細胞を分析する現在の手法には限界があります。本論文は、CGH法よりもNGS法が有効であることを示していますが、少数の細胞から全体を把握するという根本的な問題点の解決には更なる検討が必要です。