Q&A2641 レントゲン撮影の影響は? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 38歳、妊娠治療3年

 

私は生まれつき股関節が悪く、先天性両側臼蓋形成不全という病名がついています。定期検診を受けていますが、レントゲン撮影時に子宮部分に鉛の防具を付けます。それでも度重なる放射線が不妊に影響していないか心配です。どのくらいの回数または放射量で不妊につながるのでしょうか。だいぶ影響があるのであれば、授かるか出産を諦めるまではレントゲンを控えようかと悩んでいます。

 

A 腹部単純X線の被曝量は、鉛のプロテクターなしで 4.2 mSvですが、プロテクターを付けていればほぼゼロに近くなります。不妊との関連は、癌の放射線治療のレベル以上(およそ5Gy以上)で認められますので、現在の定期検診でのレントゲン撮影が不妊に影響している可能性は極めて低いと考えます。独立行政法人 放射線医学総合研究所が作成した「放射線被ばく早見図」がとてもわかりやすいので、参照してください。

 

下記の記事を参照してください。

2012.11.23「☆妊娠中の放射線被ばく

2012.11.20「☆妊娠中の航空機搭乗

 

なお、このQ&Aは、約2ヶ月前の質問にお答えしております。