☆【ブログ上相談】漢方クリニック通院中・2軒目 よくならない-④
こんにちは、まつもとです。
今週は読者の方からいただいたご質問にお答えしております。。
ご質問くださったのは、京都府在住S.Kさん、30代の女性です。
前回まで、
・夏に改善し、11月下旬から悪化するのはなぜか
・○○な漢方薬を少量使って悪化したのはなぜか
・痒疹ができて月経が変化したのはなぜか
と順にお答えしてまいりました。
今日は最後のモンダイ、
「痒疹に桂枝湯はどうか」
について考えたいと思います。
いただいたご質問の該当部分は、こんな感じでした。
------
わたしは、アトピーを完治させたいと思い、2年半前から「漢方クリニック」に通っています。
通いだして9ヶ月経った時、突然今まで出ていないところにみるみる湿疹ができ始め、頭から足まで湿疹が出てきて「痒疹」と言われました。
アトピーを治しに行ってるのに、さらに「痒疹」と言われてショックと絶望感を感じました。
痒疹ができて、クリニックを変えたのですが、そこで初めに出された処方は「桂枝湯」でした、
1ヶ月服みましたが、ますます悪化して痒みが増しました。
治らないばかりか、漢方薬でよくなった感じもしないので、このままでよいのかとても不安です。
<一部省略・改変しております>
-----
うーん。
結論から言うと、まつもと自身は、
「アトピー性皮膚炎でお悩みの方が『痒疹』を併発された場合、『桂枝湯』を出したことはナイ!」
です。
これは、声を大にして言えます。
アトピー性皮膚炎の急性期が治まっていない方に、桂枝湯は出しません。
痒疹を併発するということは、かなり痒みが強いということ。
これは、アトピー性皮膚炎の急性期が終わっていないということですから、まだまだ温めちゃいけないんです。
ちょっと解説しますね。
これまでたびたびお話ししてきましたが、アトピー性皮膚炎というお悩みは、身体に何かしらの弱点があるにしろ、赤くて痒く、プツプツして腫れていれば「炎症」です。
炎症は、中医学的に言えば「熱」なので、もともとの弱点に惑わされず、熱を冷ますお手当をする必要があります。
ここで「冷やす」方向でなく、「温める」方向のお手当をすると、「熱」が強められてかえって悪化します。
一方、漢方薬の「桂枝湯(けいしとう)」という処方は、身体の表面を温めて、「陽気を通じさせる」働きがあり、これの合う状態に使えばものすごく効果のある名処方です。
が、温めて、陽気を身体の端から端まで通じさせるので、熱、とくに身体の表面=皮膚に熱があるときは、それが強められ、症状が強まる可能性があります。
熱、とくに身体の表面=皮膚に熱がある……アトピー性皮膚炎の急性期って、まさにこの状態ですよね。
まつもとも、桂枝湯の仲間をアトピー性皮膚炎の方にお勧めしたことがありますが、急性期はすっかり終わって慢性期に、「冷たい風に当たると皮膚色のポコポコが出る」という寒性の蕁麻疹を併発した例への使用でした。
アトピー性皮膚炎は、急性期→慢性期と、段階によって病気のジャンル(邪気)も変わりますし、やらなければならないことも違いますので、「一般的にアトピー性皮膚炎によいのは……」と対処法をひとくくりにしちゃいけない。
これ、鉄則なんです。
Sさんにひとつ、アドバイスをしたいです。
それは、相談先はよく選ぼうということ。
これについては、次回の記事で、選ぶべき漢方薬とともに、少しくわしくお話しします。
最近使っていませんでしたが、内容が内容だけに、久々に「アメンバー限定記事」として更新したいと思います。
ではアメンバーのみなさん、次回の記事更新をお待ちくださいね。
アトピーを治したい方のための、正しい食べ方(食養生)は、こちらで学べます。
「アメンバー限定記事」を読むには……
「相手に知らせて読者になる」→「アメンバー申請」
漢方薬などの濃~い話は、誤解のないよう、いつも読んでくださるみなさまだけに公開しております。
読者の方からのアメンバー申請は承認いたしておりますので、どうぞ♪
ご相談は、札幌市西区二十四軒の漢方相談のお店
「まつもと漢方堂 」で承っております。
東西線二十四軒駅から徒歩1分。
お問い合わせ・ご予約は
日・月・祝定休
営業時間 10:00~18:00
(イベントなどにより変動することがございます。
お問い合わせください)