固定種が良い、F1が悪い、という勘違い | 無農薬•無肥料•自然栽培 めぐみ農場

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農場の気まぐれなブログです。

色々な情報が飛び交っているおかげで

固定種が良い

F1が悪い

という概念が『固定』されつつあるようです。

電話でもそれがあります。

『おたくの玉ねぎは固定種ですか?』

『F1だと思います』

『そうですか、ありがとうございました、ガチャ』


『‥‥‥』


もうひとケース


『おたくの玉ねぎの種類を教えてください、種を買いたいです』


『○○です』

『それは固定種ですか?』


『わかりません、多分F1だと思います』

『え?そちらの農場はF1を使っているのですか?』

『‥‥‥』



もちろんこれらの例は農家ではない素人の方です。

しょうがないと言えばしょうがないのです。


来月からめぐみ農場でも玉ねぎの播種がはじまりますが
数種類、種を買います。

F1と表記してある種もありますが
そうではない種もあります。

カタカナと英字が混じった名前の種類がありますが
絶対F1だろ思いきや固定種だったりします。

和名がついている種でもF1だったりします。

正直よく分からないものばかりです。
種苗会社に問い合わせしたこともあります。

めぐみ農場では固定種とF1両方使っています。

理想は固定種から種をとれればいいですが
全てが全て中々そうはいきません。

種取りは作物にもよりますが多少の技術と手間、管理が必要なのです。


そもそもなぜ
固定種=良い
F1 =悪い

という認識が広まってしまったのでしょうか。


おそらくですが

『勘違い』

ではないかと思います。


遺伝子組み換えとF1交配の勘違い


僕は今年定期的に青森に足をはこび木村先生の元で研修を受けています。
僕以外にも他10名全国から来て研修をうけております。

証拠は9月号の婦人画報という雑誌を見てください。


そこでやっぱりこういう事をおっしゃる方がいます。

『F1より固定種が自然栽培にはいんですよね!!』


弘前大学の農学部の杉山教授の授業を何回かうけさせて頂きました。


そこでも同じ質問をした方いました。

よくよく聞いていくとF1と遺伝子組み換えがごっちゃになっているようでした。

先生はお話にならないという感じで鼻で笑い説明してくれました。


固定種=その種からそれと同じような形態のものが出来る

F1=国際結婚して出来た子供、その種からは同じような形態のものが出来ない(メンデルの法則)

遺伝子組み換え=遺伝子自体を他の生態の遺伝子と組み替えてしまう、人間にブタの遺伝子を組み込むようなもの



分かりやすい説明ですね~。


そうなのです、遺伝子組み換えがなにかこう神の領域を犯しているいるような、
イメージがとてもよろしくないのです。

F1は種が出来ない、という認識をされている方もいるようです。

種が出来ないのではなく、同じような揃った形態は出来ない、というだけであって
種も出来るし成ります。

ただ2代目からは両方の親の隠れた性質が出る子も産まれる、というだけです。

種が出来ないのは雄性不稔という突然変異的なものから
改良された雄性器官が不稔(精子が出来ない)となるものことです。

外国製の自殺する種、は遺伝子をいじったものです。



そして木村先生にも同じ質問をその方はぶつけていました。


『まるっきりそれは間違い』


ばっさりでした笑


固定種はやはりはじめは育ちにくいらしく
その土壌で育った2代目をまた同じ土壌に植えると
良いものが出来るそうで、種は記憶しているらしい。

全部ではありませんが、固定種は味もあまりよくないのが多く
生産に向くものは限られるそう。

日本は種の保有率がそんなに多くないのでF1に頼らざるおえないとのこと。

めぐみ農場でも人参は今年3代目の固定種で
うまく条件が合うと形も大きく甘い人参が出来ます。

来月できるであろう自然栽培のお米は昨年採れた籾が種です。

これから植える秋ジャガも当農場で夏に掘ったものを植えます。
里芋もそうです。

夏野菜も今年固定種の苗を沢山つくってある程度植えましたが
ほとんど管理出来ずにものにはならなかった。

でもなんとか種を採取して来年は固定種一色の夏野菜にしょうと思います。

このように自家採取もF1も
うまい具合に組み合わせて使用していこうと思います。

最終的には消費者に届き

『おいしい』

といって頂くのが生産者としてのひとつのゴールです。



たしかにちょっとややこしいですね。
色々とと事情があるので表には出てこない情報です。

今流通されている作物の99%は
化学肥料、農薬の慣行栽培のもので多分、種もF1が主流でしょう。




自然栽培、生半可な取り組みでは続けられるものでないと自負しています。

今後も心して取りかかって普及活動に専念させて頂こうと思います。


ありがとうございます。




今井