屋台カフェのつくりかた/山口 健司

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駐車違反の際のみかじめ料を踏み倒して知らばっくれていたら、早速、口座を差し押さえられてしまった輩がいたそうだが、公僕、税吏の極楽浄土らしい話だ。

お上に楯突く者を擁護するどころか、政府直営放送ならばともかく、CF付の警察やら、税吏のお手柄話が、時に美辞麗句満艦飾で、民営TV画面上にも流れる土地だけはある。

ふんだんに吸い上げた諸税、みかじめの配分決定権を握る、上級公僕共がふんぞり返っていられる地では、酒席でふとしたはずみに、屋台を引きながら世界一周などと口走ろうものなら、傍から、「また幼児帰りですか」といった台詞の前に、「不法就労ではないですか」だの、「衛生法に引っ掛かるんでは」などとまず興ざめな反応さし示す、お上の顔色を伺うのが骨身に染み付いてしまっているような向きが多いのもたしかだ。

とはいえ、そんな土地柄に前倣えして、夢想を排斥して、唯金事大リアリズムごもっともばかりでは、どうにもやりきれないかぎりだ。

僕の他愛もない反実仮想は、乾燥無味な極東の現実の一面への、微々たる異議申し立てといったところかも知れない。

屋台を引きながら世界一周は、僕の幼少のみぎりからの願望などではゆめゆめないが、キャンピングカー、徒歩、自転車、ヨット、気球、バイク、タクシー等、あらゆる手段で世界一周が果たされてしまっているが、残り少ない選択肢のひとつではないかと思い、性懲りもなく、反実仮想し、あたため続けていることのひとつだ。

材料現地調達しながら各地で屋台稼業にいそしむ絵面を浮かべると、至極血潮が沸き立ち肉踊る心持ちになるが、もっとも叶えてみたいことといえば、サハラ砂漠の只中で、駱駝の乳、香辛料のたっぷり入ったチャイ、駝乳酒、スブラキなどで、ベドィンの渇きと疲れをじっくり癒してやることだ。世界一周屋台の絵面を浮かべるためのネタはとにかく尽きない。


週末アブロードに愛をこめて―土曜は西安(シーアン)の清真(イスラム)屋台で/都丸 幸泰

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タイの屋台ゴハン/北原 俊寛

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誰も教えてくれない「屋台」商売の始め方・儲け方―車1台、50万円から“移動販売型屋台”で楽しく商売/野沢 一馬

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TAIPEIストリートフード―屋台料理を追って台北へ

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タイの屋台図鑑/岡本 麻里

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みんなでつくろう!大型クラフト〈2〉屋台・お店/桧山 永次

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