ミルコのひかり/クリスティアーノ・ボルトーネ

¥950
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EU圏の高速道は、大方無料だから、いちびると、漂泊エトランゼの身の上もうち忘れ、何処迄も走って行ってしまいそうになる。

Sasso Marconiまでの心算がFirenzeを越えて、Pisa、Lucca、Livornoくんだりまで走ってしまったなんて仕儀に相成る。

Livornoから、Firenze方面へ向って、高速ひた走る途上に目の当たりにした、Pontedera界隈の風景が出て来たのが効を奏したのか、『ミルコのひかり』ののっけから、即刻大画面に引き込まれた。

RAI(伊太利国営放送)から流れるメルヴィルの『白鯨』の一節もよかったし、盲学校寄宿舎の下働きのおば様たちのLiguria産とおぼしき浜言葉もよかった。子供たちから時折まくしたてられる四文字言葉には、フォアグラになりかけ気味の℃肝を抜かれた。

さらに、もっとも心の蛇味線とマリンバをかき鳴らされたのは、こっそりミルコとフランチェスカ(ミルコGF)以下、夜中、同級生達がこぞって寄宿舎を抜け出し映画館へ向うのだが、そこで上映されている、“Franco e Ciccio”主演の『Il clan dei due borsalini』の一場面を観ている観衆から、哄笑、喝采が沸き起こる場面だ。

“Franco e Ciccio”の映画は大方、伊太利語がよく分からない向きでも、二人の挙作動作を眺めているだけで笑えてしまうようなものばかりで、私などは、MAD、モンティパイソンと共に座右に置いている代物で、肌身から離しがたい程の入れ込み様だ。

米英豪に偏りがちなこの地では、なかなか極東版DVD BOXのリリースも見込めないようだし、輸入版すらもなかなか手に入りにくいようだが、現在では“Youtube”という便法があるから、“Franco e ciccio”の超buffoな作品群を、ぜひとも多くの人に観ていただきたいものだ。

PC画面上ばかりでなく、いずれBolognaの“Cineteca”でぜひとも観たいとも思っている。

<参考サイト>

De Agostini: http://www.deagostiniedicola.it/collezioni/francoeciccio/index.html

Youtube:http://www.youtube.com/results?search_query=franco+e+ciccio&search=Search





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