Yahooで、ちょっと気になるニュースを見つけました。
学校の教育現場がブラックなのは、周知の通りです。医師の勤務状況もブラックなのは、周知の通りです。そこで、仙台市教員募集パンフのように、初期研修医の超過勤務が分かる雑誌がありますので紹介します。『民間医局』(メディカル・プリンシプル社)発行の「ドクターズマガジン」(←一般には手に入らないかも。僕の自宅にある理由は内緒)です。初期研修医の労働時間が分かる記事が、「民間医局レジナビ」というコーナーに掲載されています。
雑誌には初期研修医の実名と顔写真(女医さんは美人が多い!)が掲載されていますが、ここでは触れません。掲載号、病院名、卒業大学、現在の所属先と、1日のスケジュールのうちの最初と最後を書きます。
2019年1月号 山梨県立中央病院
慶応義塾大学卒業 現在は消化器内科
7:30~8:00 勉強会
20:00~ 回診後帰宅
2019年1月号 栃木県済生会宇都宮病院
秋田大学卒業 現在は総合診療科
8:30 カンファレンス
18:00~帰宅
2019年2月号 富山大学附属病院
富山大学卒業 現在は第1外科
6:30~6:50 (ICUの患者さんがいる時)回診、処置
7:00~7:50 病棟の回診、処置、カルテ記載
17:30~ 術前・術後カンファレンス
2019年2月号 市立東大阪医療センター
大阪大学卒業 現在は救急科
8:20~8:30 救急外来カンファレンス/申し送り
17:30~仕事が終われば帰宅
2019年3月号 豊田厚生病院
名古屋大学卒業 現在は呼吸器内科
8:30 朝カンファ
16:30~18:00 症例カンファレンス
2019年3月号 甲南病院
神戸大学卒業 現在は外科
7:15~カルテチェック・回診
17:00~カルテチェックして帰宅
帰宅時間が不明瞭な書き方が多いです。「仕事が終われば帰宅」って、何時に帰宅しているのか気になります。2018年以前の号を見ても同様で、大半が超過勤務です。土曜日出勤のケースもありました。残業代は、きちんと払われているのでしょうか?
雑誌インタビューを受けた初期研修医は、「これだけ仕事頑張ってますよ~」「研修が充実してますよ~」と言いたいのでしょうが、今の時代はどうなんでしょうね。仙台市教員パンフが批判を受けたように、超過勤務が分かるような勤務時間を公表するのは、宣伝になるどころか、逆効果または批判の対象になりかねないです。労務管理の面で研修責任者の医師(←これも顔写真と実名が掲載されている)にも火の粉が飛んできそうです。
超過勤務自体アウトなのですが、それとは別に、雑誌に顔写真と実名が掲載されるわけですから、医師側の回答にも慎重さが必要だと思いました。後輩への情報提供のつもりなのでしょうが、医師はやむを得ない必要性がない限り、雑誌のインタビューを安易に受けるべきではないとあらためて思いました。