~金曜日~
どうしたらいいのか分かりません。
キョウスケさまはどうして私に声を掛けてきたのでしょうか。
連絡先の交換にも応じてもらえず、手をつなぐことさえ避けられているような・・・。
キョウスケさまは本当に私のことが・・・。
・・・。
私は何を考えて・・・。
最初は一週間だけのお付き合いという約束でした。
一週間・・・。
・・・。
・・・期限付きでなくていいのに・・・。
「まさか本当にあいつのこと好きになったんじゃ・・・」
ユウナさまの言葉・・・。
まさか・・・。
でも・・・。
・・・。
・・・どうして私は機械としてこの世界に生まれたのでしょうか。
キョウスケさまやユウナさまたちと同じだったら・・・。
金曜日。
昨日海へ行った帰りに、またキョウスケさまと会う約束をしました。
今日は映画を観に連れて行ってくださるそうです。
「・・・リル。」
「はい・・・何でしょうか?」
「気が進まないんだったら、今日会うのよしたら?」
「え・・・」
「なんかさ、最近楽しいより悲しそうな顔してるような気がするんだけど。」
「・・・そのようなことは・・・。」
「だいたいさあ、やっぱ変だって。アドレスも教えてくれないなんて。」
「・・・。」
「・・・リルが断りにくいんだったら、あたしがあいつと話そうか?」
「・・・いえ、日曜日までお付き合いすることは私の中に設定していますので・・・」
「そんなの消去しちゃえばいいじゃない。」
「・・・それは・・・。」
・・・キョウスケさまとの約束を取り消す・・・。
・・・できません。
・・・そうしたくありません・・・。
「リルさん。」
キョウスケさまがいらっしゃいました。
・・・後二日。
もうすぐ私たちの約束が終わろうとしています・・・。
~つづく~