~赤い服の少女~


 梅小路さんのお家の少女の絵。


 寂しそうな表情の女の子・・・。


 「む~」


 みさとがなにやら変わったデザインのメガネをかけて絵を見た。


 「・・・飛び出してこない。」

 

 ・・・3Dメガネか。


 「昼間はずっと絵のままですの。絵から女の子が出てくるのは決まって夜ですわ。」


 「夢とかじゃないですよね?夢と現実がごっちゃになったり・・・。」


 「ほっぺをつねったりして爪で傷が付いたくらいですもの。夢ナはずはありませんわ。」


 梅小路さんの顔に小さい傷あったの気が付いてたけど、それが原因だったのか。


 「そういうことだと、今この絵を見てても仕方ないわね。今日はカメラを設置して、様子を見ましょう。」


 「カメラだけ置いて帰ってしまうんですの?」


 「私たち学校帰りのままだし、それにこの絵からは悪意のようなものは感じないわ。気にせず寝てるといいわ。」


 「でも・・・。」


 「なんならあたしがお泊りしてやろうか?」


 「・・・一人で寝ますわ。」


 「なぜだ~!!」


 怖い絵より警戒されてるのね、みさと。


 コンコン☆


 「お嬢様お茶をお持ちしました。」


 「どうぞ。」


 「失礼します。」


 さっきのメイドさんが入ってきた。


 丁寧に私たちの前にお茶を置いて・・・。


 「あの・・・お嬢様、お願いが・・・。」


 「・・・またですのね。みなさんに聞いてごらんなさい。」


 ?なんだろ、私たちに質問?


 と思ったら、メイドさんはポケットからデジカメを取り出した。


 「みなさん、お写真を撮らせていただいてよろしいですか?」


 ちょっと赤い顔をしてそんなことを言うメイドさん。


 「は・・・?」


 「・・・ごめんなさい、彼女の趣味なんですの。私のお友達や可愛い女の子が訪ねてくると写真をとりたがるという・・・。」


 ・・・。


 「もうこんなにたくさん来られたら我慢できません!興奮してお湯で火傷しましたー!はああ!!」


 カメラを持ってテンション上がってるし・・・。


 ・・・私の出会う人たちって、なんかこう・・・。


 

 特に断る理由も無いので、メイドさんのリクエストにお答えしました。


 写真を撮ってお部屋を出て行ったメイドさん。


 「はああ~!」


 という声がしばらく下の階から聞こえてきて、梅小路さん恥ずかしそうだった。


 

 さっきの瞳美のセリフの通り、くーみーが取り出したカメラを梅小路さんの寝室にセットして、私たちは帰ったのでした。



 ~つづく~