父が亡くなって15年経つが、その間に父の夢を見るこはめったに無かった。
それがゆうべは突然夢の中に登場したのだ。
夢の中のわたしは高校の制服姿で、どうやら反抗期真っ只中らしく、父に向って何やら抗議していて、父が何かを話す度その言葉に逆らい顔を真っ赤にして声を張り上げている。
それに対して父はと言うと、色あせた写真に写る若き日の父の姿で、チノパンのようなベージュのパンツに、上半身はU字の下着姿と言ったいで立ちで、優しそうな笑顔を浮かべ目を細めて頷きながらわたしの話を聞いている。
夢の中では、父が『これからの日本は子どもを産み育てるのは難しい世の中になるよ。』と話していて、その言葉に『将来は子どもは3人欲しい!』とわたしが言うと、父が『こどもが3人もいたら苦労するぞ~」と、ニコニコしながら言葉をつづける。
するとすぐさま『夫婦2人で、たった1人の子どもしか産まないとしたら、これから先人口はどんどん減って、日本ははどうなると思うの?」とわたし。
でも、父はニコニコ。
その笑顔が憎らしく思えて『あぁ~そうか!いいよね!!もうその頃はお父さんなんて死んじゃってこの世に存在しないもんね~!』、わたしが憎たらしい言葉を投げつける。
その直後『はっ!!』として、寝ていたわたしは夢から覚める。
なに言ってんだ?お父さんはもういないんだよ・・・。
もちろん、過去にそんな酷い言葉を父に放った事はなかったし、喧嘩のような親子の会話を楽しんだことはない。
なのになんで父が突然わたしの夢の中に登場して、やさしい父親を演じたのかとても不思議。
それ以上に、夢から覚めた直後に泣いている自分も不思議だった。
夢の意味をしばし考えた・・・。
あっ・・・・そういえば、忙しさにかまけてお墓参りは行けていなかった。
お彼岸もお墓参りにいけてない・・・。
そうか・・・わたしはずっと父のお墓参りに行けてないことが気がかりだったんだ。
母が手術を受ける前に、行って来よう。
母をお迎えするのは、まだまだ先送りにしてねってお願いして来よう。
今まで通りに、見守っていてねと話して来よう。
しかし、夢の中の父は優しい眼差しだったなぁ・・・