不時(無事ではない)、高校を卒業をしてからここさいきん、
至って冷静に考えていました。
もしもこれから私が男子校に行くなら、
国立高校を卒業した上で、
男子校の高校に行くとしたら
それは可能か、またどのような形式になるのか。
高校は一回卒業したことになるね。
それでも高校にまた入れるのだろうか。
そして、そのあと大学に入ったら、
もう二度と高校には行けないのかしら。
ここらへんはもう一度県庁さんに相談です。
ここで書いていても仕方がない。
ただ、男子校リバイバルをしたら
確実に仕事の面で将来は不安定になるでしょう。
これが問題、大問題です。
男子校という学歴は女性として働く上でけしてプラスにならないし、
なによりそれまでの遅延はそれだけで就職口がたじろぐ。
となると、企業の就職はアウトな訳です。
私の人生から第二セクターという選択肢はほとんど無くなるのです。
ひょっとしたら、そのラグに埋めれるのは
ただの公務員でも難しいかもしれない。
だとしたら、
残るは医学部か、法学部。
なるほど。
これらは短い年月ではとうてい行けるものではありません。
ですが私の中では、もう昔のように夢想のシーズンは終わりました。
三年間、勉強したなら聖マリぐらい行けるんじゃない?
という妄想をしていいシーズンはもうおしまい。
打算の美学を極めたい。
ハタチ以降です。
そしてそんな打算の回答でさえ
男子校は必要だ、と編み出している。
*
いまから4年前
椿姫彩菜が自著伝、「わたし、男子校出身です」を出版したとき
『しまった!』と私は心底後悔しました。
椿姫彩菜にしたら
「どうだ、男子校の紅一点だ。うらやましいだろ」
というような自慢で書いたのでは決してなくて、
「男子校にも通いましたが、頑張って女に還りました」
というニュアンスで書いた本だというのは本からひしひしと伝わってきたし、
私も当事者なので十分事情は分かっているつもりです。
ですが、それでも悔しかった。
当時、否応なしにあの高校に入ったばかりの私に
あの本はなおさら深く深く問い正したのだ。
『見ろ、みんなお前を笑ってる。
彼女との会話に飽いだとき、お前の障害は
カップルの恰好の笑い話になる。』
椿姫彩菜も、私も高校を卒業したいまでも
私の毎日は断罪の連続です。
これからの人生はそれとの戦いかもしれない。
健常な性別に物を言わせ、いろんな女の尻をおっかけまわす大学生は良くて、
男子校にわざわざ通うMtFは不埒なの?
そんなのおかしいじゃない。