以前、
大好きだった小学生時代の塾でお世話になっていたある先生に会ったんです。
ご飯を一緒にいただいて、
昔話やいまの活動について話を聞いてたんですね。
私の塾の思い出といえば
小学六年生の男子女子にクラスを分けて編入しところの思い出がまっさきに浮かびます。
そのクラス分けは、来る男子校にむけてものでしたが、
クラスの授業風景そのものが男子校のようで、
そこでつかの間学ぶことが出来た私は
一生の思い出になるような楽しい時間を過ごしました。
私にとってそれは、中学選択の後悔の混じった
とりわけ特別な思い出でした。
しかし先生にいろいろと思い出話をしてて、
普段は触れない私のコアを触れて胸が熱くなった私と対比に、
先生は冷静にこう言いました。
「男の子はね…忘れてしまうよ
それか思い出なんて語らないか」
先生は伏し目がちにそう口にした。
そうか・・・。
そういうものなのか・・・。
だとしたら、
私の中に眠る男の性よ、
誰かが忘れることを憂うよりも、
選び損ねた楽園や
叶わなかった雪辱や
障害の救いにした恋愛を
全て忘れてしまえ。