今日から8月ですね。長野も猛暑続きで大変ですが少しは暑くなってもらわないと野菜が実らないし、今しばらくの我慢です。
まあ先月末まで雨続きだったのでお日様の恵みはありがたいのですけど、いきなりこれだと参りますねえ。明日も35度ですって。
熱中症にはくれぐれもご用心くださいませ。
さて、今年2月14日バレンタインデーに始まった高橋大輔主演 氷艶2019カウントダウン。
5か月間も期待に胸膨らませて楽しみにしていた舞台が望んだとおり大成功に無事終了し、おかげさまですべての願いが成就したような満足感があります。が、だからと言ってそう簡単に切り替えられるわけもなく・・・
今日もまだ胸に手をあてると心拍数がかなり上がっているのが自覚できます。気分の問題じゃなく実際に体の症状として現れているのだから重症です。やばいです。
これは氷艶ロスじゃなくって氷艶ハイですね。今日TLで見かけたWordなんですけどまさにその通り。氷艶は終わってしまったけど私には失ったという感覚はありません。
むしろあの時の興奮がそのままキープされていて覚めない夢のよう。
会場で過剰摂取したものがいまだに作用し続けているって感じです。
どっちかといえばその方が幸せですよねー?
幸せなのはいいんだけど正常に戻らないというのも困ったものです。前回の破沙羅もそうでしたが、ゆっくりと思い出しながら、あーあの場面の台詞ってなんだったっけ?とかこの場面はどんなだったかなー?なんて記憶をたどり、記事に書き起こす。
そんな作業が一番私にとってのリハビリになるんですよ。前回破沙羅は「その12」まで行ったので、今回もそのくらいの長さになると思います。
奇特な方はのんびりとお付き合いくださいませ。
源氏、藤壺に告白する
光源氏と朱雀君の歌くらべはいずれも甲乙つけがたいものでしたが、弘徽殿の側近、長道は桐壷帝の新しい側室である藤壺の口から「次の帝は朱雀君がふさわしい」と言わせるつもりでした。後ろ盾となる有力な親族もおらぬ光源氏よりも、高貴な生まれの弘徽殿側に付くはずという勝算があったからです。新参者でもそのくらいの空気は読めるよね?って。
声も高らかに藤壺に判定を迫ります。
「さあ藤壺様、お決めください。どちらが帝の歌にふさわしいかを」
桐壷帝も答えを促します。
「ささ、藤壺よ、遠慮なく申してみるがよい。どちらの歌がお前の心を響かせたのじゃ?」
しかし藤壺は戸惑います。
「・・・・わたくしにはどちらの歌も心に響きました・・・・ですがどちらが帝にふさわしいのかなどと、そのような大それたことはわたくしのようなものには決められませぬ・・・」
藤壺は美しい顔を曇らせ、隠れるようにして去ってしまいました。
その場に不穏な空気が漂いますがそれを繕うように桐壷帝が笑います。
「ハハハ、まだ宮中に上がったばかりの藤壺にはちと荷が重すぎたかな?っ! ゴホッ ゴホゴホッ」
激しくむせぶ帝に一同が心配して駆け寄ります。
「いや・・・大事ない、大事ない・・・・さあ!皆の者宴じゃ・・・今日は藤壺のため存分に祝うがよい!」
光君はそんな周りの騒ぎなど耳に入らぬ様子で藤壺が去った方をじっと見つめていました。
その夜のこと、寝所へと向かう藤壺の後をひそかに追う光君の姿がありました。
屋敷の長い廊下を歩む藤壺、それに気が付かれぬように角を曲がるたびに柱の陰に身をひそめて行き先を伺う光源氏。
誰かが後を付けていることに気が付いた藤壺は寝所の前で振り返って思い切って声を掛けます。
「なぜ??なぜ後を追うのです?なぜわたしを・・・」
真正面から問いかけられて源氏は鼻白んだように顔を伏せます。が、意を決したように藤壺を見つめて消え入るような声で打ち明けるのです。
「惹かれてしまった・・・・・」
「あなたを求めるこの心…どうしても抑えられない・・・」
目を見張る藤壺を驚かせまいとわずかに笑みをうかべて続けます。
「あなたが欲しい・・・・あなたのすべてが・・・」
(初公演では惹かれてしまったというセリフがとても小さくてちょっと聞き取りにくかったのです。大ちゃんもかなり緊張してたのかもしれません。でも続く言葉がとても甘くて、ぐはあーーってなりながら、誰のアテレコ?ってその時点ではまだ気が付きませんでした。でもちょっと小さな声でなんか遠慮がちに思えたのでもしかしてこれは???とあとでD友さんに尋ねてみてやっと大ちゃん自身の声だと判明。
いやあその時はひっくり返るかと思いましたよ。複数公演見られたからいいものの、これで一人鑑賞して帰ってしまったら、最後まで気が付かなかったかもしれません。そのくらい普段の大ちゃんの声とは違ってました。SAで見たときは間近で表情まで拝見できたのでおもわずのけぞりましたよー。甘いーー甘すぎるよ大ちゃんの声)
・・・あまりにも率直に告白する源氏の瞳に少しの嘘もためらいもないのを見て取って藤壺の心は激しく動かされます。
まるで幼子が母親の胸をせがむようにひたすら純粋に自分を求める美しい青年に惹かれないわけがありません。
が・・・・
「なりませぬ。私は帝にお仕えする身。どうかお引き取りください・・・」
言葉少なに断って、袂で顔を隠しそのまま背を向けて源氏を帰そうとする藤壺宮。しかし背後から聞こえる衣擦れの音に思わず振り向きます。
そこには藤壺を想う心のままに舞う源氏の姿がありました。
しなう体は優美な線を描き、床を擦る足袋の音さえ小川のさざめきのよう。
(大ちゃんはここで1曲滑るんですけど、男として藤壺を誘うような感じではなく、少年が自分の恋に恋しているようなすごくナイーブな雰囲気でした。たたたっと走ってから何かを掬い取り、胸に押し当てて空に帰す。藤壺に向けて手を差し伸べたあと袂で顔を隠して恥じらいを示す、でもまた振り仰いでどうにもできない自分の熱い胸の内を吐露する。情熱的というよりはマーニーの思い出に似たやさしさがあり、氷に身をゆだねているような滑りでした。)
躰から花弁が零れ落ちるのが見えるような風雅を極めた源氏の舞姿
鳳凰堂の飛天の舞もかくやと思われるほどのこの世ならぬ美しさに藤壺も我を忘れて見つめます。
(歌くらべと同じくここでもインタラクティブプロジェクションマッピングが効果的に使われています。氷上のトレースに沿ってこんどは小さな花弁が散るんです。2012年のカーニバルオンアイスで演じたEXピアソラは、大ちゃんの足元にまるで薔薇が咲いてるようだとこのブログで感想を書きましたけど、まんまそれを視覚化してくださったというわけです。
流れるような大ちゃんのスケートの後を追うように薄紅色の花が咲き散らしていくって、想像するだけでも素敵でしょ?
私はそれを見たときに落花流水という言葉を思い出しました。相思相愛という意味で、男性に女性を慕う気持ちがあれば、女性もそれに応じて情がわき、男性を受け入れる気持ちになるということです。)
例えれば源氏の舞は水の流れ、そして藤壺はふもとに佇む桜の花。
拒んで見せてもいずれ花は落水し、二度と木に戻ること適わず、ただ流されていくほかはない。
源氏が舞い終わり、そっと己が手を取ってその柔らかな頬を押し当てられたとき、藤壺は道ならぬ恋の運命(さだめ)を悟るのでした。
清登白河の仙台堀川を流れる桜の花。大ちゃんファンにはおなじみの光景ですね。
2015年春、高橋大輔はいったんスケートから離れて自分を模索するために渡米します。ファンとのお別れという意味もあったのでしょうか?それまでの集大成ともいえる「2000Days」という本を出版したのですが、そこに付属されたDVDにこの清登白河の桜の風景が映し出されていました。
大ちゃんがここを歩いたときはすでにだいぶ散り桜になっていて、それを見つめながらきっとこれで日本の桜も見納めになるかな?なんて考えていたのかもしれません。
これはD友さんに案内していただいてここを訪れた際に撮影した写真です。風が吹くたびにたくさんの花弁が宙を舞い、川面を薄紅色に染めていく様はそれはきれいでしたよ。
思えばこの時私も落花流水の如く、大ちゃんがどこに行こうとも決して離れられない自分を感じておりました。
水に落ちてーー
どんぶらこ どんぶらこと・・・・・
・・・・・・桃かっ!?
桃でもなんでも流れ着いた先が満場の観客でにぎわう横浜アリーナで本当に良かったです。
つづく
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