チームラボによるLUXEフェニックス演出解説 | 高橋大輔選手と共に momokikuのブログ

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フィギュアスケートの高橋大輔さんを無条件に応援しております。

歳を経るごとに時間経過が早く感じるようになりましたが、毎年GPSが始まるとさらに速度アップしてこの分だとあっという間に年末です。

エンターティナー高橋大輔さんを応援するためにももうちょっとマメにブログ更新したいと思ってましたが、こっちのほうはだんだん言葉を紡ぐ速度が遅くなり、あれもこれもと書きたいが溜まっていくような状況です。

 

でもそれだけファンが喜ぶ話題が途切れることないわけで、毎日スマホを眺めてはニヤニヤしております。

とは言え一番会いたいのはスケーター高橋大輔さんなので、ほんの少しでも滑る姿を披露していただけないかしらと待ち望んでもいるんです。いやそれはそれでまた幸せなのですけどね。見るのも待つのも楽しみのうちです。

 

で、今夜はLUXEの映像演出に携わったチームラボ担当者さんによるクリエイティブ カンファレンス開催されました。今年になって少々3D制作を始めた私にとっては非常にタイムリーな講座でしたし、ぜひ視聴したいと早めに夕飯も済ませてスタンバイしておりました。

残念ながらアーカイブの予定は今のところなしというお話でしたし、スクショも不可とのことで見逃すわけにはいかなかったのです。スクショ不可についてはおそらくLUXE映像を使っていらっしゃったからでしょう。

 

およそ30分という短い時間ではありましたが、中でもフェニックスについてはかなり時間を割いて解説してくださってました。

 

制作の流れをざっくりと紹介しますと、まずスケーターの振り付けが決まったのが4月下旬、そこから5月15日初演まで2週間でプロジェクションを完成させなければならないのでかなりタイトなスケジュールです。

 

画期的な試みとしては演者にセンサーを付けその動きにリアルタイムでプロジェクションが追従するようにしたこと。

これによって私たちは王子の足元に光が生まれ、彼の滑りととも炎の長い尾を引いて渦となりやがてそれは不死鳥となってアリーナの会場全体を飛び回るという前代未聞のスペクタルな映像を目にすることができたわけです。

 

しかしそれは転んだりコースアウトしてしまったら台無しになるというかなりリスキーな演出でもありました。

 

特にフェニックスは具象的なイメージなのでごまかしが効かないし、大輔さんのスピードあってのあの迫力でしたから現地で調整してたスタッフの皆さんはもう祈るような気持ちでご覧になっていたと思います。

 

私は楽日の昼夜公演を拝見したんですけど、昼公演は転倒しちゃったんですよね、リンクが暗すぎて滑る範囲が少し広がってしまったのが原因だったし、それに配慮できなかった自分たち演出する側の問題なので反省してると宮本先生が配信でおっしゃってた記憶があります。

しかし現地で見てた私も王子の苦悩の演出と勘違いするくらい自然に素早く立ち上がってたので、そこは皆さん気になさらなかったでしょう。

 

それにしても一発本番のプレッシャーによくぞ耐え抜いたものですね。さすがです。

 

あの時の大輔さんは完全に憑依されてたというか、カリスマ性とオーラがそれこそこの世のものじゃないレベルでしたし、会場全体もそれに吞み込まれて満足に息も出来なかった状態でした。あの緊迫感の中でさらにどんな状態になっても即座に対処できるよう目を凝らしていたチームラボの担当者の皆様も相当緊張なされてたはずです。

 

それでもPC上では決して完結しえない、生身の人間がリアルタイムで放つ迫真の演技とのコラボレーションを目の当たりにできたことはクリエーター冥利に尽きたんじゃないかと思いますよ。実際現場でご覧になって高橋大輔さんと映像のデュエットダンス、スケーティングとの息もぴったりでかなりテンション高くなったそうです。

 

制作過程を見る限り、どうやら4月下旬に撮影されたフェニックスの通し練習映像をもとにスケーティングコースを割り出し、そこにフェニックスの設計をされていったみたいなのです。

これも大輔さんが描く軌跡が毎回正確でなければ成り立たないプランですから、革新的な試みといっても土台になる演者の技量にすべてがかかっていたわけです。

 

2016年破沙羅で始まった氷艶シリーズがこれだけ続くのも、そしてチームラボさんとのコラボレーションが毎回進化していくのも根底に人と人との信頼があるからなんだなと制作背景を知ってますます胸が熱くなりました。

 

講座の後半は制作工程の解説でしたがソフトが違っても使用する用語は共通してるので多少3Dをかじったものとしてはわかりやすかったです。

 

その昔、私も動画を作っておりまして、演出として人間が流体に変化していくようなエフェクトを作れないものかと試行錯誤してた時期がありました。当時の技術では思い描いたようなものは到底作れませんでしたけど”Houdini”はその夢をかなえてくれそうなソフトですね。

 

解説中によく出てきた”パーティクル”というのは粒子を意味していて、水とか炎とか煙など流体物を表現するのにつかわれる要素です。

 

このソフトは粒子の形、大きさ、色(RGB)、素材(テクスチャー)密度、出現のタイミング、出現し続ける時間、拡散または収縮のスピード、動く方向などリアルタイムに合わせて素早くシミュレーションできるのが特徴のようです。

 

その特性をいかんなく発揮するためLUXEではスポットライトも専用のものをチームラボが開発し、またローレゾで計算した結果をほとんど変えずに解像度をあげる工夫をなされてます。(個人的にはここがツボでした。質問コーナーで答えてらっしゃいましたが自社で組まれたそうです)

 

その後Houdiniもさらに進化してるそうですから、次回の氷艶でもまた何か新しい映像体験ができるかもしれません。

 

今回の解説動画はアーカイブ予定なしだそうですが、このような企画は未来的に行いたいとおっしゃったので次回氷艶の事だと勝手に解釈してしまいました。

 

アブダビには来年末くらいにチームラボの新しい美術館が完成予定だそうです。建築予想図を披露されていましたが大変未来的な建物で圧倒的なスケールでした。日本が誇る映像技術集団ですけど、もはや世界の最先端を行くアートとして認められてるんですね。

 

まだ詳細は明らかになってませんが、氷艶シリーズ次作もチームラボとぜひタッグを組んでまた新しい世界を切り開いてほしいです。