何とも長いタイトルです!

タイトル欄に入りきるのか不安でした…(笑)


もう数回観ている613さんと、初見のノアノオモチャバコさん。

2団体のコラボ公演、小林レイさん出演です。

下北沢、OFF/OFFシアターにて。



~あらすじ~


中途採用で入社した女性上司。

彼女のチームが作ったオンラインゲームは大ヒット。

部下はその仕事ぶりに尊敬し、一生懸命仕事をしていた。


しかし、ある日ネット上に謎の噂が広がる。


行けないハズの場所へ行ける裏ワザがある。

その場所へ行けた人が、現実の世界で失踪しているらしい…。


度重なるサーバーのシステムトラブルと、仲間の不審な行動。


上司と部下は調査を進める。


しかしある時、部下は気付いた。

ここまで物事を進められるのは、上司本人しかありえない、と。

確固たる証拠はない。


ある日、上司は会社を去ることになった。

部下は意を決して上司に問いかけるが、否定される。


だが、上司はある話を部下に打ち明ける。


自分には弟がいたが、ゲームばかりしている「引きこもり」だった。

親に迷惑をかけるな、などと強く言った。

結果、弟は自殺した。


今回大ヒットしたオンラインゲームは。

弟の書き残していたアイディアを使ったものだ、と…。


というようなお話。




こうやって書くと、ああ613っぽいですね、って感じなんだが…。

実は並行して?もう1つのストーリーが進行していた。

「ゲームに夢中の引きこもりの男」側の話。


この芝居は、その


「オンラインゲーム会社の話」

「ゲームに夢中の引きこもりの男」


の2つの話が、交互に進行していく芝居だったのです。

これが、非常に難解。


上記に書いてない(書けなかった)ように。

残念ながらストーリーは「ゲーム会社」側の方しか理解出来なかった。

ゲーム男の方は、さっぱり。。。


ゲーム男の方は…何て言えばいいのかな…。

男がのめり込んでいるゲームは、プレイヤーが設定を何でも自由に変更できる。

それを自分の好きなように設定して遊ぶ。


家族、パートナー…何でも、好き勝手に作る。

ちょっとでも気に食わないとすぐ「マイルーム」に戻ってやり直し。

変更、削除、変更、削除、自己中のやりたい放題の繰り返し。


で、いつの間にか「開かずの間」とやらに入り込んで…?????


…理解出来んのです。


話がややこしい上、現実なのか仮想なのか分からないキャラが居たり。

セリフも早口な上に長い説明セリフや、意味不明な単語の羅列ばかり…。


もう、カオス。


お客さん、置いてけぼりです。

少なくとも俺は置いて行かれたな…。


頑張って読み解くとすれば…


もしかしてこの「男」はゲーム会社の上司の、「自殺した弟」を表現しているのか…な…???

伏線らしい伏線が見えず、最後まではっきりしなかったので。

正解なのか不明です。




【脚本】

とにかく一定程度、片方のシーンが進むとゲームっぽく場転。

役者の動きだったり、音響照明のチェイス、効果音や爆発など。

それがとにかく多く、もはや数えきれない。

2つの芝居の交換オンパレード。


最初に派手なダンスシーンがあったが、何のため??


ハッキリ言って、観てて非常に疲れた。




【舞台】

思い切りチェスの基調ですごくキレイだった。

碁盤目状のデザインの舞台、イスはチェスの駒。

とても素敵でした。


だけど…よくよく考えると、この芝居中の「オンラインゲーム」と関係ないような…。




【衣装】

会社側の方はスーツとか、ごくごく普通。

ゲーム側が…やっぱり意味が分からない服。

ゲームキャラっぽい衣装の人もいたけど、ジャージは…。




【照明】

チェス盤の白の部分を照らすように点ける、その発想自体は、良い感じ。


しかし…全体的に、あらゆるシーンで暗い。

薄く炊かれてるスモークマシンと相まって、役者さんの顔が見えない。

また顔に影が…表情が見にくい…の連続。


そして困った事にチェイスがあまりに多過ぎ。

常に何か動いてたり、照明が全然落ち着かない。


会社のシーンは地明かりで良いと思う。

メリハリが無い。


何かにつけて、目つぶし使い過ぎ。爆発のたびに目つぶし。

LEDのローホリを客席に向けて使っていたが…使い過ぎて目の毒。

チカチカ…目が痛い。


それと、3色のLEDの粒が直接見えるのは、個人的に美しくないと思った。

ランダムに配置されてるから、球切れみたいに見える。

せめてRGBWの4色1素子タイプを使ったヤツじゃないと…。




【音響】

2日経った現在、デリートの効果音しか耳に残ってない。




【役者】

皆さん、とても良かったと思います。

ノアの方は初めて見ましたが、テンポの速いシーンも機敏にこなし。

ダンスとかで人数多い時もみんなキレイに呼吸合ってるし。


言う事なしです。





結論。


残念ながら、「2つのストーリーが混ざってない芝居」だった。

上演時間は約2時間でしたが、タイトルの通り休憩が欲しくなった。



理由は明確です。


・ゲーム男側のストーリーが理解出来ない。

・伏線が伏線なのかはっきりしない。

・半分がしっかり進んでいく話、半分が訳のわからない話。

・このギャップの上、多すぎる場転に観疲れて、照明で目も疲れた。




役者さんは皆さん技量は申し分ないハズ。

スタッフワークもちゃんとしてる。


が、こういう結末になったと…つまらない、とまでは言わないが…。

色んな疑問が残った芝居だった。


芝居を構成するそれぞれの「パーツ」は、単体で見ると、本当にとても良いのに。

どれもこれもバラバラで、混ざってなかったというか。

各々が好き勝手やって、「一本の芝居」としてお客さんの方を向いているように感じられなかった。


何というか…すごくもったいない…惜しい…。




レイさんの、一途な部下役。

初めてああいうキャラを観ましたが。

上手い人は何をやっても納得させるものがあるな、と思いました。


つーかホント、役者さん達には文句なかったですよ。


長々と好き勝手書きましたが、もちろん次作も期待しております。


お疲れさまでした。