前回観たのは「青のはて」、11ヶ月ぶりのてがみ座さん。
圧倒的な忠実さと丁寧さ、そして完成度は今でも思い出します。
今回は自分の思い出の地でもある東京芸術劇場。
シアターウエストにて観劇。
今回の作品は、戦時中~戦後にかけて、民俗学の研究を行っていた澁澤敬三と、その私設博物館「アチック・ミューゼアム」に携わった人々、主に宮本常一にスポットを当てた芝居でした。
…相も変わらず、文学的な話とは無縁な自分(汗)
小説…読みません。苦手です。
日本史…全くダメです。
世界史…寝てました。
文学アタマの欠片も無い自分ですが…。
まず。
今回もてがみ座さんには圧倒されました。
普段はキャパ~100の小劇場で観てばっかり。
というか、小劇場が、あの舞台との距離感が好きなんですけど。
久しぶりにキャパ300級の劇場。
前から2列目、ほぼセンター。
開演前から舞台空間の広さの慣れず、どうかなー、と心配だったんですが。
全くの杞憂でした。
自分、歴史や民俗学なんて、もちろんさっぱり分かりません、知りません。
しかし、この芝居の前に、そんな事はどうでも良かったです。
全てが素晴らしい。
圧倒的な完成度と、一片の曇りも感じさせない、高い質感。
脚本も、それを演じる役者も、スタッフワークも。
嘘や粗が、どこにも、ほんのわずかにも、感じられない。
何をどうやったらここまでキレイに舞台が一体となるものなのか…と。
もう稽古スタートから小屋入り、仕込み、本番までの一連が知りたくなる。
まだ若い役者さんも、ベテランさんも、各々が各々の素晴らしい芝居を観せてくれる。
登場人物が生きている当時のその姿を、まるでそのまま観ているような感覚。
何と言えばいいのか・・・
生命のこもった芝居…生きている芝居…
人間てすごいな、と思えるというか。
ほど良く冷えた、澄み切った清流の水で、自分の中のごちゃついたものを洗い流してくれる。
そういうものを受けました。
素敵な芝居でした。
150分の休憩無しという大作でしたが。
気が付いたらあっという間にその世界に吸い込まれ、終わっていました。
観終わって、家に着いて、まだ昭和の世界が頭から離れないくらいでしたね。
この芝居観れて良かった。
この一言に尽きます。
てがみ座の皆さん、本当に本当に素晴らしい芝居でした。
次回作も必ず観に行きます。
お疲れさまでした!