出産。新たな闘い。 | 心筋緻密化障害の兄弟の奇跡☆

心筋緻密化障害の兄弟の奇跡☆

3人の母です。

次男と三男は心筋緻密化障害(心筋症)をもって生まれてきました。

次男と三男の闘病記録と、亡くなった後の私の日々の気持ちを書いています。



10月16日


31週の早産になってしまいましたが、緊急帝王切開にて無事に1464gの男の子を出産しました!


敦希がお兄ちゃんに。


私は3人の男の子のお母さんになりました。


予定では17日に帝王切開でしたが、16日の朝からお腹の定期的な張りが治まらず、張り止めの点滴(ルテオニン2A)を増やしたのですが、副作用で脈拍が速く、これ以上点滴が増やせない、これ以上待つのは危険と判断され、1日早めの出産に至りました。


「次、出血をしたら止められない」


大量出血してから、ずっと言われてきました。
恐怖でした。


でも本当は…
37週まで赤ちゃんをお腹の中で育てたかった。
せめて赤ちゃんの体重が2000gになるまでは…。


まだまだ小さな体で出産させてしまうことに、後ろめたい気持ちがありました。


今回の妊娠は「まずは無事に出産を」
ずっとそう言ってきました。


搬送されてから手術までの間、何度も「大丈夫!」と赤ちゃんと自分に言い聞かせ、恐怖と隣り合わせの本当に命懸けの出産でした。


そして、無事に手術は成功。
前置胎盤というリスクの高い手術になりましたが、母子ともに無事に出産できたことにまずは一安心。


私は全身麻酔による帝王切開だったため聞くことができなかったのですが、三男は1464gの極低出生体重児にも関わらず、産声をあげて生まれてきてくれたそうです。


私は出血が多かったため(2.5L)、輸血を受けました。
極度の貧血になりましたが、少しずつ回復し、手術から8日後に退院しました。




*****

三男は出生後、前もって敦希の病気ことを伝えていたため、すぐに心臓の検査をしていただきました。


私の中では念のために…
そんな感覚でお願いをしていました。


ところが三男も敦希と同じ病気である可能性を告げられ、同日中に隣県の病院に転院しました。


敦希も転院した同じ病院に。


その結果…


三男も「心筋緻密化障害」であることが判明しました。「右室低形成」もあるそうです。


(私は知らなかったのですが、大量出血し救急搬送された時のエコー検査で赤ちゃんの心臓が少し大きいことが分かっていたそう。)


帝王切開の術後、目が覚めた時に三男の病気の可能性について小児科医から告げられました。


初めて聞いた時はショックでした。
頭が真っ白になりました。


まずは無事に出産。
ひとつクリアしたところに、まさかの出来事…


小さな体で産んでしまった上に、また心臓…


自然に涙が出てきて止まりませんでした。


また健康に生んであげることができなかった…
長男に「元気な赤ちゃんを生むからね」と約束したのに…
何で私の子どもばっかり…


でも心のどこかでは少しですが覚悟をしている自分もいました。
敦希が心筋緻密化障害で生まれてきているので、三男にもその可能性はあるかもしれない…


兄弟で心筋緻密化障害。
やはり遺伝子が関係していたのか…と。


でも本当にまさか…でした。





敦希が生まれて4年。
当時は病気に関して分からないことばかりでした。
私には何の情報も知識もありませんでした。
だから、主治医の先生の言葉が全てでした。


敦希が亡くなってからもずっと心筋緻密化障害のことを知りたくて情報を得ていました。
医学の進歩を虚しく感じることもたくさんありました。そんなこと今さら知ったって敦希はかえってくるわけじゃないのに…
それでも知りたいと思う自分がいました。


いろんな複雑な思いがありながらも「心筋緻密化障害のことが知りたい」
その思いがなくなることはありませんでした。


敦希が亡くなってから、心筋緻密化障害や拡張型心筋症の子どもをもつお母さんたちとの繋がりが広がっていきました。


だからかな…
三男の病気を知った時はショックを受けながらも「三男は大丈夫!次こそは絶対に守る!」
そう強くも思いました。


同じ病気でもたくさん生きている子たちがいます。
正直ずっと悔しい思いがありました。
なぜ敦希は生きることができなかったのか?
なぜ敦希だけ…


三男は敦希と同様、将来的には心臓移植が必要で、回復の可能性は低いと言われています。
その言葉だけを考えると本当に怖くなります。


でも、病気でも家族みんなが笑顔で過ごせることがどれほどの幸せか、私は敦希に教えてもらいました。


今この瞬間も三男は頑張って生きています。
可哀想だなんて思われたくありません。


先生の話す言葉だけが全てじゃない。
希望はたくさんあることを私は知っています。


三男の目標はまずは体重を2100gまで増やすこと。
体重を増やすということは、それだけ心臓に負担がかかってしまうことにもなるので、ゆっくりゆっくりになるかと思います。


また新たな闘いが始まりました。


でも今度は敦希が繋げてくれた繋がりがあります。
知識も情報も。


今も同じ病気で元気に生きている子たちがたくさんいます。
私にとって希望がたくさんあります。


長い闘いになると思います。
でも前向きに…
家族でひとつひとつ乗り越えていきたいと思います。


三男の応援、よろしくお願いします!


また、心筋緻密化障害、右室低形成の何らかの情報がありましたら、是非私に教えてください。


遺伝子検査、良い病院、薬、制度のこと等、何でも構いません。


よろしくお願いします!







手術後、転院する前の見送りの写真。
私と旦那と三男と。

初めて見る小さな三男はめちゃくちゃ可愛くて、傷の痛みが吹っ飛んで、すごく幸せな気持ちになれました。

三男は敦希にソックリでした。

敦希、弟を守ってね。

かーちゃんも全力で頑張るから、家族5人で進んでいこう!