【ICD抜去とS-ICD抜去 5回の手術】

このたび、ICD植込み型除細動器、S-ICD皮下植込み型除細動器のシステム2台を一挙に抜去しました!

 

 

ICDとの戦いをいったん一時休戦(卒業)します!

 

いま、植え込んでいる方、植え込もうとされている方へ、少しでもお役に立てばとまとめた記事でございます。

 

過去の記事を辿るのはたいへんですからね。この記事だけとりあえず読んでいただければと思います。

ここまで13年かかりました。また病院との交渉に1年3カ月かかりました。

 

いま、ICD・S-ICDを適用されている方で順調な方は、元気なご様子がブログに載せられていますが、私のような稀有な存在がいることもなんとなく覚えておいてくださいね。

<< 国内でも希なケースかもしれません。いずれ論文に載ります。>>

ICDをいったん卒業します!!

 

私は「ブルガダ症候群」を主に、「QT延長」「右軸偏位」「完全右脚ブロック」「側壁・下壁梗塞」「三尖弁逆流」「VSA」VSA(vasospastic angina)冠攣縮性狭心症(かんれんしゅくせい)・・・・と心臓の病気のデパート状態でした。

加算平均心電図Late potentialもPositive。

電気生理学的検査(EPS)からもブルガダ心電図である。

 

2010年夏、明け方CPAにて搬送されICDを左に植え込み、その数か月後、朝の通勤ラッシュ電車の中で誤検知電気ショック

6年前にICDが皮膚を破って露出して感染。ICDシステム抜去して、再度、今度は右に植込み。

その一年後、心室細動を起こし適切治療ショック。(この時だけ植え込んで良かった、と思った)

不謹慎だと思いますが、ポックリ逝ったあとの電気ショックで目覚めた時は(脳への血流が再開されて)『うーん、良く寝た。気持ちいい!!』と感じてしまいます。(全身麻酔から目が覚めるのとは違いますね)

生還した人で三途の川とかお花畑とか、あれは嘘です。想像力です。耳は最後まで聴こえます。生還するときも最初に耳が聴こえます。周りで人が話している単語から夢を見ます。そして幽体離脱したように自分を俯瞰で見えます。あくまでも想像力です。

 

そして、1年前に”感電”ショック!!。”感電”と書いたのは、まさに「”感電⚡」だから。

通常、電気ショックは、「ドンッ!!」と不意に後ろから殴られたような、馬に蹴られたようなショック、または

「バチン!」と痛ぇ~、や、まるで一斗缶が押され戻される、流しにお湯を流したときの「ペコンッ!」という感じがあるが

「感電」は台風で垂れた電線を触ったときのような(よくマンガでみる、人体が透明で骨だけで描かれたような)衝撃である。

ビリィビリィビリィビリィ~(もうやめてくれー、と叫んだ)(誤作動ショックの100倍くらい痛いっ!)

断線であった。

        

緊急入院しICDの電気ショック作動を「治療しない」にし、(右にICDを植え込んだまま)、左脇下にS-ICD植込み。

植え込んで2日後、不適切電気ショック! S-ICDは皮下にあるため通常ICDより高い 80J(ジュール) の強さのショック。

私の場合は心電図でなく、筋電図に反応してしまうようで、6年前に、「あなたはS-ICDは不適合」と言われたので

今回のS-ICD植え込みを何度も拒んだが、半ば無理やりに入れられてしまった、と言ってもいいと思う。

ベクトルを変えても電気ショック誤作動が止まなかった。

 

その2か月後、連続4回S-ICD不適切作動、強いショックを繰り返し、そのたびに主治医の若い循環器内科医師からは、

もう起きないから大丈夫」と4回聞いた。平然と言われたのは、「(医師)私は電気ショックの経験ないから分からない」。

これが患者に対して言う言葉なのかと病床で思った。連続電気ショックを与えられると、もう医師もMEさんも当然信じられなくなる。

S-ICDの電気ショックの作動スイッチは切れるが(治療しない、というモード選択)、電源は切れない仕様。

不適合は抜去するしかないのである。

 

S-ICDは抜くのは簡単だから。引っ張れば抜ける」という医師は信用してはならない。(実際S-ICDを抜いていただいた心臓血管外科医師は「そう簡単に抜けるものではない」と聞いたうえで抜去してもらいました)

 

医者への不信感、突然のICDの感電、適合しないS-ICDの不適切連続作動で、PTSD(心的外傷後ストレス障害)になりました。

不意に蘇り襲い掛かる電気ショックと感電。寝ていると「どんっ!」と感じる、フラッシュバックでずっと悩みました。

トラウマです。

 

電気ショックと”感電”。なってみないとこの恐怖は分からない。

 

それから1年。 ようやく心身落ち着いてきたので、『(心臓血管外科)そろそろ前に進もう!』ということで、5時間にわたる手術で(2台の)ICD(右)、S-ICD(左) を一気に抜きました。

レーザーシース抜去技術のある医師は都内では2~3病院のみ。

これも若い循環器内科医師から言われたのだが『そんな危険な手術を、どの病院もやりたがらないんだ。』。

 

既に、ICDの抜去は2回目。抜去してくださった心臓血管外科は2回とも同じ医師。今はこの医師しか信じられない。

とても技量があり、全幅の信頼をおける医師だ。

ICDを入れるのを”リコメンド”と言ってくれる。強制ではなく”推奨”だ。

抜去し、除細動器が入っていないので、退院する条件はWCD(Wearable Cardioverter Defibrillator)ZOLL LifeVest ライフベストを24時間着用すること。

この着用型も、ときどき誤検知して、うっかりすると除細動されてしまうので気が抜けない。

本体0.9Kg ベスト0.2Kg。6年前からまったく進化しないZOLLのWCD。月の指導管理料が約10万である。×3か月。お金ないよ~。


 

 

 今、植え込んで、元気に過ごされている方には想像できないかもしれませんが、既に13年間で3台のICDと5回の手術をしてきた私からは、今回の経験から適切作動の恩恵よりも、誤作動の恐怖のほうが、はるかに大きいため、これでICDをいったん卒業しようと思います。

 

つまり、今度、心室細動で倒れたら、そばにおられる皆さんにはたいへんご迷惑をおかけするのですが、助からなかった場合は・・・。

 

現在、無防備のため、リビングウィル(尊厳死)の希望表明も書きました。

銀行口座、権利書、から各ポイントまでパスワードも分かるようにしました。

いつまで生きられるか分かりませんが、またこのブログでお逢いしたいと思います。

どうかよろしくお願いいたします。

 

コンシューマ向けのAEDレンタルがあり、今後は手元に置いておきます。

(でも、いざというときは、自身では対応できないので、家族が頼りです!)

 

体組成計にも乗れるようになりました。BMI、カラダ年齢、うーむ。

磁石だって胸に付けられる!(胸につける意味が分からないが、ネックレスタイプの何かがあったような)

3年後くらいに生きていて気が変わったり、また助けられたりしたら植え込むかもしれません。(また入学?入院?)

 

『「自分の寿命があと1年」と告知されたら、何をしたいか?』。

自分を分析するときの質問です。いつ突然いなくなるか分からない今、こう言われても何も思いつきません!

死生観、死を意識することによって本当にやりたいことが明確になるそうですが・・・何も思いつきません!

食う寝る遊ぶ、を尽くすのかな。(下手に年取っていっても顔が大きくなるだけだしなぁ。(なんでだろ?))

感情を「空」にして、「悟り」を目指し、「執着」を手放し、『本当はどうなりたいんだっけ?』を思い続けてみます。

 

新しいステージの始まりです!

 

いま、ICD植込みで悩まれている方、ICD/S-ICDの不適切作動でお悩みの方、感染や断線・システム障害で抜去をされる方、皮膚を破って露出してしまった方、今のお気持ちをどうかお聞かせください。もしかしたら、私のこの稀有な体験がお役に立つかもしれませんので。

抜いてしまった私にあれこれ言う資格はない、と思われるのも当然ですが、別の観点や当事者としてお答えさせていただく所存でございます。ぜひお寄せください。

 

震災に遭われた方も、PTSDで悩まれるかもしれません。そのようなことでも構いませんので、よろしくお願いいたします。

 

ここまで、長文お読みくださり誠にありがとうございました。

 

2024.01.15