今月初めのことなので、もうニュースで取り上げられることもなくなってきたけれど。
アフガニスタンで農業支援や医療支援を行っていた中村哲医師が12月4日、現地を移動中に銃撃されお亡くなりになりました。
長い戦乱が続くアフガニスタンの現地住民のために一生懸命力を尽くしていらしていたのに本当に残念です。
我が家の両親なんて海外はもう疲れるから良いかな、と言うくらいなのに、両親と同級生の哲さんは人のために『あと20年頑張る!』と仰るような方だったのに・・・。
母の学生時代の友人で、細々ですが家族で尊敬しずっと応援させて頂いていたペシャワール会@中村哲さん。
同窓会では首から募金箱を下げて回って、活動資金をご自身で集めていらっしゃった姿が、子供の頃は九大医学部でのドクターなのに!と、衝撃的でした。
ご自分のお子さんが重い病気で闘病中も、子供と家族の傍にじっといることより、アフガニスタンの支援を中心に生活されていました。
表舞台には決して出ていらっしゃらなかった奥様。
育児だけでなく、病気の子供を抱えている時もご主人を支えてこられた奥様とご家族、とても凄い方達だなと思いました。
だって、、、
子供が出来て、もし夫がそんな生活をしたら快く送り出せるだろうか?と考えたりして。。。
中村哲医師の素晴らしいところは、病気になった人を治療する医療よりも、まず水に注目し井戸を掘ったこと。
想像もつかない行動力ですが、これも私が子供の頃から母に言われ続けた予防医学のひとつなのでしょう。
綺麗な水があれば、農業も栄えるし妊婦や赤ちゃんにも綺麗な水が届きます。
生命の源は「水」。
先進国であるオランダに帯同するだけでも、肌が強くない私は水が硬いことを不安に思ったりしたものです。
(あぁ、綺麗な水があると言うのになんとお恥ずかしい・・・)
私たちの体は成人で65%が水。
新生児になると75%が水です。
胎児だと90%が水であり、卵子まで遡れば殆どが水分。
綺麗な水がなければ、私たちは生きていけず、誕生しません。
アフガン支援のために「水」に注目し、ご自身の専門ではないにも拘らず、当初は故郷に戻っては周囲の昔ながらの水路を調べ歩き回ったと聞いています。
その活動資金も御自身で調達。
(もちろんこれにも賛否あったようですが、控除扱いになる寄付金扱いにするとその8割は経費で消えてしまうそうで。
そのためそういったルートは一切使わず、善意の寄付金を募り、集まった金額の約8割を現地に運んでいらしたそうです。)
政治的ことなど、立場によっていろいろな見方があるのはごもっともですし、そこまでやっても・・・と言う意見があるのも分かっています。
それでも、困っている人々のことを知り見て見ぬ振りせず、井戸を掘った中村哲医師は、人間として素晴らしいと思っています。
中村医師の指導のもと30年近くで1600本の井戸が掘られています。
講演会などで少し聞いたことはありますが、たくさんの苦労があったと思います。
それでも、自分の活動を信じ抜き、根本的な解決を目指し信じた道を継続していく難しさ。
やることは違っても、それはどの分野でも同じだと思いますが、海外での活動でアフガニスタンのような国なら尚更でしょう。
こんな言い方をしてはいけないのかもしれませんが、私にとっては子供の頃広い海外に興味を持つきっかけになったおじさんのひとりでした。
生涯をアフガニスタンの人々の暮らしのために捧げた中村哲医師は、私にはとても出来ない見習うべき点がたくさんある尊敬出来るおじさんでした。
心よりご冥福をお祈り致します。