BL小説家で最も好きな砂原先生の作品です!
以下ネタバレ腐向け感想につき注意。
ムード読めないデリカシーない、でも受けを大事に第一に、まっすぐすぎる愛情を向ける攻めこと多真上(たまじょう)
色々とズレまくっている超即物的な攻めを、しょうがないな。でなんだかんだ受け入れつつなんだかんだ大好きな受けこと三丈(みたけ)というCPでした。
二人とも高校生、喧嘩が強く、イケメンで、馬鹿です。方向性は違いますが。
あらすじ
ワケアリで河川敷の小屋で暮らす高校生・三丈と、その悪友で体力バカの多真上。腕っぷしの強い二人は川原の住人達の用心棒をしつつ、喧嘩上等な毎日を送っていた。ある日、わりのいいバイトを探していた三丈は、多真上と共に女装でキャバクラの面接に臨む。一目でバレた多真上に対し、三丈は見事採用。疑われるどころか贔屓客もつき始め、貢ぎ物までもらってご機嫌の三丈だが、多真上の様子がおかしくなり…?
なんと高校生ホームレスの受けちゃん。ですが暗い雰囲気はありません。河川敷の住人は質素でマイペースな暮らしをしています。
三丈はキャバクラバイトのおかげで稼ぎもよくなりますしね。
女装でキャバクラバイトをしているものの、女々しさはそんなにないです。よくばれないな本当に。
リバーサイドのなにがよかったって、なんとなく雰囲気がセンチメンタル・セクスアリスの二人に似てるところ……!
砂原先生のお話しのなかでも、センチメンタルは別格に好きです。
仙介……いい男だよ……
多真上と仙介を一緒にすると仙介に怒られそうですが、受けの事を愛しすぎて頭のネジぶっとんでるところとかよく似てると思います。
しかも平然としてるんだよね二人とも。
おせちのえびをあげるシーンなんかは、センチメンタルのコロッケをあげるシーンを思い出しました。
あと嫉妬深いところね。おおらかな攻めが嫉妬深いの大好きです。多真上おおらかとはちょっと違うけど……不条理なことされたら一応怒るしね。でもやるの禁止!とか言われてもちゃんと従ったり、激情した三丈には怒ったりしなかったところとか見ると、やっぱり優しいは優しいんだ。ものすごく。
馬鹿で美人ってところは似てるかな。でも三丈の方正確面等はそんなに似ているというわけでもないかも。
どちらかというと振り回されている側。常識や人の心情なんかは三丈のがある。
とある事件をきっかけに二人の間に溝が生まれてしまうけれど、それもちゃんと解決。そのへんの安心感はばっちりです砂原先生。大好きです。
無事くっついてからの二人もねー!可愛い。とくに三丈が。
「お前の足りなさすぎるデリカシーについてだよ。イベントどころか、お付き合いのなんたるかもわかってねぇだろ。いや、俺はべつにいいよ?俺は女の子じゃねぇんだから、食って寝るばっかでも文句は一つもございませんけど!女の子だったら一回ヤらしてもらうには、たんと優しくしなきゃなんねぇんだぜ。メシ食わして、デートに雰囲気いいところに連れて行って、そんで彼女が喜ぶような言葉を捻り出してだな……あ、だから俺は関係ねぇよ?一般論をおまえにもわかるように説いてやってだな……」
(192ページ)
ここめっちゃ可愛い……多少女々しい……(笑)
そうして決まった映画デート。わかりやすく浮かれる三丈の幸せっぷりといったら可愛くてしかたないですよ。いつも喧嘩してるやつらにも奢ってしまうぐらい。ほんとうに多真上の事が大好きなんだな……とよく伝わってきます。よかったね。
しかしあの多真上にラブラブデートプランなどあるはずもなく。がっかりの三丈。なにがよくてこんな奴と……と多真上を凝視し、そういやこいつ、よくみりゃ顔はカッコイイ……と思ってしまうあたりぞっこんですよね。美人な受けの方が攻めの容姿にドキドキするというのもいい。
順番前後しますがここで表紙・挿絵の雨隠ギドさんについて。
「悪人を泣かせる方法」 http://amzn.asia/eX4Xxc7
「悪だくみにも花はふる」
こちらの漫画を所持しています。
受けが……素直じゃなくて可愛いんです……
スッキリとしたギド先生の線は、爽やかな二人に合っているように思えました!
三丈の中世的な顔立ちもとても好み。
馬鹿な喧嘩したり勘違いしたりすれ違ったりするけど、互いに互いの事が大好きだからそれらも越えていける、若さと爽やかさの詰まった一冊でした。