先日の私のブログを読んでくれた口腔ケアのスペシャリストの友人が自身の日記で下記の情報を教えてくれたので紹介したいと思います。
見たこと、教わったこと
下記が友人の日記の転載です。日記は会員制のSNSなのであえてリンクは張りません)。胃瘻関係の記述は後半なのですが、前半も大切な話だと思い、あえて長文にします。
以下、転載部
昨日の老人ホームの仕事でのこと。
2年程前の入居したての頃は、水分を普通にゴクゴク飲まれていたおばあちゃま。
ところが今では水分にとろみをつける、或いはゼリー状にしないと飲めなくなってしまった。
普通に水分を摂ると、間違って気管に水分が入ってしまって咳こんでしまうんよね。。。誤嚥である。
このおばあちゃまは車イスにお乗りになっているが、前屈姿勢がどんどん進んでいる。
そのため、肺や胃が圧迫されていることが誤嚥に拍車をかけてしまっているようだ。
唾液には常に痰が絡まった状態。
口の中からはずした上下の入れ歯もぬるぬるしていて、痰でコーティングされているようだ。
その痰が余計に飲み込みを悪くしている。
そしてこの痰は、なかなか切れない。
私はもうひとつの仕事先で仕事しながら勉強している嚥下(飲み込み)リハビリを試みている。
嚥下リハビリにはいろんな方法があるが、悲しきかなおひとりおひとりに時間を費やすことができない現状である。
そこで、
◆口の中からほっぺたと舌のマッサージ。
◆口の周りの筋肉のマッサージ。
◆フェイスラインのリンパマッサージ。
◆口の膨らませしぼませ運動
◆パタカラ運動(パ・タ・カ・ラをそれぞれ数回連続して言うことで舌の運動になる)
などを2、3こピックアップしておこなっている。
少しでも嚥下がよくなるお手伝いができれば。
嚥下が悪くなると肺炎(誤嚥性肺炎)になってしまう。
全く嚥下ができなくなると当然、口からの飲食はできなくなる。
そこで、
◆胃ろう
◆鼻から(経鼻)
◆点滴
で栄養を摂らなくてはいけなくなる。
口から食事ができない。。。それがどれだけ辛いことか。
自分の身に置き換えて想像するとよくわかる。
ましてや高齢になれば楽しみは食事である。
【胃ろうについては、マイミクさんのぬけさんがブログ《http://m.ameba.jp/m/blogTop.do?unm=nuke777&guid=ON》で詳しく書かれています。是非、読んでみて下さい】
口から食事ができなくなると、活力・楽しみが奪われるだけでなく、口から食べることで分泌される唾液の量が少なくなってしまう。
すると、口の中が乾き(ドライマウス)、免疫力が低下し、肺炎になりやすくなる。
また、口の中の常在菌以外の細菌・カビ・真菌が発生し、口の中が皮で覆われてしまい肺炎になってしまうケースもある。
ご縁があり、毎週木曜日にこちらの老人ホームで勤務させてもらうようになり、はや8年。
何人もの入居者の方がこのような状態になられ、どうにか手立てはないものかとずっとずっと思い悩んでいた。
けれど、何をどうすればいいのか、どういう勉強をすればいいのかもわからなかった。
子供もちっちゃかったし時間もなく。
でも、昨年、もうひとつの仕事先とご縁を頂き、何をどうすればいいのか、どういう勉強をすればいいのかやっと見えてきた。
『一生、自分の歯で、そして、ご自分の口からおいしくお食事ができますように』
歯は手入れ次第で一生もの。
噛むということは脳の活性化にもなる。
新たに知ったこと、考えたこと
友人とはこの記事を書かれる前に電話で話しました。そこで医療関係者も胃瘻や鼻からチューブなどで栄養注入してとりあえず延命できたことで満足してしまい、こうした問題が生じてしまうことを知らない医療関係者の方もいるだろうこと。また知っていても手間の軽減のために天秤にかけた結果経管を選択してしまわざるを得なくなることもあるだろうことを話しました。
ちょうど今朝の朝日新聞の『声』欄にも臨床検査技師という友人同様医療関係者の方の胃瘻に関する意見が掲載されています。
それには高齢の義母に胃瘻を設置したことに関する疑問が記されていて、筆者の私見ながら胃瘻は平均寿命を超えている患者には不要ではないか、どうしても必要で回復の見込みがあるケースに限定すべきではないかと書いています。そして自分がその年代の年齢に達し、頭脳明晰であるならば経管による延命治療は拒否したいと結んでいます。
胃瘻など延命処置については、家族も医療関係者もさまざまな視点からの情報を集め、本当に本人が望む方法は何なのかについて話し合う必要があると思います。互いに知っていることのみで判断せずに、話し合い、情報・意見交換することによって、この書き込みで友人から教わった情報のような新たな内容などが医療関係者に伝わったり、逆に家族に説明されたりした結果充実した情報に基づいて決定がなされるようになったら幸いに思います。
また一つ新たな知識を得ることができました。感謝です。
もし文中や事例などに誤りがあったり、こうした情報もあるよという方、是非ともお教えください。
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