見たこと、教わったこと
何カ月か前に某SNSである女性映画監督さんと知り合いました。お名前を関口祐加(ゆか)さんといいます。元々はオーストラリアで生活していたのが、お母様が認知症になったことにより帰国。介護しながらその様子を「此岸(しがん)、彼岸」という映画にまとめていらっしゃるとのこと。時折その様子をYoutubeにもアップしていているので概要を知ることもできます。
一方女性誌の女性自身のWebページにも「育児・介護・教育」欄として文章+動画の形でブログを掲載中です。
並行して、一般の映画などの話も加えたブログも執筆中。本当にパワフルな方です。
彼女についてすべてを語るのは、そのパワフルさ故とても大変ですし、私もその分量の多さからすべてに目を通すには至っていません。目を通そうと思うと新たなコンテンツができてきて、まさにいたちごっこです(笑)
でも、早いうちに紹介しておかなければと強く思っていました。本当は今週の月曜日までに紹介したかったのですが間に合わなかった!月曜日に何があったかというと、NHKの朝の連続ドラマ「てっぱん」の次の番組「あさイチ」にゲスト出演なさったから。少しでも聴取率にプラスになればと思っていたのですが、間に合いませんでした(ごめんなさい)
でも、その心配は杞憂に。というのも認知症に関する社会の関心は高いらしく、視聴率も12%と歴代8位の高視聴率だったそうです。内容はこちらにしっかりまとめられています( http://www.nhk.or.jp/asaichi/2011/02/28/01.html )。
さて、関口さんはYoutubeに3/3現在53本をアップしています。
今回は。中でも比較的初期の作品『認知症の母との生活開始』を紹介したいと思います。(↓で一部切れてしまうので気になる方はタイトルのリンクをクリックしてご覧ください)
新たに知ったこと、考えたこと
なぜ、今回この作品に絞ったか。それはもっとも認知症を誤解されやすい状態が映っているからです。
いかがでしょうか。一般の人に作品のタイトルを伏せてみてもらって、お母様が認知症だとわかると思いますか?それ以上にご覧になったあなたはそう感じられましたか?
比較的テンポよく会話が進行するし、カメラに映されることを嫌がることができる自我もしっかりお持ちです。私も正直関口さんを知らず、タイトルも見なければ認知症と感じ取ることはできなかったと思います。
それで何を言いたいのか。それは認知症も初期から中期にかけては四六時中おかしな言動や行動をするわけではないことを、この映像から確認できることを知ってほしいのです。この作品自体は2分半、それも何度も撮影場面を変えているのでワンシーンは1分程度にすぎません。この程度ならば健常者となんら変わらないことを映像から知ることができるのです。
これが数時間以上連続してカメラを回し続けたのなら、おそらく何らかのおかしな行動や言動が見られたかもしれません。そうしたことで介護家族は悩み苦しみます。しかし他人や親せきはこのビデオのように短時間のやりとりにとどまってしまうので、ビデオで感じられたように「どこがおかしいんだろう?ひょっとして家族が嘘を言っている?認知症とかいう理由を無理やりつけて厄介ばらいをしようとしている?」と感じてしまうのです。
現に上記の作品よりも以前の作品『母の誕生日』では、数日前に孫と一緒にとても楽しく過ごした自身の誕生日のことをすっかり忘れてしまっています。かなり印象的なイベントゆえに、通常よく言われる前日の食事内容などよりはるかに鮮烈に記憶してよさそうなものなのに、それができなくなってしまっているのです。
関口さんはここまで3テラバイトの映像、何十時間になるかわからないほどの映像を撮影したといいます。したがって今回のような初期の状態を作品に織り込むかどうかは彼女に聞いてみなければわかりません。しかしせっかくこうした小作品を残してくれているのだから使わない手はないと思います。
親せきや近所から「あの人は正常なんじゃないの?」と誤解を受けている方、どうぞこの作品をそうしたことを言う人に見てもらってほしいと思います。完全ではないにせよ、認知症の他人にとってのわかりづらさを少しでも理解してもらうための糸口にはなると思います。
関口さんが、本当にどのように作品をまとめられるのか、私自身とても楽しみにしています。また折を見て紹介したいと思っています。
そうそう、彼女のつぶやきを紹介『昨日の「あさイチ」を見逃してしまった、という方に朗報!NHKオンデマンドで、2週間限定で見られまーす!ただし、これは、有料コンテンツとなります。宜しかった、是非!http://www.nhk-ondemand.jp/index.html』とのことです(笑)
また一つ新たな出会いを得て、思いをまとめることができました。感謝です。
もし文中や事例などに誤りがあったり、こうした情報もあるよという方、是非ともお教えください。
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