2006北海道マラソン~八甲田山暑中行軍?その3 | 神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

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還暦を過ぎて体にトラブルが出始めて、ランニングを楽しめなくなりました。近ごろはウォーキングに軸足を移して道内の神社仏閣を巡り、御朱印を拝受したり霊場巡礼を楽しんでいます。いつかは四国八十八ヶ所巡礼や熊野詣をすることが夢です。by おがまん@小笠原章仁

選手宣誓

 今年の北海道マラソンで私が取った暑さ対策のうち、装備編については昨日書いた通りである。そこで今日は、実践編ということで、実際のレース中の対応について触れよう。


 12時10分スタートの北海道マラソン。わざわざもっとも暑くなる時間帯を選んでいるのは、全国中継されるテレビ放送の都合だろう。これについてもっと選手の立場になって早い時間のスタートを、という要望もあるかもしれない。しかし大会を運営するにあたり、テレビ中継があるとないとでは全然違うことだろう。


 もしもスタート時間が早くなりテレビ中継がなくなったら、現在の規模での大会運営ができるのだろうか?私はできないと思う。今はこうして全国的なイベントという位置づけだから警察も道路使用許可を出しているだろうが、これがテレビ放送もない普通のマラソン大会となったら、札幌市内の公道をこれだけ止めさせてくれるだろうか?


 だから現在のような形の北海道マラソンである限り、12時10分というスタート時刻は変わらないものと思った方がいいだろう。


 競技場内へは11時45分までに入らなければならない。私は11時30分頃に荷物を預け場内に入ろうと思っていた。11時過ぎ、出発前最後のトイレ(小)に行ったとき、ふと思った。どうせ給水所で水をかぶるなら、スタート前からかぶっておいた方がいいだろう。そう思い、トイレの横の水道でたっぷりと水をかぶっておいた。これはなかなか有効だったと思う。


 競技場内に入ってから、外側の壁際にわずかにできる日陰の中で座っている人が大勢いたが、これも有効な策だったと思う。私は全身濡れており、気化熱が奪われ始めていたので、そこまではしなかった。


 スタート後の流れそのものは、昨年より良かった。これは大会運営サイドの努力によるものもあったが、詳しくはまた後日触れたいと思う。


 スタート後間もなく、体温が急激に上昇するように感じた。体の中から発する熱が、うまく体外に排出されないという感覚である。しかしこれらは、ネッククーラーや濡れたウェアのおかげで冷やされていったようで、5km関門のあたりまでは平常状態に戻っていった。


 この大会は、5kmおきに給水所(他に、24kmと28kmにもあり)がある。そして給水所の間には、スポンジポイントがある。給水テーブルは、1カ所の給水所に水のテーブルは適当な間隔で5カ所あり、その次にスポーツドリンクのテーブルがある。先月のコース試走の時にコース上のマーキングを確認し、今年もその給水テーブル配置に間違いないことを確認した。


 毎年見ていると、みんな最初のテーブルにどっと殺到するのだけど、私の位置では最初のテーブルに水が残っていることはほとんどない(2004年はあったかも)。だから私は給水所が近づくとまずは中央寄りを走り、3つ目のテーブルあたりまでは存在を無視する。そして4つ目のテーブルくらいを狙うのである。


 今年も同様の作戦をとった。おかげで5km給水でも、5つ目のテーブルで水を取ることができた。一部は口に流し込み、残りは首に、頭に、体に、かけた。


 最初のスポンジテーブルでは、昨年はスポンジを取り損ねた。テーブル上にはスポンジがなくなっていたのだ。今年も同じ状況だったが、ちゃんと心の準備ができていた。コース上に捨てられているスポンジのうち、比較的きれいそうなのを拾って、テーブル上に出されている水につけたのだ。そしてこのスポンジは使い終るとウエストポーチに入れておく。これでこの先、スポンジはなくとも水さえあれば大丈夫だ。


 あれは10kmの給水所だったろうか。それとも15kmだったかもしれない(10kmでは取れなかったかもしれない)。私はあることに気がついた。


 相変わらずの給水戦争である。テーブルの上にはコップが出ておらず、出てくるコップは争奪戦状態である。エイドのボランティアの皆さんは一生懸命に作業をしているが、押し寄せるランナーの数が多く、全然間に合わない。しかし私はその作業のリズムをなんとなくつかまえたのだった。


 歩道側でコップに水を注ぐ作業をしている。そして水が入ったコップからどんどんテーブル上に並べていく。だからテーブル上に並んでから取りに行ったのでは間に合わないのだ。そこで取れなかった人は、次のコップが出てくるまで立ち止まって待っている人も多い。


 私は歩道側で作業をしている人を観察しながら走った。そして私がテーブルに差しかかるのとほぼ同じタイミングで水が出てきそうなテーブルを探しながら走ったのだ。


 この作戦、大正解。テーブルの上に水は出ておらず、待っている人もいないというテーブルを重点的に見ていたのだが、けっこうタイミングが合うテーブルを発見できるものだ。私がさしかかるとちょうどコップが出てくる。そのタイミングでコップを手渡しで受け取れることも多くなった。ここらあたりは、観察力の勝利といったところか。


 中にはどうしても水を取れない給水所もあったが、そういうときは持参のペットボトルで喉を潤す。このようにして、給水も体を冷やすこともうまくいったのだった。なによりも、いざとなったらペットボトルの水が使えるという気持ちのゆとりは大きかったと思う。


 私の対応策がベストのものとは思えない。しかしこうして対応策をとることにより、給水戦争に巻き込まれずに済んだことは、走りに集中するという点からも大変有効だったと思う。


 北海道マラソンには給水戦争はつきものである。そのことだけは、皆さんも認識してほしい。その上で、水を取れなければ次の給水所まで諦めるという覚悟で臨むか、はたまた自分なりの対策を練って臨むか。


 くれぐれも、こんなに給水が大変とは知らなかった・・・と後から悔やむことのないように。


 なお。私が出場した4回のうち、2004年は最高気温が20度にも届かず、給水戦争はまったくありませんでした。