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俺はまたストンと力が抜けたようにイスに腰を落とした。
「ったくなんなの?アイツ!
いっつも達也さんを強引に連れて行って!」
「まぁなんだかんだ言ってコオ先生もナクラさんには甘いからねぇ」
「幼なじみかなんだか知んないけど、あんなヤツと付き合ってたらコオ先生が汚(けが)れるわ!!」
スズメが相変わらず怒ってて、トキワさんは苦笑いしながらお弁当を片付け始めた。
「……あっ、すみません、あの、ごちそうさまでした」
慌てて俺も片付けを手伝おうと手を出す。
「いえいえ、お粗末さまでした。
櫻井さんはいいからお茶でも飲んでてください」
「イヤ、でも……」
「それとも、なにかしてないと落ち着かないですか?」
トキワさんがそう言ってくすっと笑う。
「……えっ?」
「連れていかれちゃったコオ先生が心配なんでしょー」
「えっ、イヤッ、あのっ……」
「コオ先生がほかの男の人とふたりっきりで出かけたのが心配なんでしょ?」
「あっ、あの……」
幸い、スズメはホリカワくんとまたギャーギャー言い合ってたから俺たちの会話は耳には入っていない。
「大丈夫ですよ。あのふたりはいつもこんなだけど、ただの幼なじみだから」
「イヤ、別に俺は……」
「ウソばっかり。じゃあどうしてさっきコオ先生が連れていかれた時、ナクラさんをすごい睨んでたんですか?」
「……え?」
「櫻井さんの顔、すっごいこわかったですよ?
目でナクラさん殺せそうなほど」
そう言ってクスクスと笑い出すトキワさん。
えっ?
俺、そんな顔してた!?
思わず自分の顔をペタペタと触りまくる。
「……無自覚ですか?
それはそれでこわいですけど」
「イヤッ、」
「飲みに行ってもいつもコオ先生がナクラさんの愚痴を延々と聞いてて……
コオ先生、優しいからいつも最後まで聞いてあげてるんですよね。
で、最後にはふたりで潰れてんの」
「えっ?」
「ふたりして肩組んで寝ちゃって。
あれでよく出禁にならないよねっていつも言ってるんですよ」
「えっ?……ええっ!?」
肩組んで!?
密着しながらふたりで寝てるってこと!?
「ふふ。また顔こわいですよ、櫻井さん」
「えっ、また!?……あ、イヤ、」
「そんなに心配ならもう少し待ってお迎えにでも行ったらどうですか?」
「え?」
「まだ飲んでる最中に行ったら逆にナクラさんに追い返されちゃいますからね」
「そう、なんですか……」
「ふふっ、ふたりの時間をジャマされるとナクラさんすっごく怒るから」
なんか……さっきからちょいちょいと心配なワードが……
ホントに、ただの幼なじみ、なんだよな?
今すぐ駆けつけたいけど、トキワさんが言うように追い返されてもイヤだし。
「それじゃ病院の片付けしますから、それまでお手伝いして頂いていいですか?」
「あ、それは……もちろん!」
「休日のところ申し訳ないですけど、それじゃお願いしますね」
「はい。僕にできることならなんでも言ってください」
そう言って目の前のお弁当箱をトキワさんと一緒に片付けていく。
結局、残ってた中身はホリカワくんがほとんど食べてしまってたようだ。
「達也さんいないならもう帰ろーっと」
「あ、スズメさん、お弁当ごちそうさまでした。またお願いしますねー」
「アンタに作ってきたんじゃないわよ!
私は達也さんだけのために作ってきてんの!」
「またまたぁ~。こんなにいっぱい作ってきてくれてんのに~。コオ先生ひとりで食べられるわけないじゃないですか~」
ホリカワくんにそう言われてスズメの顔が赤くなる。
「……バッカじゃないの!
もうアンタなんかに食べさせてやんないから!!」
重箱を抱え込んでスズメが帰って行った。
「あの……大丈夫なんですか?」
恐る恐るトキワさんに聞いた。
「え?」
「スズメ、ちゃん……怒って帰っちゃいましたけど……」
「ああ、アレも、いつものことだから。
いっつもああやってホリカワくんとじゃれてんのよね」
じゃれてるようには見えなかったけど……。
でもまぁスズメがああやって吠えてるのはけっこう見慣れてきたから……そんなもんなのかな、と納得する。
「さ!ちゃっちゃと片付けちゃいましょう!
ほら、ホリカワくんも!いつまでもお皿と箸持ってないで片付け始めちゃって!」
「はいは~い」
それから3人で病院内を片付けて、トキワさんにそろそろいい時間かもと背中を押されて、俺は病院を後にした。
つづく……
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おはようございます。
今日はお休みなんです。
転職してから休みに休めるこの幸せ・・・♡
ひとりでなにしよー´ ³`°) ♬︎*.:*
ところで、コメントを承認するかしないか、意見が真っ二つ(笑)
まだもう少し意見お待ちしましょかね。(そんなのどうでもいいのかな?)