札幌に住む、フランスと縁の深い人物インタビュー第一弾は、札幌を中心に大活躍中の”画伯”モリケンイチさん。49歳!
ご本人の雰囲気がもうモンマルトル。パリの曇り空の下に合う黒いシャポーとコートで只者でない雰囲気。度々お会いしていてもそんなに長く会話する機会がなかったので、今回は思い切ってインタビューを申し込んでみました。快くお受けくださり、感謝です。フランスでの”生”のフランス語など、教えていただきました。
あちらに行ってみたいなと思っているアーティストの方、必読です。
では始まり始まり👏
12月21日ギャラリー犬養の片隅で
M:フランスに行かれたのは、2002年から、で、それまでは札幌にいらして、学校行ったりしていたんですか?
K:いや、19歳くらいから、似顔絵や肖像画を描いて、道内のアミューズメントパークを回ったりしていたんですよねー。札幌ファクトリーだとか、マイカル小樽とか、20年くらい営業して生計立てていた感じです。
M:その前に、学校とか行っていたんですか?
K:いや、そういうことをやってから、専門学校に行って、30代前半くらいに、このままやっていても…って思って、フランスに行ったんです。
M:やっぱり、フランスっていう感じで?
K:いや、他の外国も考えたんですけど、知り合いがいたんで、フランスにしただけです。でもその人には6年間で1日しか会わなかったけど(笑)
M:(笑)学校には、二つ行ってますね。
K:二箇所っていうか、最初のは、グランド・ショミエールっていう学校っていうか、デッサンするところですね。ピカソとかも行ってた、そこに行くと滞在許可証が取れたんで、そこに行ったんです。今はもうそこでは滞在許可証取れないみたいですが、、。だから、在籍だけして全然来ない人もいたし、真面目な人もいたし。。
M:今もあるんだ。日本人とかもいっぱいいたんですか?
K:いましたね。滞在許可証が取れるんでね。
M:なるほど。そこはなかなか良かったんですか?
K:まあ、自由っていう意味ではね。先生も来るけれど、週一回だし、行って何か教えてもらえるわけでもないし、行って、ただデッサンするだけだから。日本人と韓国人が多くて。
で、ポンピドゥーセンターの前で似顔絵とか描きながら、せっかくだから学校行ったほうが良いかなと思って、ヴェルサイユのボザールに行ったんです。
M:ヴェルサイユにボザールが、、
K:そうそう、パリのは年齢制限があって入れなかったんですよ。そこはなかなか良かったですよ。
M:試験とかあったんですか?
K:もちろん(笑)
M:やっぱり、最終学歴とか、そういうのは
K:たくさん書類とかは出さないとならなくて、一回日本帰ってきて、いろいろ集めてまた戻った。
M:フランス行こうと思って、フランス語は勉強したんですか?
K:ラジオで(笑)。でも一度もフランス人と話したことないから。現地に行って初めて喋ったからね。
M:何を最初に話したんですか?
K:最初に乗ったタクシーが白タクで、なんて言ったかな〜。ぼったくられて、、、(相当考えて)Je…je ne veux pas、とか言ったかな。でもああいう時は、英語でいいんだよね。わざわざフランス語で言わなくても、、、(笑)
M:でも向こうではフランス語話していたんでしょ?
K:商売ではね、使わないといけないから。Vous ne voulez pas un portrait?とか。学校にはいった事ない。フランス語で絵の技術の本とか読んで、覚えたかなー。あんまり基礎とかやった事ない。自分外国人だって見た目でわかるし、そんなに問題なかったよ。
M:一番使ったフレーズとか。
K:汚い言葉ばかりだよ。PutainとかEspece de salaudとか。悪いところだったから。
M:え、どこですか?
K:ポンピドゥーの前だよ。ケンカばっかり。Con(バカ)とかDégage(あっち行け)とか。
M:Dégageは役に立ちますね(笑)
K:Allez, dégage!とか(笑)
M:アレですね、スラング講座が出来ますね。フランス語でスラングってなんでしたっけ?あ、Gros motsだ、Gros mots!
(こちらから色々なフランス語のスラングが見れます)
K:フランス語でスラングってなんて言うのか知らない。汚い言葉しか知らない(笑)
M:内容しか知らないんですね(笑)これからあちらに行く人に対して、これは覚えていた方が良いよ、みたいな言葉ってある?
K:女の人とかさ、口説かれるから、断るフレーズとかちゃんと覚えておいた方が良いと思うよ。
M:なんて言うんだ?
K:Vous n'êtes pas mon type(タイプじゃないの)とか。
M:アレですよね、相手を傷つけないようにちゃんと断ると
K:うん、いきなりまくし立てられて、チューとかされたりとか、あるから。
ぎゅー♡です。
M:フランス人の特徴を一言で言うとしたら。
K:基本的には親切だけど、複雑って言えば複雑だよね。男の人もよく喋るし。あそこは、基本マッチョな国だよね。基本男性原理で動いている感じするよね。
M:たとえば?
K:力だよね。美術とかでも、強いって言うのが大事。ほめるときは、C'est fort(強いね)とかそう言うのが大事って感じ。軍隊とかもあるし。
M:はあ〜そう言う観点で聞いたの初めて。
K:何かを解決するんでも力、だよね。言葉の力っていうのもあるし。議論も好きじゃない?あっちの人たち、絶対負けないようにっていうのもあるしさ。常に闘っているっていう印象があるね。
M:折れるってないんでしょうかね。
K:折れた人って見たことないな。
M:折れないって最後どうなるの?
K:裁判だよ。
M:でも普段の生活では?
K:だから、そうならないように、親切な感じをさ、地下鉄でドアを開けてくれたり、重い荷物を持ったり、そういう予防線をいろいろ張ってるよね。でもいざそうなったら絶対折れない、あっちの人は。
M:なるほどね〜〜。。。結構、ヒステリックでしょ?
K:うん。男性もよく喋るしね。議論好きだよね。
M:モリさんもフランス語で議論していたんですか?
K:してたよ。
M:どうやったら話せるようになるんでしょうね。
K:反応みたいなものだから、とにかく話すしかないでしょうね。恥ずかしくても話す。
M:モリさんは、ヒステリー始まったら、どうしてたんですか?
K:同じテンションで目には目を的な感じで、言い返してたよ。
M:それできない人ってどうなんでしょうね。
K:それは難しいかも。
M:そうですよね。
K:もう挨拶から悪口だから。Salut, petit japonaisとかさ、だから魔女とかSorcière言い返す。
M:そ、それ、女性とやってるんですね!私それはないわ。
K:Ta gueule de sorciereとか(笑)
M:いきなりGros motsコーナーになるとは。。。確かにそういうの使えないと、生きづらいかもしれませんね。
K:うん。軍人とかも多いからね。
M:徴兵とかもあったしね。
K:こんなに汚い言葉ってあるんだ、ってある意味感動だったけどね。
M:同じこと表す言葉でも悪い言葉が何種類もありますものね。
K:その分綺麗な言葉もたくさんあるけど、言葉的に厚みがあるっていうか(笑)
M:じゃあ、喋れるようになるには、喋ると。
K:そう、恥をかいても喋る。
M:恥かいたらどうするんですか?
K:知らん顔する。堂々とする。
M:あちらは、逆にとんがってなんぼですものね。人間扱いされる。
K:負けたら終わり。主張しないと相手にされない。価値観違うから。逆にさ、日本に帰って来た時、逆カルチャーショックがあったよ。
M:え、どんな?
K:なんか言ったらトゲがあるからさ、何も喋れなくなったんだよね。
M:相手がシュンとしちゃうとか。責められたように思われるとか。
K:そう。強い言葉しか言えないからさ。なかなか普通の人と話せなくなってしまった。
で、なかなか立ち直れなかったらしいです。
で、ここで、お客様が来てしまい、うまくまとまらないままお話が強制終了でした💦
でもスラングたくさんの生の体験話で得難い貴重な時間でした。
ただいま、ギャラリー犬養にて12月30日までモリさんの個展が開催されています。
「Cirque bizarre-小さな部屋の奇妙なサーカス」
12月19日(水)~30日(日)
ギャラリー犬養 女中部屋
〒062-0903 北海道 札幌市豊平3条1丁目1-12
パザパと同じくとても古いお家を改装してのカフェ&ギャラリーとても落ち着くところです。ぜひ、足をお運びください。
フランス語勉強したい方、パザパがお待ちしております。
小学生も高学年からお受けします。生涯の財産になります。
フランスが魅力的な国だと言うのは、日本と大きく違う部分があるからでしょう。
ぜひ、世界を広げてみてください。
お電話は 011-612-0113
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