札幌の小さなフランス語教室パザパのマリー・アングレーズです。
今日は、日本人の頭を悩ませる冠詞について感じていることを書いてみようと思います。
私も基本は英語とフランス語の比較から、西欧人の一般概念を類推するのが割と好きでよくやるのですが、基本的に、名詞のとらえ方は一緒だなあって思います。
ただ、英語の方は、名詞に性がないし、数えられないもにはつけないので、かなり簡略化されています。
それでも、名詞の扱い方は同じで、つまり、英語人とフランス人(あと類推するにラテン語系の言語)を話す民族の頭の中の名詞の扱い方は同じ、あるいは似通っていると言えると思います。
英語を話す民族とは、我々日本人も付き合いが多いと思われるので、この記事は皆さんに少しは役に立つものと思われますので、お時間許す方は読んでください。
フランス語には”冠詞”というものがあり、無冠詞で名詞をいうととても違和感があるらしいというのは、色々な人の経験を聞いていても伺い知れます。
冠詞の発生については、ここでは言及しないけれど、冠詞を付けないとどんな感じになるのかを推測して行ってみましょう。
それは、冠詞付き言語を話す人たちが何を大事にしているか、ということですね。
そこで、冠詞の役割から見て行ってみましょう。
まず次のフレーズを見てください。
C'est un citron.
この文章を視覚で表すと
🍋
って事であります。
つまり、「これはレモンです」
って事なんだけれど、
「これは」っていう部分の
主語 Ce ス
までだと、それが何物かなんてさっぱりわかんない。とにかく、人か物か、何かってことにしかなってないわけ。まさに、日本語の『素(す)』な訳です。偶然にも、フランス語も『ス』って読むのです(うまい!👏)。
で、その、無味無臭の得体の知れない『素な物(事)か人』が、
動詞 est エ
で、『存在する être』って動作をしているって所まで言っているわけなんですね。
でもそこまででもわかるのは「得体の知れない何かがこの世に存在している」ってことだけ。
で、次に、今日の主題
冠詞 un アン
が来るんだけれど、
その冠詞からフランス人は、
それが
男性名詞
数えれるもの一個
世界にいっぱいある物(か人)
何か新しい事を話し始めたいらしい
とそこまでの情報を一気に掴むワケ。
この役割、尋常じゃない量でしょう。
でね、最後に
名詞 citron スィトゥホン (日本語読みだとシトロン)
こうなると名詞自体の役割は、「名前」ってだけで、どんなものかなんてさっぱり意味してないわけよ。
だからね、この冠詞unが抜けると一気に情報量が減るのね。
だから、それがついてないと、なんか変ってなるんだと思うんだよね。
その物の存在感に対しての敬意が足りないっていうか、不親切っていうか、乱暴っていうか、名前だけって、いきなりかよ!って感じだと思うんだよね。礼儀として帽子とおパンツを身に付けてお出かけしましょうね!的な。
でも、冠詞のない言語育ちの私には、感覚的には全然わかんないんだけれど、日本語もテニオハとか助詞が違うとなんかモゾモゾする様なスッキリしない様な…。
ほら、動物を数える時にね、
一匹 いっぴき
二匹 にひき
三匹 さんびき
四匹 よんひき
ってなるじゃん。これを
いちびきとかさんぴきとか言ったら変じゃん。
これはレモンです。 C'est un citron.
と
これがレモンです。C'est le citron.
は冠詞自体も違って来るし。
数もさ、
🍋 un citron
なのか
🍋🍋🍋。。。 des citrons
なのか
🍹(レモン果汁)du citron
で違う!
それを一言で表せる冠詞って
書いてて初めて思ったけど
すごいもんなんだね。。。
(@ ̄ρ ̄@)
っつー事はさ、
いきなり冠詞抜きで
C'est citron.
セ・スィトゥホン( ⁼̴̀꒳⁼̴́ )✧
なんて言ったら、
え、いきなりナニ!?(・_・;??
え、レモン?
あ、キミレモンのこと言いたいわけ?
もしかしてレモン果汁のこと言ってる?(@ ̄ρ ̄@)
ってなっちゃって
やー名前だけって、オラとこの言葉じゃ、ありえないんだけど、、、
くらいに言われちゃうかも。
で、言われた方は
( ゚д゚)・・・
って呆気にとられる(笑)
『普通』とか『常識』ってきっと民族や文化でかなり違うんでしょうねえ。
まあ、このくらい便利なものだと思って、がんばって覚えてください(^_-)☆
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フランス在住しているけれど、これは一体文法的にどういうこと?みたいな質問にも即座にお答えできます。
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