Procyon(20) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「とにかくひねくれてて。プライド高くて。自分のことしか考えられなくて。誰かと家族になるとか?全く想像つかなかった。女性とつきあったことなかったわけじゃないけど。いつの間にか自分が彼女を制御したくなってしまう。思い通りになってくれないとすごく腹立たしくなってしまう、」

 

高宮は頬杖をついて遠くを見た。

 

「へえ・・そうだったんだ、」

 

真緒は興味を惹かれて少し身を乗り出してしまった。

 

「でもね。夏希と会って。初めて。初めて自分本位とかじゃなく、この子が自分を変えてくれる!って本能的に感じたっていうか。とにかく不思議な子だったからねえ・・」

 

なんだか笑ってしまった。

 

「傍から見りゃ。おれが彼女を制御しているように見えるかもしれないけど。彼女はとてもおれなんかがどうこうできる人じゃないんだよね。逆に振り回されて。最初は『このおれが??』ってありえん!って思ったんだけどー。そんな自分のプライドもなにもかも全部持って行かれて。信じられないけど彼女とつきあうようになってわりとすぐにもう結婚したいって思うようになった。」

 

「・・すごい衝撃だったんだね、」

 

真緒は感心したように頷いた。

 

「まあ自分の家族が当時あんまり居心地よくなくて。もう少しでも早く彼女と新しい家族を作りたいって気持ちはあった。なんかこの気持ちの変わりようが自分でもすごいなって思って。なんか人と出会うってすごいなって思った。自分が変わっちゃうんだもん。自分の中であーだこーだ考えても変わらない。でもたったひとりの人に出会ってこんなに変われるんだって。恋愛とかそういうことよりも『この人と一生ずっと傍にいたい』って理屈抜きで思えた。まあ結婚まではウチのこともあったし色々あったよ。彼女がウチの親とうまくやっていけるのかとか考えた。でもとにかく一緒にいたいって気持ちってすごいパワーだなって。全てに勝つよ。」

 

高宮は神妙に真緒を見やった。

 

「人の気持ちは変わる。それは仕方がないこと。だけど・・おれはこの先何十年経っても彼女と出会った時のことを思い出すと思う。」

 

真緒は高宮の真摯な気持ちに胸がジワっと暖かくなった。

 

「・・ま。おれはね?彼女の方はわかんないかもだけどさ、」

 

続けてそう言われて

 

「・・ちょっと。感動してたんだから追いオチやめてよ・・」

 

笑ってしまって彼の腕を小突いた。

 

「まあ。最初の結婚の時。少なくともそこまでは思ってなかったなーーー。結婚ナメてたのかもね、」

 

そして自嘲した。

 

「いや。人生経験だよ。なにごとも、」

 

高宮は彼女を励ますように笑顔を向けた。

 

 

一緒にいたい気持ちは全てに勝つよ

 

 

真緒は高宮の言葉がその日頭の隅からずっと離れなかった。

 

人生は自分さえ思うようにいかないもの、と高宮は真緒に離します・・

 

 

というわけで。

大変申し訳ありません、明日からまたお休みします!

この後、モヤモヤしたまま真緒と初音は北へ出張へ向かいます。そして話は意外な方向に・・・

って感じですかね。すみません、よろしくお願いします!

 

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