目標決めるのって、そんなに良いこと?割と、悪いことも結構あるじゃんね。 | 東大に文理両方で合格した男が綴る、受験の戦略

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「今年の入試で目標点を何点にしたらよいですか?」という質問が来たんですが、

この「目標を決める」というのには、功罪両方があるので、中々難しいと思います。

 まず、見ず知らずの、パーソナリティが不明な人の目標点を決めるのは無理というのはありますが、それだけではありません。

 

私も、色んなところで「目標を決めよう」と言っていますが、これは初級編。 目標もなくダラダラ勉強している人は、目標を決めて期間内に最大成果を出すような姿勢に切り替えるのは、大きなメリットがあります。

 

一方で、目標を決めると、目標が未達成の時に失敗になり、達成すると成功と捉えることになりますがこれが非常に良くないです。 目標を達成した時には、全てが肯定されてちゃんと過去を反省しなくなりますし、失敗の時は全てダメだったと捉える人が多いです。

 

成功したって、そのプロセスに反省点はたくさんあるし、失敗の時にも、評価すべき部分やあるはず。 反省の仕方が甘いということは、その経験を生かせないということに繋がります。 特に、本人は冷静でも、保護者や先生が冷静ではなくて、全部肯定/全部否定されてしまうとタチが悪いです。

 

これを回避するためにおススメなのは、目標を複数立てること。 私が何か目標設定をするときは、「大勝ち、勝ち、引き分け、負け、大負け」と最大5段階くらいに分けます。 また、評価項目も細分化して、例えば英語、数学、国語・・・と科目別にするような感じで、一つ一つ目標を立てます。

 

こうなると、「成功だ!」や「失敗だ!」のような単純な善悪で評価することがなくなるので、冷静さを保ちやすいです。 よく「模試の成績に一喜一憂するな」と言いますが、一喜一憂してしまうのは、合格判定があるからです。数学や英語で良い所もあるのに「E判定」だけを見て、全部否定しちゃうような

 

余談ですが、私は一喜一憂した方が良いと思ってまして、A判定取ったら喜んだ方が良いし、E判定取ったら悔しがった方が良いと思います。 問題なのは、一喜一憂することではなくて、一喜一憂しかせず、その後の反省をしないことだと思います 感情表現はやる気にも繋がるので、大いに喜び、悲しみましょう

 

話を戻しますが、例えば目標が未達成だったとしても、目標を設定しなかった場合より、たくさん成果が上がったらそれでよいではないかと思うんですよね。 未達成だった原因を反省するのは当然として、では、目標に達しなかったから全て悪いわけではないと思います。

 

さて、東大入試の目標点ですが、まず総合点の目標を決めてもほとんど何の意味もないと思います。(440点中250点をとるぞ!みたいな) なぜかというと、これだけ決めても、そのあとの自分の行動が何も決定されないからです。 その目標を達成するために、なにすんの?と言われてもわかりません。

 

だからせめて、各科目の目標点まで細分化して決めたほうが良いということになります。 英語〇〇点、数学〇〇点・・・というように決めて、総合で〇〇点になるように配分するわけですね。 ただ、科目ごとの目標点は個人差が大きく、見ず知らずの人のを決めろと言われても、不可能。だから断ったのです

 

しかし近年、東大の合格最低点は下落していて、さらに下がるのか、揺れ戻して高くなるのか、などを考えると目標点が決められなくなります。 特に、国語は50点取るのも大変というテストになっていて、かつてのように70点取るのが非常に大変になりました。

 

すると、いつの難易度の水準に合わせて目標点を決めれば良いか分からなくなります。 例えば、国語50点の目標にしたとして、かつてのようにみんな60点くらい平気でとるようになったら、目標設定の時点で失敗してしまいます。 また、採点基準が分からないなどの問題もありますから、非常に難しい

 

だから、ここでもせめて、目標点を複数設定してあらゆる場合を想定したシミュレーションをしておくべきだと思います。 受験業界では、あまりシミュレーションをしなさいという指導がされているのを聞きませんが、ものすごく大事です。 英語が難しかった場合、形式が変化した場合、どう対処するか?

 

シミュレーションをしないということは戦略を1本に絞っているということですが、戦略なんて大抵うまくいきません。上手くいかないけど、現場判断で柔軟に変更しつつ、達成までなんとかこぎつける、というのが大事なこと。 だから、予めあらゆる想定をしておいて、当日慌てないようにしましょう。

 

万能な手段なんてないのだから、目標を決める時には、そのデメリットも理解しておけ、ということですね。 大抵の場合は、目標を設定する方が(総合的に見て)良い選択になるので、おススメはするのですが、東大受験のようなトップクラスの戦いをする場合は、気を付けましょう。