小倉優子さんの白百合女子大合格には、字面以上の価値がある | 東大に文理両方で合格した男が綴る、受験の戦略

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小倉優子さんに関して、早稲田大学の不合格がトピックにされがちだけど、大学受験というのは本来そのくらい難しいものだという証拠だと思う。

うちの塾には社会人受験の方がたくさん在籍しているけど、現役生や予備校に通う浪人生と違って、そもそも受験勉強の時間を取ること自体に苦労している。

 

仕事や子育てをしながら、集中できる1時間を確保するのがどれだけ大変か。 生活費を稼いで、家計のやりくりをしながら勉強することがどれだけ大変か。

ほとんどの受験生が、親の保護下や学校の保護下にあるけど、これはとんでもない特権。社会人受験生と一般の受験生を同じ土俵の上で比較できない。

 

芸能人の大学受験企画モノに対して「そんな勉強時間じゃ受からないよ」と揶揄する意見があるが、裏返せば、一般の受験生はそれだけ勉強時間を確保できるような僥倖な環境を与えてもらえていたということ。 

本当に、勉強できるというのは贅沢だと思う。 小倉さんの白百合合格は、字面以上の価値がある。

 

社会人受験生は、生半可なモチベーションでは続かない。大人になると様々な事情があるので、体感、半数くらいが、そもそも大学を受験することなくあきらめざるを得なくなってしまう。 一旦社会に出たあと、大学に受かる人には、心から学びたいという気持ちのある方が多い。だから応援したくなる。

 

途中で受験を辞めるとか、勉強以外を優先しなければならないタイミングはいくらでも来る。その都度言い訳できるけど、大抵の社会人受験生は寡黙で声を上げない。 私のところには、サービス停止の連絡を寄越さなければならないということで、こっそりと事情を説明されることがあるが、表には出ない。

 

昨年は、大学受験を志し、中学の勉強もままならないような状態で問い合わせてきた方がいた。一橋大学に行きたいのだという。 仕事が忙しく、教材を選ぶだけで数週間かかり、やっと勉強を開始したというところで、突然の大けが。体を使う仕事だったため離職をした。

 

そんな状態だから求職活動も思うようにいかず、数か月は無職で療養。 貯金で生活費を賄わなければならないという厳しい状態でも、生活費を削りながら、期限内にキチンと授業料を支払ってくれた。 やっと再就職をしたが、それでもめげずに、勉強を再開したいという。

 

これは一例だが、社会人になるとこういう厳しい事情に見舞われる人が少なくない。 失職以外も、親の介護、病気やケガ、うつ症状が出る方もいた。そもそも共テや東大2次の日に、仕事を休めるかどうかすら怪しい。 これらの災難よりも、学ぶ意欲が勝った人だけが、受験のチャンスをつかみ取れる。