年齢に関する規定を蹂躙してまで15歳の少女に特例措置を認めろという声があるのは、異常としかいいようがない。
ルールを守って技を競い合うという、スポーツの精神に真っ向から刃向かう主張だ。
どんなに優れた技能を発揮したとしてもトリノに行ける可能性がないことは、ずっと以前からわかりきっていたことだ。
年齢制限は96年6月に決められているし、世界ジュニアの優勝者にだけ特例を認める措置も00年には撤廃されている。
彼女は今も昔もバンクーバーを目指しているのであり、その途中の過程でたまたまトリノに行く連中の技能を上回ってしまったに過ぎない。
鼻っから、トリノに行く選手ではないのだ。
もちろん彼女の登場をきっかけに、今後の制限緩和を話し合うというのであれば、それは筋の通った話しだ。
だが、それはあくまでもバンクーバー以後のことであって、トリノには適用されない。
特例措置を嘆願するとすれば、それはたとえば彼女が不治の病に冒されていてあと1年の命であるとか、そういう特殊事情でもある場合だけだろう。
オリンピックは、世界一を決める大会ではない。
オリンピックは、ルールを守った上での世界一を決める大会だ。
ルール度外視なら、スケートの上手い選手は他にもいるのだよ。
そう言えば今回のこの騒動、スルヤ・ボナリーだけではなく、古橋・橋爪の昔話も想い出させてくれるね。