私の中にあるひとつの基準として、
『美容院に定期的に行くのがおしゃれ』というものがあります。
ロンドンに住んでいたときは、パリやニューヨークに次いでおしゃれ発信の地(実際に住むと決してそんな風には思えなかったけど)のおかげで、日系サロンはたくさんあり日本語を話す正真正銘の日本人美容師や、短期留学で来て美容を学んでいる美容師などがスタイリストとして働いていました。
だから、日本の流行にも敏感で、いつも満足の行くスタイルにしてもらっていました。
がっ!ここカリフォルニア州シリコンバレーでは、それはなかなか難しいこと。
フットワークの軽い人は、サンフランシスコまで行って日本人美容師さんに素敵なヘアスタイルにしてもらっていますが、私の知る多くの日本人はベトナム系や中国系のスタイリストでお茶を濁しているようです。
中には、年に一度帰国した時に美容院に行くだけで、こちらでは行かないって人も。
私はそれではもったいない、と思うのです。
髪は確実に伸びるものだし、おしゃれをするうえで大きなウェイトを占めている部分だし。
かくいう私も、いろんな口コミ情報で近隣の美容院を渡り歩きましたが、この人!というスタイリストにはめぐりあえていません。
とにかく避けたいのは、日本人の髪を扱ったことのない美容師。
どんなスタイルにされてしまうか・・・、怖くて行けません。
私が今、定期的に行っている美容院には日本人がいて、うちの母と同世代のおばちゃんなのですが、腕はなかなか良いです。
頼んだとおりにやってくれる---これは基本ですよね。
最近、彼女の予約を取り、いよいよ来週と迫ったある日、彼女から電話があり、なんと腰を痛めてしまったのでしばらく店に出られない、と言うのです。
う~ん、お年を召している方はこういう事態に陥るんですね・・・。
彼女は、同じ店でスタイリストをしているベトナム人の名前を挙げ、「彼女はとても上手だから、よかったら彼女の予約を取って」と、電話番号をくれました。
日本だったら、ほとんどのお店は会社のように組織となっているから、誰かが休んでもフレキシブルに対応できると思いますが、ここではそれぞれのスタイリストが自分のスペースを店舗から借りて仕事をしているので、突然の休みには対応しきれません。
今日、そのベトナム人スタイリストにカットしてもらいました。
前日からちょっとドキドキしていました。
ちゃんと切ってくれるかとか、こちらの要望はきちんと伝わるだろうか? などなど。
結果は、大満足。
クセ毛で量も多い私の髪を、よく理解して、相談しながらカットしてもらえました。
しかも、カットが終わってから「How much?」と聞くと、
「Eさん(私がふだんやってもらっているスタイリスト)に払うのと同額でいいわよ。私は彼女の代理だから」。
これにはすごく感動しました。
実は、偶然私の日本人の友達がこのベトナム人スタイリストに長年切ってもらっている、というのを先週知りました。
私がすでに彼女とのアポイントを取った後だったので、これ幸いとその友達にこのスタイリストのことを聞いていました。
値段はカットで$45ぐらい、とも。
そして、腰を痛めて休んでいるスタイリストは$35なのです。
私がそう告げると、ちょっとだけ躊躇した彼女は「それでいいわよ」と言ってくれました。
チップ込みで$40払ってきましたが、この出来栄えでこのお値段、お得だなあって思いました。