9月22日からカレッジの新学期が始まりました。
ご存知のように、アメリカでは9月が新学年スタートの時期。
日本の4月のような感じです。
だから、初日の22日はキャンパスが生徒でごった返していました。
今期、私は長年取っているピアノクラスに加えて、
Japanese Animationなるクラスを取ってみました。
毎週、月曜日の午後12時半から4時10分という非常に長いクラスなのですが、授業で日本のアニメを数本見るので、このぐらいの長さが必要なようです。
私はこの授業に興味があるというよりは、ここに集うのがどんな人たちなのか、それに興味がありました。
教室は、シアターのようなつくりで、正面に大画面が、両脇にでかいスピーカーがあり、席も階段になっています。
先生は、スコティッシュ系のアメリカ人のよう。
初老の男性です。
初日の22日は、『Cockpit』という原作が松本零士の作品を2作と、『Panda,Go! Panda』を見ました。
作品の見方のコツは、各人物にどのようなキャラクターが与えられていて、どのように作品の中で役割を果たしているか、のよう。
『Cockpit』はシリーズのようで、どちらも基本的に第二次世界大戦の空軍が舞台になっていました。
見終わった後、ディスカッションがあるのですが、作品の性格上、「カミカゼ」とか「suicide bom」とかそんな単語が飛び交っていました。
なんだかこういうのはなあ・・・と思いつつ、隣の席にいた女の子のノートをふと除くとピカチュウが描かれていました。
そう、このクラスにはオタクが集まっているようなのです。
ほとんどすべてが白人のアメリカ人なのですが、やけに日本のアニメに詳しくて、ブレイクの時、授業開始時に配られた今期に見るアニメのリストについて、みんなであれこれ話していました。
さて、この日の第3作目は『Panda,Go! Panda』。
お父さんが巨大なパンダ、お母さんが小学生っぽい人間の女の子、そしてそのふたりの間の子供が小パンダ、というあり得ない家族構成。
この一家が織り成す生活を見たのですが、ディスカッションの時、先生が
「この家族構成は、ディズニーの『Snow White』と似ているね」と言い、ほとんどの生徒がうなづいていました。
えええ~っ!?
そうかぁ?
っていうか、この感性に共鳴できないと、このクラスにはついていけないのでしょうか?
そう言えば、ディスカッションの時、みんなは見た作品の隅々まで克明に覚えており、ひとりが何か言えば他の誰かがまたそこの部分について何か言う、という本当にオタクっぽいクラスでした。
ラッキーなことに、すべての作品は日本語で上映され、英語のsubtitle(字幕)が下に出ます。
一度、先生が英語ヴァージョンで上映し始め、「Oh,No」と言いながら一生懸命日本語に切り替えていました。
生徒たちも、「やっぱ、オリジナル音声でみないとね~」なんて言ってたし。
私にとっては、長い授業時間であるけれど、日本語でアニメを見られるので(しかも、タイトルは知っていても見ていないものがほとんど)娯楽に等しいのですが、この後のディスカッションの内容が、私の、そしていわば平均的な日本人の感想とかけ離れている場合が多いので、それがこのクラスを取り続ける上での不安材料。
とは言っても、アメリカで日本のアニメがわざわざひとつの科目となっているのは、日本人としては見逃せないでしょう。
来る月曜日は、私が大好きな
『Lupin Ⅲ』(ルパン3世)が上映されることになっています。
また、この場でご報告します。