円高の逆風はね返す、下期業績期待 貿易戦争の影響薄く ~ 日経電子版から | レントの株式トレード日記

レントの株式トレード日記

株のデイトレ、中長期投資についての日記、個人的意見・感想をつづります。
メモの類においては、他の資料等で調べた内容が含まれることがあります。
なお本ブログ内容に基づく投資行動による損失については責任を負いかねます。

円高の逆風はね返す、下期業績期待 貿易戦争の影響薄く 
証券部 寺井伸太郎
2018/8/21 19:26
 
 トランプ米大統領の発言に日経平均株価は21日、再び大きく揺さぶられた。連邦準備理事会(FRB)の利上げ政策に不満を示したとの報道を受けて、円相場は1ドル=109円台まで円高・ドル安が進行。日経平均は150円近く値を下げる場面があった。ただ終値は前日比20円高の2万2219円と切り返した。中国・上海株式相場の上昇と並んで、円高の逆風をはね返したのは投資家の間でじわりと広がる下期業績の上振れ期待だ。

 21日の東京市場で買われたのは、下期業績が好調そうな下期堅調銘柄だ。日立金属のほか京セラや日揮といった銘柄が買われた。電線などを手掛ける日立金は中国の内需振興策の恩恵を受けやすい。下期の経常増益率は市場予想ベースで前年同期比73%と上期(30%)を大幅に上回りそうだ。新興国で複合機販売を強化する京セラなど、いずれも米中貿易戦争による打撃を受けにくい収益構造となっている銘柄が多い。

 なかでも米中貿易戦争によって漁夫の利を得られる銘柄として注目を集めるのが新日鉄住金だ。コモンズ投信の伊井哲朗氏は「米国にとって不可欠な高品質の鋼材を手掛け、鉄鋼関税の影響を受けにくい」と話す。機関投資家からの買いで、売買代金は前日の約2倍に膨らんだ。

 新日鉄住金の米国向け輸出は全体の2%程度にとどまる。むしろ制裁関税による米国内の鋼材価格高騰で米国の子会社や持ち分法適用会社を通じた利益が拡大しやすい。

新日鉄住金は、今期から国際会計基準(IFRS)に移行し、単純比較はできないが、下期の経常増益率は35%と、上期(3%)を上回る。

 米中が制裁関税を発動したのは7月。下期から貿易戦争の影響が本格的に企業業績に反映される見通し。新日鉄住金のような“漁夫の利”銘柄とまではいえないまでも、下期の経常増益率が上期を上回りそうな銘柄は少なくない。

 JPモルガン証券の阪上亮太氏によると、下期増益率が上期を上回る下期堅調銘柄は、京セラや日立金のほか、帝人やヤクルト本社、セブン&アイ・ホールディングスなどがある。例えば、帝人はドイツの自動車内装材メーカーを買収するなど欧州に注力し、下期の経常利益は24%増える見通し。6月末と比べた株価は6%高と日経平均を上回る。セゾン投信の瀬下哲雄氏は「いまは不透明感の少ない銘柄を選好する局面だ」と話す。

 米中貿易戦争に対する市場の懸念は一服してきた。野村証券によると、アナリストが業績予想を上方修正した社数から下方修正した社数を引いて算出する「リビジョン・インデックス(金融除く)」は足元でプラス圏に浮上してきた。

 投資家は悲観論一色から個別銘柄の収益構造をより詳しく分析しようとしている。日経平均構成銘柄の予想PER(株価収益率)は12倍台後半と「かなり割安感が出てきた」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘氏)。不安定な市場環境が続く見通しのなか、貿易戦争の影響を見抜く投資家の力が問われそうだ。

 

今後、仮に日経平均が大きく買われることになった場合、初動で買われるのは大型株のうち、特定のセクター。その候補として押さえておくべき。

 

京セラ 日立金属 帝人 国際帝石、新日鉄住金、ヤクルト、7&i