ローズ・イン・タイドランド 「Rose in Tideland」
テリー・ギリアム流不思議の国のアリス
時々ひとりで「短いヴァカンス」に旅立ってしまうパパと、
唯一の友達・4つのバービー人形の頭たちと暮らすジェライザ=ローズ。
朽ちかかった家の屋根裏からドレスを取り出し、
金色の草原を泳ぐおかしな潜水艦長に恋をして、
ウサギの穴に落っこちた親友ミスティークを想い、
夜は剥製になったパパを抱きしめて眠りながら、
沼男や幽霊女に恐怖する。
めちゃめちゃピュアで、シュールで、ブラックでグロテスク。
かわいい女の子なのに、
すごくキレイな映像なのに、
どこか気味が悪くて、常に死と狂気のにおいがして、エロティックなの。
子供の考えるコトって、とても純粋な分、驚くほど残酷なときがある。
「本当は残酷なグリム童話」って本が流行ったけど、それと似てて、逆。
好き嫌い分かれる映画だと思うけど。
ぼんやり見てると怪我するぞ!
やっぱりテリー・ギリアムの作る不思議な世界がだいすき。