ニノとオレのトレーニングは昨日のように続いていたが、昨日と違うのは、今日は一日中翔さんが家にいることだった。
午前中は、
ニノが潤さんとの護身術の練習にボロボロになってるのをからかいに行ったり、
オレがコンピュータと悪戦苦闘しながら、マツコさんに教えてもらったりしているのを
楽しんでいたらしい。
お昼に、
ニノとオレが犬のチーズと戯れて遊んでると、
翔さんは目を細めて眺めていた。
「何、翔さん。
おじさんっぽいよ。」
と、ニノが言えば、
オレもニヤニヤしてる翔さんにムッとしてたから、畳み掛けるように翔さんに文句を言った。
「大体、翔さん。
侑李さんの居場所探しに行かなくて良いんですか?」
翔さんはニヤニヤを崩さず、俺たちに言い放つ。
「いや、少年たちが犬と戯れる図がメチャクチャ癒されるんだよねぇ。
大体、今は嵐になってないだろ?
風もいい風だし、侑李は山中組には捕まってないよ。」
「え?侑李さんの居場所と風に何の関係があるの?」
ニノとオレがびっくりして聞き返すと、
翔さんはいかにもしまったという顔をした。
「あ、なんか隠してるでしょ。
ちゃんと教えてください。」
ニノが翔さんに詰め寄る。
「ちっ。やっちゃったな。
まだ、少年たちには早いと思うんだけどな。
ま、いいや。
これだけは話しとこうか。」
ニノとオレはチーズをだきながら、翔さんを挟むように隣に座った。
「昔から風浜が、風が強い地域なのは知ってるな?」
翔さんがゆっくりと話し始めた。
つづく☆