私たちは、酸素を燃やして生命を維持していますが、実は酸素は鉄を錆びさせるように細胞にとっても大敵なのだそうです。
その酸素から大切な遺伝子を守るために、SOD(スーパーオキシドデスムターゼ)という酵素をもっているのですが、下のグラフのように30歳半ばを過ぎると減少し始め、50歳半ばではピーク時の半分になってしまうそうです。
ということは、何か対策を講じないと酸素毒によって遺伝子が傷つけられるというこになるわけです。
では、どうしたらいいのでしょうか・・・
ということで、いろいろ調べていきますと・・・
日経ヘルスにこんな記事が掲載されていました!どれどれ
CoQ10を服用すると血中のarNOXが減少・・・arNOX?
いろいろ調べてみますと、どうやら活性酸素を作らせてしまう物質のようです。
CoQ10は、細胞の中に宿っているミトコンドリア君に多く含まれる抗酸化物質ですから、このグラフは当然といえば当然でしょうね。
つまり、細胞の中でエネルギーを作り出しているミトコンドリア君では、活性酸素が常に発生しているわけですから、常時それを消去しておかないと、ミトコンドリア君自身の遺伝子が傷つけられてしまうし、隣の核さんの遺伝子までそのとばっちりを受けてしまうわけですね。
このミトコンドリア君は、数が減ると老化が進み、数が増えると若返るらしいですよ
ほ~らね
ミトコンドリア君が若返りの鍵って書いてあるでしょ
じゃ、どうやったら増えるのでしょうか
ジャジャ~~~ン
これはかの有名な学術誌「サイエンス」で発表され、昨夜もNHKの番組で採用されていました
同じ年齢のお猿さんを同じ研究所で飼育したのですが・・・明らかに大きな違いが起こりました。
カロリーを制限したCの写真のお猿さんは、Aの写真のお猿さんよりも若く見えますね
体つきもBとDの写真を比較すると、まったく異なっていることがよ~~~くわかります。
しかも、この同じ年齢のお猿さんのミトコンドリア君の数を調べると、な~んとカロリー制限したお猿さんの方がず~っと多かったそうです。
前の産経新聞の記事と照らし合わせると、ミトコンドリア君の数を増やすにはカロリー制限をして運動をすることなんですね。
つまり、それが若さを保つ秘訣ということになるわけです。
それにしてもこのニュートンに出ていたことも興味深いものがあります。
「3.長寿遺伝子が活性化」のところです
sirt1と呼ばれる長寿遺伝子の働きがミトコンドリア君を増やす鍵なんですね
以前読んだことがあるのですが、エピジェネティクスという遺伝子の働きに作用する現象が大きな鍵を握っているそうですね。
その記事は以下のよう内容でした。
かなり長いのですが、気合いを入れて読んでみてください。
「我々は今までゲノムを解き明かせば全てが分かる」と思っていたと1990 年代にエピジェネティックの可能性を説いたロックフェラー大学のデイビッド・アリスは言う。「しかし、いざヒトゲノムが解き明かされると、ゲノムは入り口でしかなくこれから先に大変な難問が控えていた」とアリス氏は言う。
エピジェネティックスとは分子生物学を考える上での基本的方向転換である。DNA は確かに生物を作る基本骨格であるが、DNA の情報はDNA の上を覆う化学物質の層にコントロールされているのが次第に明らかになった。
このDNA 台本の修正はエピミュテーションと呼ばれていて、遺伝子のスイッチを不自然に入れたり切ったりする。別の言葉で言い換えると、DNA と言う生命の台本が重要なのではなくて、その台本を包む包装が重要であるという、生物学的、遺伝学の革命的思考だ。
このDNA をより高いレベルからコントロールしている物質があるとする概念は、大変重要な意味を持つ。卵子が受精した瞬間は遺伝子全部が活躍するのは今まで分かっていたが、その沢山の遺伝子も、胎児が成長して行くにしたがってスイッチをオンにしたりオフにしたりして活動が変化して行く。人間であればこの現象は一生続く。例えばヘモグロビン遺伝子では、胎児の段階では胎児のヘモグロビン遺伝子がオンになっているが、出産と同時に大人のヘモグロビン遺伝子が活動を開始して胎児のヘモグロビン遺伝子はオフになる。これはエピジェネティック的変異により起こされている。受精卵から成長していく過程で、胎児の幹細胞は脳細胞、肝細胞、その他沢山の特化した細胞に分化成長して行くが、そのどの分化成長の過程でもDNA の情報は修正されている。思春期に入ると活動を停止していた遺伝子が急激に活動を開始する。年を取ると今までの経験が我々のDNA の活動に影響を与えるようになる。全てDNA を包む用紙が驚くほど変化して遺伝子に影響している。動物実験によると環境因子である子供の頃の食事、母親のケアーが我々のDNA にエピジェネティック的な変異をもたらすと言う。
過去10 年間にエピジェネティックスへの関心が急激に増しているが、それには幾つかの理由がある。生物学的月面着陸ともてはやされたヒトゲノムプロジェクトは、DNA の台本の全てを読み解くと言う画期的情報をもたらしたが、いざそれを各々の病気の遺伝的要因に結びつけようとすると専門家は当惑したからである。DNA の書き損じ(遺伝子の古典的変異であり19 世紀にグレゴール・メンデルにより最初に導き出された)は最近の”New England Journal 誌”の医療コメンテーターによれば、ほんの一握りの病気にしか説明できないのが分かった。「我々は皆ワトソンとクリックの提唱した螺旋型 DNA の基本モデルから遺伝を学んだ。しかし複雑な生物ではエピジェネティックスがDNA そのものより深く遺伝子の表現や病気の発生に関わっている」とアリスは言う。1990 年代にアリス等は、どの細胞にも一般的に見られるある種の酵素は細胞にエピジェネティックス変異を起こしているのを確認している。
-Newsweek-International editionより抜粋
つまり、老化した遺伝子にある種の物質を与えるとスイッチがONになったりOFFになったりして、若い時の状態に戻ってしまうことが可能になるということなんですね。
遺伝子チップでみてみるとこんな感じでしょう
毎日の運動とある種のブレンドされた成分を10月から摂取していますが、
直後から私のミトコンドリア遺伝子は若返っているようです