その人は
ウユニ塩湖が見たいと言った
二人で訪れ
現実のしがらみを忘れ
太陽に照らされ
神秘さを味わい
子供のようにはしゃぎたかった
わたしは
砂漠を夢見ていた
乾燥した空気に身を包み
さらさらとした粒子に足をとられ
その人と
走ってみたかった
二人が求めていたことは
二人でいたいという
同じことであったのに
二人が見ていたことは
まるで逆の
潤いと渇きだった
「愛」という名を借りて
人間はとてもわがままで
実に自分本位で
その哀しい事実に気づけない
今のわたしは
ウユニ塩湖の眩しさと
砂漠に吹く風を感じながら
その人を思っている