抱きしめたい!! 19(終) | じゅりれなよ永遠に

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じゅりれな・坂道小説書いてます。

(平手友梨奈side)

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そして、一週間後仕事が終わった私は

玲奈さんに会議室に呼び出された。

 

私はノックして部屋に入る。

 

「お待たせしました。・・・え??」

 

なんと、そこには

玲奈さんの他にも、

健さんと三浦さんもいるではないか??

 

いったいこれは・・・

 

「これで、全員揃ったわね。」

 

「なんで、友梨奈まで呼んだんだ??」

 

佐藤健さんが不思議に思っていた。

 

「私の本当の気持ちを、私を好きになってくれた人

に伝えたいのです。」

 

「え??じゃあ、

友梨奈も玲奈の事が好きなのか?」

 

三浦さんは驚いて私の方を見た。

 

え???

 

でも、私は先に振られているんだけど・・・

 

そっか、最後の結末を私にも

 

教えてくれるってことか・・・

 

玲奈さんも律儀だな・・・

 

「こんな至らない私を好きだって言ってくれて

本当にありがとうございます。」

 

玲奈さんは頭を深々と下げた。

 

そして、そのまま続けた。

 

「色々考えたんですが、私はだれとも

つき合いません。ごめんなさい!」

 

玲奈さんは更に深く頭を下げた。

 

「理由を聞かせてくれないか。」

 

三浦さんが優しい口調で囁いた。

 

「私は、やっぱり健さんが好きでした。」

 

「過去形なのかい?」

 

三浦さんが尋ねた。

 

「はい!昨日まで好きでした。

だから、三浦さんの気持ちには応えられません。」

 

「どうして、俺はだめなんだい?」

 

健さんが渋い表情で訊いてきた。

 

「ごめんなさい。私って、

根に持つタイプなんです。

貴方のこと好きだったけど

やっぱり、一度裏切った貴方を許せません。

それに貴方は二度も

女性を裏切ることは出来ませんよ。

奥様とはもう一度話し合って

離婚を思いとどまって下さい。」

 

「玲奈・・・俺は本当に

お前を一番愛しているんだ。

許してもらえないのかい?」

 

健さんは立ち上がった。

 

「はい。私と同じような思いを

他の女性にして欲しくないんです。

ごめんなさい。」

 

その言葉に健さんは

落胆して再び座ったのだ。

 

「私の決断力のなさで

多くの人々に迷惑かけて

本当にごめんなさい。」

 

「わかった、もういいよ。

ありがとう。はっきり言ってくれて。」

 

三浦さんが立ち上がって、部屋から出て行った。

 

そして、健さんも・・・

 

「悪かったな・・・もう一度、

妻と話し合うよ。

そして、今度こそ妻を真剣に愛するよ。」

 

「そうして下さい。」

 

玲奈さんは笑顔を浮かべ

健さんのも笑みが戻った。

 

「じゃあな!おつかれ。」

 

佐藤さんは私に合図をおくって部屋をでた。

 

「玲奈さん・・・

本当にこれでいいんですか??」

 

「うん、いいの!

半人前の私はまだ恋愛は早すぎるよ。」

 

「かっこいいですね。」

 

「え??私が??」

 

「抱きしめてもいいですか??」

 

「え??」

 

「抱きしめたい~~~~」

 

私は力一杯玲奈さんを抱きしめた。

 

玲奈さんは笑顔で

私に抱きしめられていてくれた。

 

その後、佐藤さんは、

奥さんとは離婚せず仕事も続けることに。

 

三浦さんは相変らずモテモテだが、

玲奈さんには未練があるみたいで

未だに食事に誘ってくる。

 

でも、玲奈さんはそれに応じることはなかった。

 

そして、私は相変らず玲奈さんに想いを

持ちつつ世話係を忠実に行っている。

 

今は、まだ振り向いてもらえないけど、

 

きっと、近いうちに彼女の心を掴んでみせる。

 

「友梨奈~~ボヤボヤしない!

はやく、それを片づけて!」

 

「はい、玲奈さん、すません。」

 

今日も私と玲奈さんの一日が始まっている・・・

 

 

―FIN―