その日の夜
友梨奈は夜の学校のプールサイドに立っていた。
月明かりが彼女の黒い髪を照らし、
サバイバルナイフを隠したジャケットが
彼女の体を覆っていた。
彼女は繁華街で偶然、
目に涙をためていた女性、中西アルノを見かけ
気になって彼女の後をつけたのだ。
アルノは小学校の塀を乗り越えプールに向かった。
彼女は、衣服を全て脱ぎ
その肌は月光に照らされて美しく輝いていた。
友梨奈は彼女の動きを注視していた。
なぜ彼女がこんな夜中に
プールに忍び込んでいるのだろうか?
中西はプールに近づいていった。
彼女は静かにプールに飛び込んだ。
水面が波立ち、月光がその波に反射して
幻想的な光景を作り出していた。
プールの中で中西は自由に泳いでいた。
彼女の動きは優雅で、まるで魚のようだった。
泳ぎ終えたアルノは持参したタオルを取り出し
体を拭いていた
すると友梨奈が背後に立った
その瞬間、中西は振り向いた。
彼女の目は友梨奈の目と交差した。
アルノは少しも慌てずに冷静でいたので
友梨奈は驚きと同時に何かを感じた。