ガラスを割れ -Quiet Time-3 | じゅりれなよ永遠に

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じゅりれな・坂道小説書いてます。

中西アルノの瞳には哀しみと決意が宿っていた。

 

「なぜ、こんなことをしているの?」

 

友梨奈はアルノに問いかけた。

 

アルノは微笑んで答えた。

 

「今日、私の大事な人が死んだの・・・」

 

アルノは初対面である友梨奈に話をした

 

自分の父親が会社の

不正を暴こうとしたら不審死を遂げ

恋人がそのことを調べだしたら、

車にはねられ重体。

そして今日亡くなったことを聞いた。

 

彼は社会人の水泳選手だったらしく、

彼の弔いのために泳いでいたのだ。

 

「なぜ、初対面の私に全てを話してくれたの?」

 

「わからない・・・あなたの目を見ていたら

全てを知っておいて欲しいと思ったの」

 

アルノの言葉に

友梨奈は驚きと同時に興味を抱いた。

 

友梨奈はプールサイドに座り込んだ。

 

アルノは隣に座り、水面を見つめていた。

 

「あなたは誰に復讐するつもりなの?」

 

アルノはゆっくりと話し始めた。

 

「私の父と恋人を殺すことを命じた。谷沢徹。

彼は父の会社の社長で汚職で稼いでいるわ、

それと実行犯の倉田哲也と溝口文也。

彼らは反社の人間。金で何でもやる連中

私は彼らを見つけて、

復讐して父や彼に報いたいの。」

 

友梨奈はアルノの目を見つめた。

彼女の瞳には悲しみと怒りが交差していた。

 

「君は運がいいよ。」

 

友梨奈は静かに言った。

 

「私の名は平手友梨奈。殺し屋だよ。」

 

アルノはその言葉に微笑んで返す。

 

「なんでだろう・・・本当にそう思えてきた。

私の名は中西アルノ。」

 

「私に依頼する気になったら、

このアドレスにアクセスして依頼してよ。」

 

友梨奈は内藤が運営する

闇サイトのHPアドレスのメモを渡した。

 

アルノはそれを受け取った。

 

友梨奈は立ち上がり、プールサイドを後にした。