[陸奥一連] 1部 M01~M13 | 蒼穹

蒼穹

歌詞のパート分けしてます。まとめからどうぞ〜。

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ミュージカル『刀剣乱舞』~陸奥一連~ (みちのおく ひとつはちす)歌詞パート分け

1部 ミュージカルパート M01~M12  M13~M16

2部 ライブパート    S01~S09




歌:三日月宗近加州清光蜂須賀虎徹
鶴丸国永水心子正秀大包平山姥切国広

※パート分け、歌詞は予想の段階であり、確証を得るためのものではありません。








      押すと飛べたりします(勝手につけたタイトルです)

 
M01          『華のうてな~問い』
M02          『分かれた袂』
M03          『ねえ』
M04          『古代東北の軌跡』
M05           『蝦夷のうた』
M06     『確かなもの~虚々実々』
M07          『影ふたつ』
M08          『月のひとりごと1』
M09          『月のひとりごと2』
M10          『足跡~落ちたひとしずく』
M11          『飽くなき問い』
M12    『己映す鏡』
M13     『確かなもの~一蓮托生』
M14   『さがしもの~刀剣乱舞リプライズ』
M15   『大河に落ちた種~華のうてな』
M16          『足跡~ほころばない蕾』

※パート分け、歌詞は予想の段階であり、確証を得るためのものではありません。
※ネタバレを多分に含んでいるため、ご注意ください。

 





「う...アテルイ。
なんだ。モレ。
まだ生きていたか。
ははは。当然だ。くたばるときは、一緒と決めただろう。
ああ!
夜が明ければ、やっと...
やっとだ!
...
アラハバキか。神様の登場にゃ、すこーし早くねえか。
それは失礼したなあ。
何の用だ。
何故、負けると分かっている戦に身を投じた。
ははは。聞きてえか。
ああ。

えーーーい!!!
かかれ!!!!!
いやああ。
うあああ!!!」

(アテルイとモレが処刑される)







(三日月)
延々と辿る 泡沫の足跡
咲き誇り枯れゆく はなのうた

しく しく(頻く 頻く)
くれ くれ(呉れ 呉れ)

「ん?...ふっ、ははは。(袖から羽が1枚)」






(鶴丸)
細く微かな光 朝が飲み込んでゆく
深い夜の底ならば 照らし出してくれたか
真っ白な鳥を

魂宿る袂(たもと) 今は別れた袂
はためかせてみても 届きはしない
歌おうか 叫ぼうか

「いや、」
羽をたたみ 耳を澄まそう
欠けて満ちる 音が聞こえるまで...



(大包平) 「しかし、本丸の庭がこんなにも広いとはなあ。
(水心子) 私も花当番を務めるまでは知らなかった。何度も見ていたのに、気にも留めていなかったもので溢れている。確かにそこにあったのに、私には見えていなかった。今はまるで違う庭に見える。
(大包平) 誰しも己が見たいものを見ている。当然のことだ。
(水心子) ああ。
(大包平) 立派な木だな!桜か。
(水心子) この本丸一の古株だそうだ。
(大包平) なぁに!
(加州) やっぱまだ蕾だよねー。
(水心子) 加州に蜂須賀?
(加州) 花当番の引継ぎは順調?
(水心子) 問題ない。
(蜂須賀) 今年は山姥切長義と大包平が担当するときい...
(大包平) 任せろ。この俺が完璧に務めて見せる。
(加州) うんうん。気合十分でいーと思うよ。
(大包平) しかし、これほどに立派な桜が庭の奥まった場所にあってはもったいない。
(水心子) 確かに、ここにあることを知らぬ者たちも多い。
(加州) でもさ、なーんかこの桜、そういう感じが似合ってるよね。人見知りっぽいっていうか?
(蜂須賀) なるほどなあ。
(大包平) 桜に人見知りもなんもあるか。
(加州) そういえばさぁ。刀剣男士が顕現するたびに、桜を一本ずつ主が植えてるって噂、聞いたことあるんだけど。ってことはどっかに俺の桜もあるってことだよねえ。
(水心子) そんな噂があるのか!
(大包平) 初耳だなあ。
(水心子) ......いや、そうすると本数が合わない。
(加州) ふーん。じゃ、ただの噂か。
(水心子) 桜の方が、一本多いようだ。
(加州) .......へー。
(大包平) そろそろ戻るぞ。夕餉に送れたら長谷部がうるさいからな。
(水心子) そうだな。
(蜂須賀) ...清光?
(加州) うん。すぐ行く。」




(加州)
ねえ、教えてよ 知ってることぜんぶ
ねえ、聞かせてよ 知らないことぜんぶ 
手に入れたのは身体と心だけじゃない
思いや言葉 伝えるための口
微笑みで 誤魔化さないで

ねえ、そろそろさ 俺も待つの
限界なんだけど...



(蜂須賀) 「一本多い桜か。」

(審神者) 今年の冬牡丹も見事でした。あなたにわらぼっちづくりを手伝ってもらったと、水心子から聞きましたよ。
(山姥切) 昔随分と教え込まれたからな。
(審神者) そうでしたねぇ。
(山姥切) この本丸も賑やかになった。
(審神者) ええ。あの頃からは考えられぬほどに。
(山姥切) ...出陣か。
(審神者) はい。
(鶴丸) 俺たちをどこに行かせる気だい。
(山姥切) ははは。お前と同じ部隊とは。
(鶴丸) 驚きだよな。
(鶴丸) で、出陣先はどこだい。
(審神者) 平安時代、初期。
(山姥切) ...行けるのか。
(鶴丸) 敵に狙われてるなら行くしかないだろう。場所は?
(審神者) 東北、陸奥の国です。
(鶴丸) なるほどなあ...
(審神者) 行ってくれますか。
(山姥切) 分かった。引き受けよう。
(審神者) ありがとうございます。
(山姥切) その時代の資料は蔵に保管されているか。
(審神者) はい。ですが、残されている資料があまりに少なく...謎に包まれている時代です。
(山姥切) 出来る限り目を通しておきたい。先に失礼する。
(鶴丸) ...ふ。勉強熱心なやつだ。そういうところは似てるんだろうな。ははははは!
(鶴丸) ...さて。道を作ったのはあいつか?...捕まえたらどうする?折るか?
(審神者) 鶴丸国永.....!
(鶴丸) ...なんだい。
(審神者) いえ。
(鶴丸) ...驚いたな。あんたのそんな顔初めて見た。...どーん!といってばーん!ま。俺はいつも通りやるだけさ。




(山姥切)
「古代東北が辿った、軌跡。
大和朝廷から続く、中央政権に伏さない、
まつろわぬ者たちは、蔑みの意味も込めて、蝦夷と呼ばれた。」


(山姥切)
辺境の地 陸奥
静かに息づく命 誇り


(蝦夷)
夏は山の恵みを蓄えて 冬は山の厳しさを凌ぐ
山を登るは鳥の如く 草を走るは獣の如し
季節に身を委ね 風に身を任せ それが全て


(山姥切)
「都の者たちにとって、夷狄の地でありながらも、交易の相手でもあった。
豊富な大地の恵み、特に黄金の産出により、開拓の価値が更に高まる。
里に生きる者たち。山に生きるものたち。
その利害が反したとき、力は衝突する。」


生きてきた土地を奪われたととるか
未開の地を開拓したととるか
互いに向ける憎悪無き、無理解という刃


- - - - -

(蝦夷)
この地に生まれ この地で生き
この地を愛し 朽ち果てる それが全て 



- - - - -
(6人) いざ 未踏の時代へ
(加州) 語られる事実
(蜂須賀) 明かされる真実
(水心子) 虚と実の狭間で
(大包平) 遺された史実
(山姥切) 仮初めの心を連れて
(鶴丸) 出陣の時は今

(6人) 確かなのは刀の重さ 受けた痛み
(6人) 確かなのは流された血 動かぬ躯
(加州) 虚々実々 戦い尽くそう
(6人) いざ 未踏の戦場(いくさば)へ

(鶴丸) 残された数は ただの数字じゃない
(山姥切) 舞い散る美しき ひとひら

(三日月) 幾度巡り 相まみえる 
(三日月) 一連(ひとつはちす)


(7人) 確かなのは己の役割 背負う宿世
(7人) 確かなのはこの肉体 その体温
(7人) 虚々実々 戦い尽くそう
(加州山姥切) 出陣の
(7人) 時は今


- - - - - -

(水心子) 「アテルイらの軍勢は崩壊寸前と見える。
(蜂須賀) ああ。相手は正規軍の大軍勢。少数精鋭とはいえ、これでは勝てない。
(水心子) 共に立ち上がったものたちも思いが違えば、崩れていくんだな。
(蜂須賀) 貫くものもいれば、変わるものもいる。それが心、それが人間だ。
(水心子) ああ。


- - - - - - -

(鶴丸) 「見回り、ご苦労。今のところ、特に動きはないな。
(山姥切) ああ。じきに次の戦が始まる。
(鶴丸) うん。じゃあ、言われている人数分しっかり死んでもらおうかねえ。
(山姥切) 誰も勝てると思っていないのに、戦う、か。
(鶴丸) なまじ、抵抗できるだけの力と武器があったから始まった戦いだ。ま、俺たちがする話じゃないか。ははは。
(山姥切) 物部(もののべ)。
(鶴丸) あ?
(山姥切) 蝦夷らに武器を与えていた部族が物部を名乗っていたという読み本がある。
(鶴丸) 読み本?
(山姥切) ああ。
(鶴丸) そんなところまで勉強しているとはなあ。
(山姥切) ふっ。
(鶴丸) しっ。」


- - - - - -


(モレ) 「ふっ。そこまで射れば熊すら生きてはいない。
(アテルイ) ふん。...いつまでだ。いつまで俺たちは戦えばいい。
(モレ) ....。
(アテルイ) やつらは冬でも腹いっぱいめしが食える。数も多いから、増えるのも早い。上に立つものだって、いくらだって代えがいる。キリがない。
(モレ) ...ああ。
(アテルイ) 行き着く先が、見えない。
(モレ) ...
(アテルイ) それは...!和人の武器だ!
(モレ) ああ。いよぉ!
(アテルイ) ...何をする!
(モレ) 力の差は武器以上だ。
(アテルイ) 馬の上や生い茂った木々の中では仇となる長さだ。
(モレ) はは。そうだなあ!
(アテルイ) もし、俺がここで死ねば、戦は終わるか。
(モレ) 自惚れるなぁ!...見誤るな。まだ死ぬ時ではない。お前も、私もだ。
(アテルイ) 俺はただ、命を粗末にしてほしくはない。
(モレ) 粗末だと。愚弄するのもいい加減にしろ。お前一人、勝手に死なせるつもりはない。
(アテルイ) 昔、似たようなことを言われたな。俺が初めてやつらに弓を引いたとき。確か、月のない夜だった。
(モレ) 耄碌したか。あの夜は、爪で引っ掻いたような月が出ていただろう。
(アテルイ) そうだった、かもな。
ふっ。お前が引いた弓は、もうお前の命一つくらいじゃ償えないところまで来ている。...忘れるな。
(アテルイ) ああ。
(モレ) 体が冷えて適わん。付き合ってくれ。
(アテルイ) モレ。
(モレ) 私に一本取られて悔しくないのか。
(アテルイ) ちっ。
(モレ) いくぞ!
(アテルイ) どっからでもこい。


(鶴丸) 熱いねぇ!ここは任せたぜ。
(鶴丸) 約束ってのは、いつから呪いになるんだろうなぁ。
(山姥切) ...えっ?
(鶴丸) なーんてな。ははは。」

- - - - - -


(山姥切)
伸びる影二つ 弾む息 交わす刀


(鶴丸) 「互いに好きに打ち込んだ方がためになるだろう?
(三日月) ま、俺の負けでもいいんだが。
(鶴丸) おいおい予防線張る気か?
(三日月) ははは。そういうわけではないんだが。」


(山姥切)
与えられた肉体 戸惑いも分かち合い 
強く強く ありたいと願う


(三日月) 「それ!
(鶴丸) いや~刀が馬当番や畑仕事ってのも驚いたが、
(鶴丸) まさか天下五剣、三日月宗近と手合わせとはな。
(三日月) ははは。俺は長くこの世にあるだけの、じじいだ。」


(山姥切)
伸びる影二つ 守り抜くと交わした誓い


- - - - - - -


(三日月)
月は見ている 花が咲くのを 鳥が飛ぶのを 
月は来ている 露が降りる音 風吹き抜ける音

月は忘れんぞ いつか語った約束を



(子と三日月)
「いやだいやだ。いやだ。行きたくない。

迷い子か。
あらはばき。
泣いているのか。人の子よ。
そうかそうか。恐ろしい目にあったのだな、もう大丈夫だ。俺が傍にいる。
とおが、もうすぐ死ぬ。たくさん、燃えて、たくさん、死ぬ。
そうか。みんなのためだって。とおは、笑う。そんなの行きたくない。いやだ。やだ。やだぁ。
すまんなぁ。俺は聞くことしかできない、だが、聞くことはできる。さあ。俺になんでも話してみるが良い。
あのね、あのね。
どうした。
やっぱり、いい。(耳をふさぐ)
たくさんたくさん聞いてきたんでしょ?だから。やひこのは、いい。
(抱きしめる) あったかい。
そうだな。」

- - - - - - - -


(鶴丸) 「戦に乗じて仕掛けてくるとは驚きがないな。
(加州) こっちは潰したよ。そっちは?
(蜂須賀) 戦は滞りなく進んでいる。
(水心子) 蝦夷軍は間もなく壊滅するだろう。
(加州) そっか、それが正史なんだもんね。
(山姥切) 数少ない資料によればな。
(加州) じゃ、これで任務完了だね、隊長。
(鶴丸) そう上手くいくとも限らないんじゃないか?
(大包平) まだ何かあるのか。
(鶴丸) これだけ古い時代だ。望まない驚きが待っていても、不思議じゃないさ。

(三日月) ははは。
(鶴丸) ほーおらなぁ。
(三日月) よう。お前たち。
(水心子) 三日月宗近。
(蜂須賀) なぜここに。
(鶴丸) やっとお出ましか。
(三日月) なるほど、鶴の羽とは...便利だなぁ。
(鶴丸) てめえには聞きたいことがたくさんある。だが...まずはこいつらだ。
(三日月) 気をつけろよ。ここは物騒だぞ。
(鶴丸) やれやれのっぴきならないっていうのはこういうことか。
(大包平) 検非違使...!?
(三日月) 源流に近いこの時代は語られる歴史が少ないからこそ、弱くもあり、強くもある。
(山姥切) どういうことだ。
(鶴丸) つまり、異物である俺たちはすぐにでも狩り対象になるってことだろう?
(鶴丸) 折れるなよ。...さあ大舞台の始まりだ!

(大包平) 蜂須賀...!
(加州) おらおら!
(大包平) これほどとは。
(山姥切) 怯んでいる暇はない隙を見せるな!
(加州) 言われなくても!
(4人で斬りかかるが...)
(蜂須賀) 流石に、強い...(負傷する蜂須賀)
(水心子) 三日月宗近は...
(鶴丸) 今は目の前の敵に集中しろ!
(水心子) すまない。
(鶴丸) ...やるじゃねえか!
(水心子) ...!三日月宗近。
(みな押されていくがなんとか倒し切る)
(加州) あ~~~はぁ。
(大包平) おい。三日月宗近が消えたぞ。
時間遡行軍の気配はなくなったが、別の機会を狙ってくるかもしれない。
(水心子) あぁ。
(鶴丸) じゃあ、一度帰るか。
(4人) え?
(加州) 帰る?
(大包平) 敵も三日月宗近も放って帰るなど、刀剣男士の名折れだ!!!!!!!
(傷を抉る、鶴丸国永)
(大包平) ぬぁっ...
(蜂須賀) やめろ!鶴丸国永!
(鶴丸) ...。(鶴丸を静止する山姥切)
(大包平) うっ....
(鶴丸) 痛いだろう。痛いんだよ、傷を負えば。自分の痛みに鈍感になるな。周りが迷惑だ。本丸へ帰還する。隊長命令だ。
(鶴丸) ......。手入れがすんだら再出陣する。だから、別の部隊を組まないでくれよな。

- - - - - - - -

(三日月)

月は見ている

 「アテルイ、モレはどこだ。」
 「血も涙もない鬼め!」
 「黙れぇい!」
 「我はモレ。その男は、アテルイ。」
 「そんなに死にたいのか。」
 「我こそモレ!」
 「我こそアテルイ!」

月は見ている

 「こんなことをしても無駄死にだ。」
 「戦なき、そんなもの、夢のまた夢。」

花が散る時を

 「田村麻呂様。」
 「そんな世、願ったところで。」

その散り際を

 「...あぁ、寒い寒い。くそぉ!」

月は映すだけ 光を受けて
ただ放つだけ


- - - - - -


(鶴丸)

真白な雪に落ちた 一滴(ひとしずく)の赤
じわりと溶けて じわじわと広がる
真白な雪に落ちた 一滴の涙
誰も気づかず 誰にも気づかれず

雪が積もれば 隠されてゆく
土に残った 誰かの足跡
雪の上には 増えてゆく
彷徨い歩く 誰かの足跡

果て果て どこに向かう足跡なんだい...


- - - - - -


(加州) 「あのさ、えーと...

(大包平) 鶴丸国永!
(鶴丸) よぉ!元気になったか。お。
(大包平) すまなかった。(お辞儀する)
(鶴丸) おう。
(大包平) 鶴丸国永。お前の意見を聞きたい。
(鶴丸) なんだ?
(大包平) 三日月宗近は何故あそこにいた。
(鶴丸) さあなぁ。
(大包平) 主の命か。
(鶴丸) いやそれは違うな。
(大包平) やつは何故そんな勝手が許される。
(鶴丸) ...勝手か。
(加州) 特別なんじゃないの?
(大包平) 天下五剣だからか!
(加州) 三日月宗近だから?
(大包平) 理解できんな。主に無断で動くなど。許されるわけがないだろう。
(鶴丸) ああ。誰も許してなんかいないさ。
(大包平) じゃあ。
(鶴丸) さーて。
(大包平) 待て。まだ話は終....
(加州) 大包平!
(大包平) 何故止める。
(加州) あんたが出てきたってことは、空いたんでしょ、手入れ部屋。
(大包平) は!!!!鶴丸国永!!!
(加州) ちょっとちょっとちょっと!
(大包平) すまなかった!
(加州) ...もう!
(大包平) 加州清光!お前は知りたくないのか。
(加州) そりゃ知りたいよ。当たり前でしょ。三日月が何考えてるのかーとか。他にも。知りたいことは山ほどあるよ。
(大包平) じゃあ...
(加州) でもさ、あるじゃん?今は聞かない方がいいってことも。石切丸に怒られたからね。考えなしにつっこむなって。
(大包平) ...タイマンだ。
(加州) タイマン?
(大包平) 本当に知りたいならそういえばいいだろう。何のために口を得たのだ。知りたいことを放置していたら、結局分からないままだ。
(加州) そうかもしんないけど。俺...
(大包平) すまない。八つ当たりだ。
(加州) え~。
(大包平) このままではやつに到底勝てん。
(加州) 三日月宗近。強かったね。
(大包平) くっ。(はけてまた戻って来る)
(加州) ...わーーー!!!
(大包平) 手合わせ。付き合ってもらえるか。
(加州) もちろん。」



- - - - - - - -

(水心子)

花の香り 歌の調べ 残らなくとも 
そこにあったもの 愛しいと思う心
歴史を繋いできたもの 


「三日月宗近。あなたは何をやろうとしている。答えてもらう!
歴史の流れは大きな川の流れのようなものだとあなたはいった。
歴史の流れの中で、悲しい役割を背負わされているものがいると、あなたは言った。
でも、でも、あなたが守った歴史は、あなたが守った大河の流れ着く先は...
あなたは一体何を守ったんだ。」


流れ込んできた大河に流るる水 
受け止めることは容易ではなく 
全てを知ることは叶わない
それでも それでも

- - - - - - - -

(蜂須賀) 「水心子。水心子。水心子!
(水心子) はぁ、はぁ、はぁ。
(蜂須賀) 大丈夫か?
(水心子) あぁ...転寝とは情けない。
(蜂須賀) 手入れ部屋からここに直行したらしいが。良かったらこれを。
(水心子) わーーー!大福か。あ...いや。ありがたい。
(蜂須賀) ははは。...調べものかい?
(水心子) 検非違使への対処法を考えていた。
(蜂須賀) なるほど。
(水心子) では、遠慮なくいただく。
(蜂須賀) あぁ。
(水心子) ...!うまっ!!!!!あ...あ、いや。ううん。な、なんでもない。
(蜂須賀) はははは。三日月宗近。
(水心子) え?
(蜂須賀) 君が彼の事を探っているのは知っている。
(水心子) いや、探っているわけでは、ただ知りたくて...
(蜂須賀) もどかしいね。彼が何を隠しているのか。俺も知りたいと思ってる。
(水心子) あなたは...虎徹は優しくて強い刀だ。あなたにそういわれると頑張れる気がする。
(蜂須賀) あまり根を詰めすぎるな。明日の朝には再出陣だ。
(水心子) ああ。
(蜂須賀) 源清麿も心配していた。
(水心子) え?
(蜂須賀) 代わりに届けてくれって。
(水心子) あぁ!これ。
(蜂須賀) 黙っておいてくれと言われたから、聞かなかったことにしといてくれ。
(水心子) いつもこっそり支えてくれる。清麿らしい。
ふ。
(水心子) あぁ...!そうか!
(蜂須賀) どうした?
(水心子) 意外だったんだ。鶴丸国永が撤退を選んだこと。彼なら多少無理をしても残ることを選ぶと思っていた。
(蜂須賀) あぁ。
(水心子) あなたは気づいていたのか。
(蜂須賀) ...三日月宗近がいたから、鶴丸国永はためらうことなく一旦撤退することが出来た。全く。この本丸の古参の方々は何もかも一人で抱え込もうとする傾向がある。不愉快だ。
(水心子) そうだな。
(蜂須賀) ふふ...では、ほどほどにするんだよ。
(水心子) あぁ。」

- - - - - - - -

(加州) 「ねぇ。夜食作ったんだけど、一緒にどう?好きなんでしょ、夜鳴き蕎麦。
(山姥切) 頂こう。(お椀を加州から受け取る)
(加州) 頂きます。
(山姥切) ...。ずずず。
(加州) ...ずずず。大包平ってさぁ。面白いよね。
(山姥切) 暑苦しいの間違いだろう。
(加州) 手合わせもしつこくてさー。誰かさんの影響かな。
(山姥切) めんどくさいと思うなら、そうはっきり言え。
(加州) 出陣先で随分と世話になったんだってね。
(山姥切) ...ずずず。
(加州) あのさー、.....教えて欲しい。
(山姥切) 三日月宗近のことなら俺ではなく鶴丸国永に聞け。
(加州) いや。
(山姥切) 何が知りたい。
(加州) あんたや...三日月が抱えてる哀しみってやつ。
(山姥切) ...。
(加州) この本丸の桜の木。どうして一本多いの?
(山姥切) ...。
(加州) 俺も蜂須賀もこの本丸じゃ割と古いけど、それよりも前のことって、なんていうか。ううん...
(山姥切) ...。
(加州) 聞いちゃダメなんだと思ってたから。タイマンだってさ。
(山姥切) タイマン?
(加州) そう。あいつが。酷くない?
(加州山姥切) ふふふ。(ははは。)
(加州) とにかく、俺は知りたいの。
(山姥切) ...わかった。
(加州) ...え?
(山姥切) 間もなく再出陣だ。無事に戻ってきたら話してやる。
(加州) ほんとに?
(山姥切) あぁ。
(加州) 絶対だからね。約束だよ。
(山姥切) ふっ。
(加州) ずずず。うーん。ごちそうさまでした。
(山姥切) うまかった。
(加州) お粗末さまでした~。」


- - - - - - -


(山姥切) 音もなく更けゆく 空に残された爪痕 この手が届くはずもなく
(大包平) 未熟さと向き合う夜 見下ろしてくる細き月 今に追いついて見せる
(水心子) 欠けた月の欠けた部分 覗き込んでも何も掴めなくて
(蜂須賀) 今の己の足りぬ部分 埋めようとして足掻き藻掻くだけ

(鶴丸) やっとここまできたのか
(加州) 知るべきか
(鶴丸) もうここまできてしまった
(加州) 知らざるべきか

(6人) 見上げれば 己映す鏡
(6人) そこにあるのに遠い

(鶴丸) 音もなく始まる朝 いつの間に消えた月の剣 この手から逃れるように
(三日月) 光当たらぬ欠けた部分 覗き込みたければ近こう寄れ
(鶴丸) 心の奥の欠けた部分 埋めようとして足掻き藻掻くだけ

(三日月) やっとここまできたのか
(鶴丸) 追うべきか
(三日月) もうここまできてしまったのか
(鶴丸) 追わざるべきか

(鶴丸) 見渡せば 心映す花
(三日月) (ah 心映す花)
(鶴丸) 見上がれば 己映す鏡
(三日月) (ah 己映す鏡)


(鶴丸・審神者) 「ははは!
(鶴丸) 落ちこぼれ?誰が。
(審神者) お恥ずかしい話ですが。
(鶴丸) それでなんで桜になるんだよ。
(審神者) 聞かれたんですよ。好きな花は何かと。
(鶴丸) で、桜と答えた。
(審神者) はい。そうしたら提案されたんです。新しい刀剣男士が顕現するたびに桜を植えていくことにしようと。
(鶴丸) 言い出しっぺはあいつかぁ。
(審神者) 私は審神者の役目を仰せつかった後も、どこかで覚悟が足らなかったのです。私のようなものが力を従えることを怖れていました。そんな私に言ってくれたんです。僕たちは、"君の愛で咲く花だから"。と。
(鶴丸) ......なるほど。
(審神者) 驚きましたか?
(鶴丸) いや。...納得したよ。たまには昔話も悪くないなぁ。
(審神者) えぇ。
(鶴丸) だが俺と主だけで話すのは勿体ないだろう。
(審神者) 鶴丸。
(鶴丸) ま、約束はできねえが...善処するよ。
(審神者) 頼みます。
(山姥切) ...主。
(審神者) どうしました。山姥切国広。
(山姥切) 隊長は......俺でいいか。
(鶴丸) おぉ。立候補とは珍しいな。
(山姥切) その方がお前も動きやすいだろう。
(鶴丸) あぁ。助かる。
(審神者) では、あなたにお願いします。
(山姥切) 分かった。
(鳥の泣き声)
(山姥切) 梅が丁度見ごろだなぁ。
(審神者) えぇ...。いい香りがここまで届いています。
(鶴丸) ああ...いい匂いだ。


(鶴丸) ...さあ、もう一度行かせてくれ。
(審神者) 隊長は、山姥切国広。
(鶴丸) 任せてもらおう。
(審神者) 必ず。無事に戻ってきてください。
(6人) あぁ。」


- - - - -



(鶴丸) 残された道はただ一つ 前進
(山姥切) 後戻りなどする気はない 
(蜂須賀水心子) 幾度だろうが
(加州大包平) 立ち上がる
(6人) ひとつはちす

(6人) 出陣の時 再び


(蜂須賀) 「さあ行こう、俺たちの戦場へ」
(加州) 「おし、出陣だ」
(山姥切) 「いくぞ。」
「おう!」

- - - - - - - -

(水心子) 「投降したアテルイとモレが、坂上田村麻呂に率いられ都に連行されている。
(山姥切) 正史通りだ。
(鶴丸) どうやらしっかり留守番してくれてたみたいだな。
(山姥切) あぁ。
(加州) 二人揃って投降かぁ。
(蜂須賀) あぁ。
(大包平) 早速来たようだな。

(山姥切) 一気に駆逐する。
(6人) おう!
(山姥切) 参る。


- - - - - -

(大包平) 「待たせたな。
(加州) あとは任せてよ!
(鶴丸) へぇ。気合入ってんねぇ。
(田村麻呂) お前たちは...
(鶴丸) 敵じゃないから安心しな。
(大包平) 蝦夷でもないぞ。
(田村麻呂) 見たこともない剣技。しかも滅法強い。どこで学んだ。
(鶴丸) どこだっていいだろう。俺たちは、あんたを守る。それだけだ。
(水心子) 大きな被害はないようだが。
(加州) みーんな逃げちゃったね。
(田村麻呂) 情けない。見つけ出して血祭にあげてやる。
(アテルイ) 命を大事にすることは情けないことではない。
(護衛) なにぃ!
(アテルイ) まぁ、腑抜けだとは思うがな。おい。逃げちまうぞ。
(護衛) ほれ、いけぃ。
(鶴丸) さーてどうする?都までまだあるぞ。
(鶴丸) いや...これっぽっちの兵じゃ、ちょっと心許ないんじゃないか?
(田村麻呂) 急ぎ都から...
(山姥切) 俺たちが護衛を引き受けよう。
(田村麻呂) はぁ?
(大包平) 名案だな。俺たちはお前より遥かにつよーーい!
(加州) こーんな贅沢な護衛、断る理由ないでしょ?
(田村麻呂) 腕が立つのは確か。よーし、どこの馬の骨だろうが、役立つものは使う主義だ。
(山姥切) 任せてもらおう。
(鶴丸) よーし。
(田村麻呂) アテルイとモレの縄は解いておけ。
(護衛) いやしかし...
(田村麻呂) 大丈夫だ。やつらに逃げる気はない。己の足で歩かせろ。
(護衛) はっ。
(加州) さっすが大将軍。
(田村麻呂) 行くぞ。
(加州) はーい。
(山姥切) さっさといけ。(鶴丸に対して)
(鶴丸) ああ。
(山姥切) 水心子正秀。お前もいけ。
(水心子) え?
(山姥切) 何を仕出かすか分からないからな。監視だ。
(水心子) あ、あぁ。
(蜂須賀) 優しいよね、君も。
(山姥切) 何の話だ。
(蜂須賀) いや。」

- - - - - - -

(加州) 「ねぇ。なんで逃げなかったの?
(アテルイ) 何故、逃げる。
(加州) 都へ行ったら...
(アテルイ) 死ぬだろうな。
(加州) うん。
(アテルイ) だったら尚更逃げるわけにはいかない。この命をどう使うか。間違うわけにはいかないからな。
(加州) そういうこと言ったやつ、他にも知ってるけど、ずるいよねー。
(アテルイ) ずるい?
(加州) そう。カッコつけて、先に行っちゃう。
(アテルイ) カッコつけか。ふっ。カッコつけで何が悪い。
(遠吠え)

(アテルイ) 陸奥に生まれ、ただ懸命に生きてきた。そいつらの明日を守るために、俺は俺を使い切ることにした。
(加州) 使い切る?
(アテルイ) この心臓が動く限り、俺を使って、使って、骨も皮も臓物も使い切って、最後は...土に還る。それをいつか誰かがカッコいいと言ってくれるなら、俺の死は悪いものではない。
(蜂須賀) それがあなたの生き方か。
(加州) かっこいいじゃん。
(蜂須賀) ふふふ。目を凝らせば見えると思っていた。
(加州) 蜂須賀?
(蜂須賀) 日の光に沈む、星の話だ。でもどうやったって見えないんだ。日の光は強いからなぁ。たとえ埋もれても、見たいと目を凝らすものがいる。それでも見えなければ飛び込んで、潜って、きっと見つけ出す。
(アテルイ) そうか。
(蜂須賀) あなたの物語はいつかきっと、誰かの暗闇を照らす光となる。
(アテルイ) ははは!いいねぇ。...食え。
(蜂須賀) あ、あはは....

(田村麻呂) 蝦夷を率いていたお前たちの罪は重い。ただの斬首で済むとおもうな。この上ない惨いやり方で処刑され、その首は晒される。
(モレ) 望むところだ。都中が恐れ慄き、決して忘れることが出来ぬほどの残酷さをもって我らを葬ってくれ。それでこそ、この長き戦の幕引きに相応しいだろ。
(田村麻呂) お前たちにとって、森を守ることが生きることであるように、俺たちは土地を切り開くことが生きることだ。平行線なんだよ。
(モレ) あぁ。
(田村麻呂) 終わらせるためにはどちらかが圧倒的強者になるしかない。もしも... 
(モレ) なに?
(田村麻呂) もしも...
(モレ) もしもは。ない。」


(アテルイ) この地に生まれ この地で生き 

(モレ) 「はは。やはりあいつの歌はひどい」

(アテルイ) この地を愛し 
(アテルイ・モレ) 朽ち果てる それが全て
(アテルイ・モレ) この地に蒔かれ この地で芽吹き 
(アテルイ・モレ) この地で咲いて 朽ち果てる それが全て


(大包平) もしものあとは、なんと続けるつもりだったんだ。
(田村麻呂) 盗み聞きか。...もしも出会い方が違っていれば。もしも、味方同士であれば。もしも、戦いなど無い世界であれば。なーんてな。ははは。
(大包平) 笑ってごまかすな。
(田村麻呂) 今のは忘れてくれ。
(大包平) 残念だったな。俺は物覚えが良い。
(田村麻呂) そいつは参ったな。」

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※パート分け、歌詞は予想の段階であり、確証を得るためのものではありません。
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