週の半ば、火曜から木曜、2泊3日で関東視察に出かけた。


学校の求人票をめくっていて、とりあえず全国規模で興味を持てそうなところ、つまり、




*美容・リラクゼーション的なオイルマッサージも鍼もできるところ




を探していると、やっぱり関東が多かった。


長期で休める時でないと関東に行く機会もないし、


関東の友達にも長く会ってなかったので


前期追試験期間の休み中に治療院めぐりと称して


遊びに行こうと考えたのだ。




都会の治療院はどこでもホームページがしっかりしているので


ある程度雰囲気はつかめていた。






一件目は都心部からは少し離れた地域にあるところ。


HPを見た限り、ここが私の理想にはかなり近くて、


雰囲気は以前私がバイトしていたところのような


「リラクゼーション店」。


照明や看板、名称、メニュー、スタッフの雰囲気も「治療院」ではなく、「店」。


しかし、しっかり鍼治療も行えるようになっている。


メニューの中には「相談コース」なるものがあって、


症状をしっかりお伺いした上で、どういった施術がベストか一緒に選ぶ、というものがある。




そうそう、私がやりたいのはこういうの!!!


目的=お客さん(あえて、患者さん、じゃなく)の心地よさ、きもちよさ


のために、


自分の持ちうる手段を自由に組み合わせて提供できる、


鍼やマッサージといった手段が先にありき、じゃなくて。






問診票のスタイル、スタッフの服装一つ、言葉づかい一つ、ベッド上での体位変換時の声かけや枕、アイマスク一つとっても


「癒し」を感じられる雰囲気づくり。




私はどうして世の中の多くの治療家たちが


味気ない○○治療院っていう名前をつけ、


味気ない服装をして、味気ない照明・ベッド・治療室で、


ただ「治すことが唯一絶対の目標」としてやっているのか、


まったく理解できない。




(そして、そのほとんどが、だいたい「治す」ことなんてできてない…)




よっぽどの技術と経験を持つ、一部の先生ならわかるけれど、


そうでもない人たちが、そんなに簡単に「治す」ことなんてできるわけないし、


そもそもこっちもそこまで「完璧に治ること」を期待してない。


でも、「行ったら気持ちいい、疲れた気分がアップする」ってことは


期待してると思う。


そのために必要なものは、こういう形だと、どうしてみんな思わないんだろう…






実際に行ってみて、お店の居心地のよさ、


それにプラス痛くないけどしっかりと全身を治療してくれる鍼治療、


先生の価値観や人柄。




おーーー!!!


まさにコレ!!






先日まで大本命だと思っていた女性院長の治療院で感じていた違和感がはっきりした。




もともと鍼嫌いの私は、やっぱりあんまり深い鍼を打ちたくも打たれたくもない。


私は浅い鍼や遠隔の鍼で効果を実感できるし、


先生たちも「全身治療の必要性」をあんなに説いてくれてたのに、


あれれ、やっぱり臨床では西洋的に筋肉に部分的に打つものなのかなー、っていうはずれ感。


どうしても体がここちいいと感じない接骨院もみ。


明るすぎる店(院)内。


それから…




すべてが、このお店では私の理想どおりだった。


マッサージを担当してくれた若い新人さんの技術はまだまだだったけど、


少なくとも、じんわりとした指圧中心のやり方は、私の好きなスタイルだってことが


よくわかった。




そして山、海のスポーツをする先生。


私より一つ上の男性だけど、きちんと子育てにも関わり、家族生活を大切にしている姿勢。


ビジョンや考え方はしっかりしているけれど、がんばりすぎてる感や


人におしつける感じではなく、


あくまでも「静かなる闘志」的な雰囲気。




私はどうも、がんばりすぎている人は、価値観が似ていても苦手らしい、笑。


たぶん、自分がそうなりがちだから一緒にいてしんどいんだと思う。


もう少し楽に気が抜けたり、でも静かだからこそ逆に尊敬できたりする人が


上司の方がいい。






前職であまりにも同僚や上司、職場の人間関係に恵まれなかったので、


次に人の下で働く時にはどうしても、


自分より賢くて技術もあり、絶対的に尊敬でき、


それでいて、こんな私を受け入れてくれ、


ざっくばらんに話ができるような人や環境のもとで働きたいというのがある。




この先生はまさにそのまんまだった。


聞いてみると先生も親が先生だと。


それでかー。


人を育てるっていう基本的な資質があるんだろう。




そして私のこういうちょっと変わった性格を気に入ってくださった。


これは、私にとっては本当にありがたいこと。


なかなか、人から受け入れられるスタイルではない、けれど、


合う人は合う、ってことをよくわかってるから。






「そういう好き嫌いがはっきりとしたところは好きですね。


うちに就職しなくても、開業するなどで何か相談等あれば


いつでも連絡ください。」






そう言ってくださった。


私と同じスタイルで生きている人だ、と思った。




こういう風に価値観を同じくする人を大事にして生きていきたい。


だから大学時代や働きだしてから知り合った友達でも、


数えるほどしか会う機会はなくても、つながっている子はずっとつながっている。


男女に限らず。






帰る時は




「近くにあったら…」




と悔しい思いを口にして握手をして別れたけれど、


本当はもう、その時から心は決まっていたんだろう。




何か物事を始める時の、私の直感力が、もう、動きだしていた。