今回の関東視察を経て、自分の方向性がよりはっきりとした。
私にとってはやはり「症状を治す」ことが唯一絶対の目標ではない。
治療そのものの気持ちよさや、そこへ足を運んだことでの
リラクゼーション効果が一番大事。
つまり、
「癒しと治療のスキマ産業」
だって、本来人の体を治すのはその人の持つ自然治癒力だもの。
治療家の役割はそのお手伝いをすること。
体と心が10ずつ疲れているとする。
body:-10
mental:-10
TOTAL:-20
これをたとえば関東Cのような腕のある先生の治療院へ行ったとすると
体は0に戻っても、精神的には癒されない、というより私だったらマイナスだ。
body:0
mental:-15
TOTAL:-15
もちろん体が元気になったことで心の健康も徐々に取り戻せるかもしれないが、
自力で体を治す力は養えず、毎回そこへ通い続けて体の疲れを0に戻すことしか
能が無くなる。
さらに心の回復にはほかの何かを要する。
私がしたいのは体の疲れは半分くらいしか治せなくても
心を+にまで回復させて、本人の力で残りの体の疲れを回復させるお手伝いをすること。
body:-5
mental:+5~
TOTAL:0~
もちろん、自分の技術の改善を図ってbodyを0に近づけていく努力は惜しまないつもりだが、
人間にとって本来のぞましい姿とは、
私たちの働くような場所に来なくとも、自分自身で体も心も心地いい生活を営めることだ。
ヨガや波乗りを始める前まで、私はしょっちゅうマッサージに通っていた。
いかないと体がしんどくてがんばれなかったし、
ほかに心が晴れるものはクラブくらいしかなかった。
ダンスはずっとやっていたけど、体のバランスが悪かったので
余計に腰や脚が痛かったのだ。
けれど、ヨガで体のバランスを整えるようになると
ダンスをしていてもそんなにどこそこが痛むということが減っていった。
さらに波乗りを始めると体は疲れることはあっても
心が健康になって体の回復力もアップしたから、
マッサージに行くことはほとんどなくなった。
まあ、一人波乗り中毒になって、お金はだいぶつぎ込んだけど、笑。
つまり、病院と一緒で、本来私たちのような仕事は
来る人が少ない方が、社会として、人間の幸せとしては、のぞましい状態で。
でも、人は誰でも心や体が疲れてしまうし、
私にとってのヨガや波乗りのように、自分の健康を自力で調整できる趣味を必ずしもできる人、時、ばかりではない。
だから、手っ取り早く、一時的なサポートとして、
私たちのような者が必要なんだと思っている。
だから、最終的に私たちが目指すべきものは、
患者さん(=治したい病を抱えている人)が、
↓
お客様(=手っ取り早く癒されたい人)に変わり、
↓
その人が自分に合った自然治癒力アップ方法を見つけて
足が遠のいて行くこと。
なんだと思う。
だから趣味を探すお手伝いとか、ヨガやストレッチなど
自分でできる療法を教える教室とか、
そういうこともしていきたい。
で、来てくれなくなったらそりゃ、こっちとしては困るわけだけど、
この世の人々みんなが常に健康ばりばりって状態じゃないわけだから、
本当にいいものを提供していれば、
その人からほかの疲れた人に話が伝わったり、
その人がまたしんどい状態になってしまったときに来てくれたり、
っていう形で、やっていけるのが理想だと思う。
ま、あくまでも青二才の理想論だけど。
だけど、やっぱりこれが、自分が体験してきたことを他人にも伝えて人を幸せにしたい、
っていう、私の仕事に対するスタイルだから。
現実の苦しさに負けそうになってもこの初心に戻ってがんばっていきたいな。