夜中に日記を書くな、に背いてみる | aqua-moon

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水野理紗
声優*ナレーション*舞台
水月 秋
書きもの*シナリオ*小説

これはただの私の雑感です。




こういう先の見えない不安な時だからこそ
本質のようなものが見えてくる瞬間がある。

たった数ヶ月前には
思いもしなかった死の影が
思いのほか身近にあると知って、
普段、消えたい、死にたい、と言っていたひとが、マスクやアルコール消毒がない!と大騒ぎしたり、ドラッグストアに駆け込んだりするのを見ると、やっぱり死にたくないんだ、それが本音だよね、と思う。
いざ身近に迫れば、生きたいという本音が出てくる。
それが人間の、生き物の、本質なのかなと。

✳︎✳︎✳︎

新型コロナウィルスは
巧みに人間を「壊して」いく。
疑心暗鬼にさせ
ものごとを停滞させ
自由に動けないように止めてくる。


先が見えないことは
どれだけストレスになるのか。
ただでさえ
自ら動かなければ死んでしまう
そんな生き方をしている人にとっては

停滞は死にも等しい、かもしれない。

それでも止まれと言われてしまう苦しみ。
そこに必死に意味を見つけようともがくしかない。
でも海で溺れそうになったら、もがくより、
何もせずじっと身を委ねるのがいいらしい。

✳︎✳︎✳︎

停滞する世界で、絶えず
未知のウィルスを解明すべく、
また治療のために
懸命に戦ってくれている人々がいて、
本当に頭が下がる。

彼らは間違いなく救世主なのだけれど、
彼らへの負担を少しでも減らすよう、
感染しないように日々を過ごすことくらいしか
素人の私にはできない。
せめてそれを、精一杯しよう。

✳︎✳︎✳︎

人間がどんなに停滞しようと、
いろいろなものが壊れようと、
春がきて桜が咲いている。

3.11の時もそうだった。
たくさんの方が亡くなって、破壊されて、
悲痛に沈む私たちに構わず、
桜は咲き、春は訪れた。

もちろん季節の巡りに心を励まされもしたけれど、同時に思い知らされる。
私たちはただ、地球に生かされている存在だって。
我が物顔で支配してきたけれど、
そうじゃない。

制御しているのではなく、されている。

凪から解放される時はくるのか。

今はただ、あてもなく。