今日2011年1月10日は「成人の日」でした。
新成人のみなさんおめでとうございます。
総務省の人口推計によると今年の新成人は約124万人(男63万人、女61万人)で、昨年より約3万人少なく、4年連続で過去最低だそうです。
総人口に占める新成人の割合は、0.97%で、初めて1%を割り込んでいます。
仕事がら、投資というものに余裕のない20代の人たちとの接点はあまりありませんが、これからはもっと話をする機会があればと思っています。
なぜなら、君たちは日本の将来を我々が今まで背負ってきた何倍もの負担を背負ってこれから担っていく期待のルーキーたちだからです。
失われた20年を成人するまでの人生として歩んできた君たちに、今日はメッセージを送りたいと思います。
君たちが生まれた1990年は、バブル崩壊の兆しはあったものの大半の人はまだ楽観的にバブリーな生活をしていました。
Gは当時26歳で、アメリカ西海岸への赴任が決まり、一回目の結婚もした年でした。
つまり、君たちのお父さんお母さんはたぶんGと近い年齢ということです。
サラリーマンとしてはまだ駆け出しのひよっこだったGは、アメリカへの赴任と結婚を契機に、当時はやっていた今は死語ですが「ヤンエグ (ヤング・エグゼクティブの略です)」という言葉に憧れて出世街道を目指す血気盛んな若者でした。
普通のメーカーに勤めるサラリーマンでしたから、収入はそんなに無かったですが、いずれは重役になるエリート社員だと自負していましたから、めちゃくちゃ仕事はしていました。
その分、遊びもむちゃくちゃしましたが・・・。
DINKS(Double Income No Kids)というのも流行でしたので、子供はすぐには作りませんでした。
1985年~1990年の間というのは、本当にみんな浮かれていて子供を作る間もなく遊んでいたのです。
なので、君たちは多分かなりラッキーなベイビーたちだったに違いありません。
思い返せば、あの頃結婚するしないに関わらず、もっと多くの人たちが無駄に仕事をしたり遊んだりするよりも子供を作っていれば良かったのかもしれません。
少なくとも、そうしていれば失われた20年に、無駄な投資をしなくて済んだかもしれないからです。
無駄な投資とは、自分たちがのし上がるためにあがいて無理に仕事に打ち込んだり、失われたものを何か物質的なもので埋め合わせようとするような無駄な消費のことです。
君たちのお父さんお母さんは、まさにベストのタイミングで、君たちに対する20年の積み立て投資を始め、今までやってきた事になります。
これから君たちが、その果実を実らせていき、投資をしてくれたご両親にリターンを与える番です。
この失われた20年の間に、君たちのご両親が与えてくれたものは、生半可なものではなく、まさに、自分たちの一部を削り取った犠牲に基づく投資だと認識してほしいと思います。
これから先、君たちを待ち受けている将来は、残念ながらさらに過酷なものとなるでしょう。
でも、ものは考えようです。
Gを育てくれた両親は、昭和初期の生まれですから、日本が太平洋戦争ですべてを失った時期を経て、高度経済成長期を担ってきた人たちです。
もし、君たちがこれから先すべてを失うようなことが起こったとしても、必ずそこから這い上がることはできるはずです。
これから先もう一度、君たちが生まれた頃のバブルが起こることは、まず無いと言っていいでしょう。
その代わり、もし、その状況をちゃんと冷静な目で見、理解し、判断できる能力が君たちに備わっているのであれば、明治維新や、戦後のような改革や革命に近い自分の能力を試せるチャンスに巡り会うかもしれないのです。
はっきり言います。
今までの20年は忘れなさい。
これから先20年の事を、君たちの曇っていない澄んだ目で見極めてほしい。
Gもその答えがほしいのです。
できれば君たちのように、若々しく、行動できる瞬発力や、気力もほしい。
でも、君たちの未来は君たちが築くべきです。
おっさんの力は、君たちを守ってあげられるほど強くありません。