藤巻健史さんの「日本大沈没」 明るい未来を迎えるための資産防衛術・・・を読みました。
円安を推奨し、ハイパーインフレもしくは財政破たんを予見する藤巻さんの意見には大筋賛同できるものがあります。
読んでみて損は無いと思います。
今後、藤巻さんが語るようなことが実際に起こったとしても私はそれほど驚きはしないでしょう。
日本という国の経済システムは、今や中国以上に社会主義的であり、そのことによって起こっている金融の常識に外れる為替、インフレ率、国債の発行高などの関係に見られる異常値が、一種のねじれであって、「本来は資本主義の自由経済において長期金利上昇という警告機能が働いて自然に調整されるべきものがそうならないおかしな世界」という洞察には、藤巻さん流の面白さがあり、かなり自分自身の感じている違和感を説明してくれたように思います。
私流にいうならば、
「国民がやけくそになって、もっと消費をすれば、良い意味でインフレの起爆剤になるのではないか?」
・・・ということも感じました。
このまま黙って、財政破たんや、ハイパーインフレを待つよりは、どうせ銀行や金融機関に預けておいても無くなってしまうかもしれないお金ならば、ぱーっと消費しちゃいましょう。
そうすれば、日本の景気は良くなるし、結果としてインフレにはなりますが、企業の収益も上がるだろうから、給料も上がるでしょうし、雇用も促進されるはずです。
1000兆円もあると言われる個人資産の大半は日本国内の金融機関に静かに眠っています。
一般的には、この資金が日本の借金の担保となっており、それによって日本国債や日本円の信用が保たれていると考えられますが、自分の稼いだお金、しかも所得税を納めた後のお金を、なぜ他人の借金の担保として、殆ど金利もつかない銀行に黙って眠らせておくのでしょうか?
来月にでもそのお金が無くなってしまうということがはっきりすれば、誰もがお金を下しに行くはずです。
下すことはできないが消費することはできるとすれば?
やはり消費できるだけ消費するでしょう。
これは、自分がいつ死ぬかわからないという話にも似ているような気がします。
もし、自分の命が1年しかないと判ってたら、お金などいくら銀行に置いてあっても、相続で後に残された人が困るだけで、何の役にも立ちません。
それならば、生きているうちに有効に使ってしまおうと考えないでしょうか?
私が、税金を自由に決めることのできる立場であれば、1年間消費税をゼロにして、翌年から30%にすると発表するかもしれません。
もしくは、金利をマイナスにする政策を打ち出すかもしれません。
マイナス金利とは、銀行に預けておくと、年マイナス1%とかお金が減っていく仕掛けです。
そこまですればさすがに銀行にお金を置いておく人は少なくなり、市場にお金が流失して景気が良くなるはずです。
もちろんインフレにはなると思いますが。
「相続くん」という、相続税のかからない投資商品を作るのも良いでしょう。
その代わり、これもマイナス利回りで、最低10年物とか。
とにかく、国内の日本人による消費が活性化しないことには、前向きな経済政策は成り立ちません。
海外で日本製品がもっと売れるためにも、日本人がもっと自ら買わなければダメです。
アジアの国々では、日本人のライフスタイルはまだまだ憧れの的です。
日本人が好んで買うものを、彼らも買うのです。
民間主導の「ミニバブル発生装置」を起動するというのが、私の提案する財政政策です。
もちろん、一部の資金はちゃっかり海外に逃がしておくことは忘れてはなりません。
日本のクレジットカードで行う、オフショアへの積み立て投資も消費のひとつには違いないのですから。