Black Lagoon(ブラックラグーン)の世界 | Mr.Gの気まぐれ投資コラム

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50代グダグダちょい悪おやじMr.Gの趣味と海外投資に関するコラムです。
香港を拠点に活動する個人投資家であり、自称「投資戦略予報士」Mr.Gがお伝えする海外投資の生情報。
ねだるな勝ち取れ、さすれば与えられん!


Black Lagoon(ブラックラグーン)というアニメを友人に「Gさんきっと好きですよ~」と勧められて、1~24話+第3季1~5話をダーッとみ終わった。

(ちなみに中国語では「黑礁」で検索するとPPS影音や風行電影で出てきます。)


感想としては、友人の言った通り私は楽しめたが、子供には絶対に勧められない「教育上極めてよろしくない」作品と断言できる。


オトナでも、抵抗力の無いひとには重いと思う。


タイに存在すると思われる架空の都市ロアナプラを舞台に、魚雷艇(ブラック・ラグーン)を駆り、荒事も請け負う運び屋(ラグーン商会)と、元ソビエト空挺団崩れのロシアンマフィアや香港三合会、イタリアンマフィア、暴力教会と呼ばれるシスターだけど武器商人など、いわゆる裏社会の極悪中の極悪人たちが繰り広げるかなりたちの悪いクライムアクション。


銃器や爆弾など武器が頻繁に登場し、一部のシーンにかなり残酷な描写、一部の人物の言動に表現上の問題、そして社会的な問題描写も見られる。


主人公のツーハンド(二丁拳銃)ことレベッカ(Levy)が愛用するのは、べレッタM92FS INOXのカスタムで「ソード・カトラス」と呼ばれており、「天才バカボン」に出てくるおまわりさん並みに弾を撃ちまくる。

レベッカの言葉遣いは、「これだけよく汚い表現ができる人間が存在することが信じられない」というレベルのもので、特に暴力教会のエダとの会話は聞くに堪えない。


実質的な物語の語り部というか主人公とも言える日本人のロックこと岡島緑郎は、元一流企業のサラリーマンだが、1話にてレベッカに人質に取られたのをきっかけにロアナプラの住人となる。


この一見破壊と暴力に満ち溢れたドラマの中にぼんやり浮かび上がる主題は、このロックの裏社会にはそぐわないバックグラウンドと自分の中に芽生える悪魔的欲求という矛盾した存在そのものと、表と裏の世界の狭間で生まれる心の中の葛藤、そして自分の中に存在する悪の覚醒といった部分に集約されているとも言える。


特に、第3季(3rd season)では、登場人物中いちばんまともと思われたロックの中で覚醒する悪魔的欲求が描かれている。


「世の中には綺麗ごとではすまないことがある」・・・そんなことは誰でも理屈では知っているが、もし、「綺麗ごとでない」ことしか存在しない街があったら、どんなところだろう?


それがロワナプラだ・・・。


そしてそのロワナプラという破壊と暴力に満ち溢れた裏社会の悪党のたまり場を舞台にしたこの作品は、人間の本能に基本スペックとして備わっているタナトス(破壊欲求)や、〝綺麗ごとではない″人間社会の現実を露骨にそして見事に描ききっている。