ママンのお財布の中に

5000円札一枚しか入っていない事を知ってしまった息子

ママの全財産が5000円しかないんだと

心から不憫に思ったようで

おもむろに自分のお財布の中から

5000円を取り出し

「ママ、可哀想。お金ないんでしょ?これあげる!」

と、突然くれましたポーン

「この5000円があれば、あなたの好きなベイブレードがいくつ買えるのか知ってるの?」

と、聞いてみると

「3個ぐらいでしょ?でもいいの。」

だそうなニヤニヤ

3年ぶりに帰省した広島で

たんまりお小遣いをもらって帰ってきた事もあり

息子のお財布には

普段ママンがお財布の中に入れているお金より

はるかにたくさんのお金が入っています。

でも、5000円は大きい…。。。





息子からお小遣いをもらう訳にはいかず

「大丈夫だよ。ママはちゃんと働いてるから、心配しないで。これは、◯◯ちゃんがもらったお金だから、欲しいものが出てきたら、これで買ったらいいよ」

って、やんわり断ったのですが

「ママにあげるんだから!」

と、手を後ろにしたまま出してくれません。



なので…

息子の優しさを無下にもできず

お守りとして

ずっと大切に持っている事にしました。






さて、そんな息子くん

数日前、学校からの宿題で

自分の宝物を持ってくるように言われ

亡くなったおじいちゃんの写真を持っていきました。

80歳を超えても現役で医師として活躍されたおじいちゃん

患者さんは元より

スタッフからもとても信頼が厚く

カリスマ性のある立派な精神科の医師でした。

とても厳しい方だったけど

とても優しい方でした。

小さい頃、息子は診察室によく遊びに行っては

製薬会社からもらわれたボールペンを

必ず一本もらうのが習慣になっていました。

そんなおじいちゃんと一緒に過ごした日々の思い出が

息子にとっての宝物になっているのですが

白髪頭で白衣を着たおじいちゃんの写真を見て

周囲の男の子たちは、からかうのだそうです。



お金では買えないし

簡単には手に入らない

素敵な宝物なのに

息子は、考えや気持ちを言語化する事が苦手なので

うまく言えず、ただ悔しくて、傷ついています。

「ママ、明日、僕の宝物を発表する順番なんだけど、発表したくない。だって笑われるもん…」

って、さっき打ち明けられました。

「堂々と発表したらいいんだよ。何も恥ずかしい事はないし、むしろ自慢できる事なんだから。もし、発表の時に笑われる事があったら、ママに話してね」

と返しました。

息子は分かったと言っていましたが

発表の場で、もし揶揄われたり、笑われたりして、

それを一緒に聞かれている担任の先生が

何もフォローがなかったら

ママンは直接抗議しようと思っています。



心優しい息子の思いを、踏みにじるような事を絶対にしたくないから…