現代文ルート:ステージ3(国公立) | サランの受験勉強応援ブログ

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 ステージ3は記述式問題対策用の回と、選択式問題対策用の回に分けて記事を出します。私大専願で、かつ記述式問題を解くことはないという方は、次回の記事の方が参考になると思います。選択式問題も記述式問題の解き方と根本的には同じ考え方をするので、記述式問題が無いという方にも今回の記事が役に立つとは思いますが。

 

【ステージ3】

 ステージ3では解法を学ぶことを想定しています。今回は特に記述式問題の解法に焦点を当てます。『読解の基礎講義』でも記述式問題の体系的な解法は提示されているのですが、ここでは1冊単体で記述式問題の解法に焦点を当てた参考書を取り上げます。

 

【ステージ3】オススメ参考書

『現代文記述問題の解き方「二つの図式」と「四つの定理」』

『最強の現代文記述トレーニング』

※どちらか1冊

 

 

 解き方に関して画一的な解法を持ち込むことにネガティヴな印象を持つ方もいるかもしれません。解き方・解法というものを特に意識しなくても困っていないという方は正直そのままでもいいと思います。しかし、そうでない方は解法というものを身につけてしまった方がいいと個人的に考えています。解法を知ることで手が動き、さらに頭を動かすきっかけになるからです。

 記述式問題ができない方の中には、具体的に何をすればいいのか分からないから、何をしているか自分でよくわかっていないまま場当たり的に対処しているという方が多くいることでしょう。その段階から、何をすればいいのか一般的な指針は持っているからその通りにはできるという段階にさっさと進んでしまいましょう。

 設問の要求に対してどう答えれば解答として認められるかということをその都度考えるということも大事なことですが、現時点またはステージ2まで終わった時点で記述式問題が苦手な方は、具体的に何をすればいいのかという方針を解法として1つでも持っている方が進歩は早いと思います。

 プロの手によって整備された形式をインストールして、成長の足掛かりを作ってしまいましょう。

 まずは典型的な解答プロセスとして解法を身につけ、具体的な問題演習で解法通りに解きながら、設問の要求に個別具体的に対応していくという経験を重ねて、形式的な解法に柔軟性が加わっていくという進歩の仕方の方が苦手な方にはいいと思います。

 

 また、「なぜその解法が内容説明問題・理由説明問題に答えるにあたって妥当な解法だと言えるのか」と考えることで、問題1つ1つへの対応力も上がるでしょう。

 何を答えれば内容説明問題・理由説明問題に答えたことになるかを自力で導ければ文句ないのですが、それができるのは一部の人だけでしょう。既に誰かによって作られた解法を知ることのメリットはこのような点にもあると考えられます。

 

 

 記述式問題の解法を学ぶ1冊目の参考書としてオススメなのは『現代文記述問題の解き方「二つの図式」と「四つの定理」』『船口の最強の現代文記述トレーニング』です。

 

  『「二つの図式」と「四つの定理」』は内容説明問題と理由説明問題に関して、おそらく最も広まっている解法を提示している参考書です。

 具体的な解法は

・内容説明問題…傍線部を分割→各要素を言い換える

・理由説明問題…論理のスタートとゴールを確定→スタートとゴールをつなぐ

というものです。

 内容説明問題について、説明する必要がある要素を決め打ちする方法もありますが、「分割→要素の言い換え」という方法でも説明する必要がある要素とない要素を分ける段階はあるので、特に問題なく折衷できるかと思います。

 理由説明問題に関しては、ステージ2で紹介した中野先生の「帰結を導く前提となる判断を、傍線部と同じ主題について探す」、湯木先生の「論理の出発点と帰着点を探し、その間の飛躍を埋める」、柳生先生の「前提と帰結の間にある論理の飛躍を埋めるため、前提の説明を探す」、吉岡先生の「論理のチェーンをつなぐ」、などの解法と本質的には同じです。それぞれの方針を念頭に置き、実際に問題を解いてみれば、やっていることはだいたい同じだという感覚が分かると思います。

 『「二つの図式」と「四つの定理」』で提示されている解法は、他の参考書・問題集で提示される解法と喧嘩が少なくなっていますし、肉付けしやすいものとなっています。

 

 『船口の最強の現代文記述トレーニング』は内容説明問題・理由説明問題に加えて、要約問題の解法、さらには解答を書く際に特に注意すべき項目を取り上げています。記述式問題の入り口としての使用を想定しているためステージ3の参考書として紹介します。

 内容説明問題は『「二つの図式」と「四つの定理」』とほぼ同じ方法です。

 一方、理由説明問題では、「なぜか」と「なぜそういえるのか」という問い方で2種類に分類した上で解法を提示しています。この分類による対応の仕方は『上級現代文Ⅰ・Ⅱ』と同じ理由説明問題観です。

 ちなみに理由説明問題の分類は『ひとつひとつわかりやすく』や『読解の基礎講義』でもおこなっています。これら2冊には問いの文言による2分類に留まらない「何を説明すれば理由を説明したことになるのか」という観点からの分類もありますが、『最強の現代文記述トレーニング』における分類も含め、『「二つの図式」と「四つの定理」』のスタート・ゴール図と絡めながら使えると個人的には思っています。

 たとえば、まずスタート・ゴールの図式を先にイメージしてしまい、問い方や傍線部の内容をヒントに「何を説明すれば理由を説明したことになるのか」という具体的な解答の要素(=図式の穴を埋める要素)を探す手助けとして分類を利用する、というような使い方です。根拠拾いのお供として使えるものは何でも使っていきましょう。

 

 

 ステージ2の『読解の基礎講義』でも解法は学びます。

 

『読解の基礎講義』で形式を意識した解法は十分だと感じた方

→『最強の現代文記述トレーニング』

 

形式を意識した解法での解説でいくつか問題を解いておきたいという方

→『「二つの図式」と「四つの定理」』

 

という選び方をすればいいと思います。

 

 

【ステージ3】オススメ参考書

『現代文記述問題の解き方「二つの図式」と「四つの定理」』

『最強の現代文記述トレーニング』

 

 

 『「二つの図式」と「四つの定理」』と同様の再現しやすい解法を提示している参考書として、他には『体系現代文』・『現代文プラチナルール』があります。『体系現代文』は総合問題集としての色が強く、『プラチナルール』は記述問題の数が少ないので、記述対策用の最初の1冊としてのオススメ度は落ちるかなと思っています。